2013年8月5日月曜日

TPPよりもやるべきことが日本にはある


2011年11月10日

民衆を甘く見るな TPP・消費税編

TPPに賛成ですか?反対ですか?
2011年11月10日 08:00
TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉をめぐって、推進派と慎重派の攻防が続いている。野田首相はAPECにて、TPPの交渉参加を表明するとみられている。その他、親米派の議員や経団連が推進派。一方、全国農業協同組合中…
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民衆を甘く見るな(小野哲)

2010/12/05 06:20

 ホンジュラスに於ける極右政権による『大統領選』は実態が68%の棄権率による無効そのものだった。
  だが、極右政権の後ろ盾であるアメリカの共犯者である日本のカスゴミどもはこの実態を伝えなかった。しかもクーデターへの抗議行動には警察や軍や準軍暴力 組織などによる凶暴な弾圧がおこなわれた。2005年に大統領に選ばれたセラヤ氏は最低賃金を60%引き上げ、企業利益に打撃を与えた。そして、ベネズエ ラとキューバによって牽引される反帝国主義の貿易ブロックALBA(米州ボリーバル同盟)に参加した。セラヤ氏は、新憲法を起草するための憲法制定議会へ の道を開くことをめざして、拘束力のない国民投票をおこなおうとした。その投票日の早朝、アメリカにそそのかされたオマヌケな軍部どもがセラヤ氏の住居を 急襲し、彼を誘拐しコスタリカへ不当に追放した。パジャマ姿のままで。
 さらに市民報道によると驚きあきれることには、クーデター政権は投票者の 指にインクで印をつけ、投票した人を対象に家庭用電気器具や家を景品とした宝くじをおこなったという。大手スーパーマーケットは、投票したことを示す指の インクを見せた人には特別割引を実施したという。また、カトリック教会は、投票しないことは死を免れない罪だと説いた声明を発したという。だが私はそのよ うな行為をやらかした宗教を宗教とは見なさない、誰がどうみても政治団体である。
 例え連中が何度嘘をつこうが、セラヤ正統大統領がホンジュラスの統治者であることは明白だ。それが現実であり、歪んだパックスアメリカーナは通用しない。何しろ、ウィキリークスにほとんど暴かれている現実に四苦八苦で否定しても、証拠があるから何もできない。
  国連、EU、OAS(米州機構)は、クーデター政権の偽りの選挙に正当性を与えることを拒否して、選挙監視員を送らなかった。選挙後セラヤ正統大統領は毅 然と述べた。「選挙はおこなわれたかもしれない。しかし依然として権力に就いているのは、同じ軍事当局であり、同じ議会であり、私に反対して行動した同じ 人々である。それで、これはいったい何を解決することになるというのか? 絶対に何も解決しない」
 ポルフィリオ・ロボ自称大統領が何度嘘をほざ こうが、心ある圧倒的多数の市民はホンジュラス極右政権を承認しない。拙コラムでホンジュラスの支配者どもと結び付いたアメリカの企業を暴露し、私はその 企業であるペプシ(ゲータレードも含む、日本ではサントリーフーズが販売)とケンタッキーフライドチキン(ピザハットも含む、日本では三菱商事が運営)の ボイコットをドール(飲料部門で雪印メグミルクと提携)、チキータと同時に行っている。それぐらい強い姿勢を示さないと、馬鹿どもには思い知らせることは できないのだ。
 アメリカはイランの核開発を阻止しようと日本にも内政干渉した、では我々もホンジュラスに進出しているアメリカ企業に撤退してもらう権利がある。いい加減にしてもらいたい。http://www.liveinpeace925.com/latin_america/honduras091219.htm

 このようなコメントを以前私は新生活日記に寄せた。
 残念ながら、かなり強い口調で怒りを表明しなければならない連中がいる。それも、英語のスラングでScram!(さっさと出ていけ)といわねばならない愚か者がいる。
 最初にこの文章を引用する。

2011年11月7日(月)
民主党 震災直後の「仙谷メモ」
マニフェスト“安楽死させる”

  民主党機関紙「プレス民主」(4日付)には「マニフェスト」(政権公約)の6文字が見られませんでした。臨時国会の衆院(31日)、参院(2日)で代表質 問に立った同党議員の口からも「マニフェスト」(政権公約)のマの字も聞かれませんでした。野田佳彦首相就任後の2国会連続で民主党は「国民との約束」― マニフェストに口をつぐんだことになります。

どさくさに紛れ
 ○…ここに一つのメモがあります。A4で3枚。2011年3月23日の日付、「『21世紀日本の国づくり』構想について」のタイトルがついています。
 東日本大震災発生から13日目、政府として震災・原発事故後の日本をどう構想するか、その大まかな方向性を記しています。首相官邸の一部で「仙谷メモ」と呼ばれます。1週間前に内閣官房副長官として首相官邸入りした仙谷由人民主党代表代行(当時)が書いたとされます。
 箇条書きの一項目に「民主党マニフェストのリストラと“安楽死”」とあります。大震災を契機に09総選挙マニフェストを、なんと震災のどさくさに紛(まぎ)らせて死文化させるというわけです。

上層部の共通認識
  ○…「メモ」はこう続けます。東日本大震災は「次に向けての『陣痛』と捉えるべき」、目指すは「国家の再生であり新生」―。そのために財政・社会保障一体 改革、開国・グローバル化を推進する「政党連立」、「衆参連携」による「『救国内閣』的な決断と熟議」の政治体制をめざすとしています。
 ずばり大震災という「陣痛」を通じて消費税増税、TPPなど財界路線を全面的に推進する民自公大連立政権へ向ける政治プランでした。
 仙谷氏は、菅直人首相との確執で、その後まもなく震災復興担当は離れたものの、メモが示す方向性は3月時点の民主党上層部で共有されていました。
  民主党は菅政権時代の昨年の参院選やその後の社会保障・税一体改革方針などでマニフェスト路線を後退させ、震災後の8月のマニフェスト検証委員会「中間検 証」報告書、民自公「3党合意」で決定的にマニフェスト離れをしました。「メモ」に書かれていた通り、「安楽死」させたのです。

「御用聞き」政治
  ○…選挙を経ず民主党で3人目の首相となった野田首相にとって政権の正統性を裏付ける根拠は有権者との約束である09マニフェストです。国民との約束を離 れて何を目安に野田首相は政権を動かしているのか。野田首相は財界とアメリカの支持を頼りに、両者の「御用聞き」政治をひた走っています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-11-07/2011110702_01_1.html



主張
消費税「国際公約」 日本国民は首相の眼中にない

 フランス・カンヌの20カ国・地域(G20)首脳会議で、野田佳彦首相は2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる方針を表明しました。
 庶民増税に執着する首相は以前から“ミスター増税”と呼ばれています。しかし、首相就任以来、消費税率10%への増税について、その必要性や暮らしへの影響など、首相の口から国民に対しては何の説明もありません。
 国民には何ら具体的に語らず、国際会議で一方的に消費税率10%を「公約」する―。日本国民が眼中にないやり方です。

語るべきは失政の教訓
 金融・経済危機への対応でヨーロッパとアメリカは財政赤字を拡大し、歳出削減や国民への負担増など財政危機への対応で景気悪化と失業問題に苦しんでいます。経済が立ち直らない限り財政危機を打開する道も見いだせない困難な局面です。
 日本も苦い経験をしています。20年前のバブル経済の崩壊後の対応と財政再建の失敗の経験です。
  政府はバブル崩壊後、アメリカと財界の要求に従って大型公共事業に湯水のように税金をつぎ込みました。さらに大企業・大銀行への減税や公的資金投入で財政 赤字を積み上げた揚げ句に「財政危機」を宣言し、消費税増税、医療費値上げなど国民負担増路線に突き進みました。その結果、日本経済は大不況に陥り、財政 赤字をいっそう膨らませています。
 暮らしを痛めつける財政再建策は内需を冷え込ませ、税収を減らして赤字を拡大する―。いま世界に伝えるべきなのは日本の痛切な大失政の経験と教訓です。
  民主党は野党時代には、かつての失政を批判したこともありました。2009年に政権に就いたときの総選挙では消費税を増税しないと国民に公約もしていまし た。その公約を完全に裏切って、しかも国民の頭越しに消費税10%への増税を「国際公約」したことは、本末転倒の極みです。
 首相は1週間前の所信表明演説で、歳出削減と経済成長による増収の努力を尽くして「足らざる部分について、初めて『歳入改革の道』がある」とのべています。
 米軍「思いやり」予算など軍事費を温存し、政党助成金すら減らそうとしないでムダの削減に努力をしたとはとても言えません。それどころか、大金持ちに奉仕する証券優遇税制を継続し、一部の大企業を潤す新たな法人税減税を強行しようとするなどムダを広げています。
 最低賃金の大幅引き上げを怠り、労働者派遣法の改正も先送りし、社会保障は削減路線を続けています。内需拡大に完全に逆行し、経済成長による増収の努力など“どこ吹く風”です。

暮らし最優先への転換
 暮らしを破壊する消費税増税は、経済と財政の悪化の悪循環の繰り返しへの道です。
 財政危機の打開は、経済の立て直しと一体で取り組んでこそ初めて解決の道が開かれます。その最大のカギは、大企業応援から暮らし最優先の経済・財政政策への転換にあります。
 野田首相の発言はあまりにも軽く、何より国民に対する誠意が感じられません。これでは国際会議でも重きを置かれるはずはなく、軽んじられるだけではないでしょうか。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-11-05/2011110501_05_1.html

野田首相 消費税増税は“不可避”「実施前に民意を問う」
 野田佳彦首相は7日の衆院予算委員会で、社会保障と税の一体改革に伴う消費税率の引き上げに関し「持続可能な財政という意味で歳入改革は避けて通れない。先送りできない」と述べ、財政健全化の観点から不可避との認識を示した。
 予算委に先立つ衆院本会議では「(消費税増税関連の)法案提出後は成立に全力を尽くし、実施前に民意を問う」と述べ、野党が求める関連法案提出前の衆院解散・総選挙には応じない考えを強調した。
 20カ国・地域(G20)首脳会合で消費税率引き上げを事実上の国際公約としたことをめぐっては「所信表明演説や記者会見でも申し上げてきた。いきなり国際社会で言ったわけではない」と述べた。
[ 2011年11月8日 06:00

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/11/08/kiji/K20111108001983440.html


 こんな程度の軽い野田を痛烈に批判している男がいる。あの松木謙公氏である。

【政治】民主・松木謙公氏「岡田克也はパンツ一丁で福島に行け!」 自著で菅前首相や岡田氏を酷評2011/10/06(木) 01:45
「この男は、政治家としてだけでなく、人間として欠陥がある」

 民主党から除籍処分を受けた無所属の松木謙公元農水政務官が、 最近出版した自著「日本をダメにしたこの民主党議員たち」(日本文芸社)で、 菅直人前首相を厳しく批判していることが分かった。
 この中で松木氏は、先の党代表選の際、小沢一郎元代表が擁立した海江田万里元経済産業相の選対幹部のもとに菅氏から
「小沢一郎は自分の権力のことしか考えていない男だ」という趣旨の電話があったことを暴露。
「こんな低俗な人間を首相にしてしまったことを民主党はおわびしなければならない」とつづっている。
 東京電力福島第1原発から半径20キロ圏内の化学工場を視察した際、自分だけ防護服姿だった岡田克也前幹事長についても「空気の読めない能面男」「パンツ一丁で福島に行け!」と批判している。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111005/stt11100522430008-n1.htm

 さらに佐高信氏と関係が深い田中真紀子氏も痛烈に野田をこき下ろしている。

“真紀子節”炸裂 「TPPは飛び込んだら入水自殺」「小泉改革の二の舞だ」 首相も「野田なんとか」呼ばわり
2011.11.4 23:32 [民主党]
 「TPPに日本が飛び込んだら入水自殺だ」-。民主党の田中真紀子元外相は4日、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を慎重に考える会」(会長・山田正彦元農水相)で講演し、歯に衣(きぬ)着せぬ“真紀子節”を久々に炸(さく)裂(れつ)させた。
 田中氏は「TPP参加で公的医療保険制度が根本から崩れる。小泉純一郎元首相の郵政民営化の二の舞いになる」と強調。「野田佳彦首相は『国論が二分して決められない』とはっきり言うべきだ。米国は大人だから日本がノーと言っても圧力をかけない」と断じた。
 首相についても「党員資格停止中だったので野田なんとかさんに投票せずに済んだ」と酷評。返す刀で慎重派議員も「頭は良いが、知恵がない。議論ばかりしてどうするのかが分からない。地元や支持団体の意向で賛成、反対を決めるなら県議や市議だ」と切り捨てた。

 さらに京都大学大学院助教である中野剛志氏はTPPを「徹底的にパッパラパー」と皮肉り、財界人どもの妄想を痛烈に論破している。

http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_5.html

 週刊金曜日では推進派の米倉弘昌日本経団連会長が会長を務める住友化学が遺伝子組み換え植物最大手のアメリカ・モンサントの販売代理店であると指摘した。

http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=1337

 これだけ批判されている以上、野田がとるべき路はただひとつである。
 TPPへの参加は即刻断念し、アジア・EU・南米・ユーラシアとの関係を強化すべきである。アメリカは衰退している国家である。あるとすれば頭脳である。その頭脳を確実に補強していけば日本はアメリカに依存することはない。
 さらに全千島列島をロシアが無条件で日本に返還することで、日本は中華大陸のみに問題点を集中することができる。日本はアメリカの属国ではないのだ。野田は民衆を甘く見くびってはいけない。消費税を上げる前に大企業や大資産家にもっと負担をさせてからにしろといいたい。


2011年11月12日

TPPは孤立主義を加速させる


 以前、私は皮肉をこめて自民党をこうこき下ろした(新生活日記にて)。

サア、自民党よ矢祭町を真似ましょう(小野哲)

 福島県矢祭町の議会議員が給料を月給制から日給制三万円に切り替える事になった。
 それで200万円削減し、福祉に回していくようだ。
 さて、自民党だがこの日給制を採用したら如何か。日給5万円にしてもかなりコストは削減出来る。丼計算がコストをさらにかさませる。
 そこで、企業団体献金に走る輩が出てくるのは予想出来る。ので、企業会計に誰に献金したかを公表させるよう義務づけさせるよう厳しいシステムにしてしまうのだ。
 自民党は横並び大好きな政党であるのは明らかだ。矢祭町の取り組みを是非とも見習ってもらいたい。

 その自民党がTPPで反対を打ち出した。
 私も歓迎するところなのだが、ちょっと待ったと言いたい。フリージャーナリストの田中宇氏の指摘を見て欲しい。


TPPが日本の政界再再編につながる?

2011年11月1日   田中 宇
 日本政府は、11月12日にハワイで開かれるAPECサミットまでに、米国主導のTPP(環太平洋経済協定)に参加するかどうかを決めねばならない。ここ数日、TPPをめぐる議論が政界やマスコミで激しくなっている。

  私が見るところ、日本でTPPの参加に賛成している人々の本音は「米国は日本にとって唯一絶対に大事な国であるのだから、米国が日本のTPP参加を強く望 んでいる以上、参加しない選択肢はない」というものだ。賛成派の多くは、対米従属論者である。日本が入った後のTPPの加盟諸国をGDPで見ると、米国が 全体の7割、日本が2割を占めている。他の7カ国の加盟国・加盟交渉国は合計で1割にしかならない。TPPは事実上、日米FTAである。

  日本がTPPに入る経済的な利得は少ない。農業産品については、米国や豪州から日本への輸出が増え、日本の農業が打撃を受ける。日本経済全体に占める農業 の割合はわずかだが、地方の社会は、農業で支えられている部分が大きい。農業が成り立たなくなると、地方の社会がますます過疎になって荒廃する。食料安保 の問題を外して考えたとしても、社会的、政治的、国家安全保障的に良くない事態が加速する。

 金融については、ゆうちょ銀行つぶしが加速 するだろう。全国津々浦々、コンビニがない集落にも、郵便局があり、金融サービスを提供している。この点も地方の荒廃を加速する。工業製品については、す でに日米間の関税がかなり低く、日本企業の北米での現地生産の割合も高いので、いまさら自由貿易体制を強化しても大してプラスにならない。TPP参加に よって日本経済は10年間で2・7兆円の利得があるという。年間2700億円だ。約500兆円ある日本の経済全体(GDP)の0・05%の効果しかない。

  米国の債券金融システムが隆々として、米国民が気軽に借金をして旺盛な消費をしてしいた以前なら、日本企業が製品を米国に輸出しやすくなることは、日本側 の大きな利得となったが、リーマンショック後、米国民は借金できなくなり、米国は世界から大量に輸入できる体質でなくなった。オバマがTPPに力を入れる のは、米国製品を日本市場で売りやすくして、米国の輸出産業を復活させ、再選に向けた自らの政治的得点にしたいからだ。半面オバマは、日本などアジア諸国 に対し、対米輸出で経済発展しようと考えるのはもうやめろ、と警告している。衰退しつつある米国は、日本を含む世界にとって、旺盛に消費してくれる経済覇 権国でなく、逆に、政治と軍事の力で世界から利益をむしりとる存在になっている。 (経済覇権国をやめるアメリカ)

 日本がTPPに入る と、利得より不利益の方が大きい。それなのに、政府や外務省、マスコミなどがさかんにTPPに入った方が良いと言い続けるのは、米国が日本に入れと強く 言っているからだ。TPPは、実は経済の話でなく政治の話、対米従属という日本の国是をめぐる話である。対米従属の話であるので、TPPの報道には、沖縄 基地問題などと同様、マスコミ報道にプロパガンダ的な歪曲がかかっている。

 たとえば、TPP反対論者である京都大学の中野剛志準教授が 出たフジテレビの番組では、テレビ局側が「TPPの日本経済へのメリットは2・7兆円」と「10年間で」という条件をすっ飛ばした表記や「日本から米国へ のテレビの輸出にたとえば100%の関税がかけられるとすると・・・」と、実際には10%である関税率を「たとえば」という言葉をつけて「100%」と誇 張してしまう報道を行った。中野氏がこれらの点を語気荒く指摘し、テレビ局のプロパガンダ体質がその場で暴かれる番組の展開になっている(番組内で暴露さ れてしまう点は、国粋主義の側からの、別の演出がある感じもするが)。 (TPP問題で中野剛志氏がフジテレビを論破!)

▼腐敗した米国型の体制を強要される

  TPPの要点は、ほかにもある。TPPは加盟国に、関税だけでなく、政府の監督政策、労働、環境、公共事業政策、安全基準など、規制や制度といった「非関 税障壁」の撤廃を義務づけている。参加国の中で、米国の政治力と経済規模が圧倒的に大きいので、事実上、米国が、日本などの他の参加諸国に対し、米国型の 規制や制度を押し付けるかたちとなる。 (Wooing Japan with TPP deal as 'economic saviour')

  米国の規制や制度が、日本よりすぐれているか、日本と同程度ならまだ良いのだが、この10年あまり米国の政府と議会は、金融界や防衛産業、製薬業界、医師 会、農業団体など、各種の産業のロビイストに席巻され、各産業界が思い思いに米政府を牛耳り、自分たちに都合の良い政策を政府にやらせる傾向が年々強まっ ている。911以後、防衛産業(軍産複合体)が有事体制を作り、民主主義の機能低下が起きたことに他の業界が便乗した結果、米国の行政はものすごく腐敗し たものになっている。 (The Left Right Paradigm Is Over! It's You Vs. The Corporations)

 その結果、金融界をはじめとする大金持ちに対する課税の比率が少なくなって貧富格差が急拡大している。リー マンショックで金融界が潰れそうになると、巨額の公金が注入され、金融界による連銀の私物化に拍車がかかってドルが過剰発行された。製薬業界や医師会が、 メディケアなど管制健康保険の診療報酬や処方箋薬適用をお手盛りで拡大した結果、メディケアなどは支出過剰になり、米政府の財政赤字が急増している。これ らの全体に対する米国民の怒りが「ウォール街占拠運動」などにつながっている。 (アメリカ財政破綻への道)

 公的な事業であるべき、道 路や電力網など公的インフラの整備が、市場原理重視策によってないがしろにされている。ここ数年の米国では、大都市で大規模な停電が起きている。電力自由 化のなれの果ては、01年に起きたエンロン破綻事件だ。道路や橋の整備が不十分なので、民間企業が橋や道路を建設して高めの通行料をとるケースも増えてい る。 (U.S. electricity blackouts skyrocketing) (With U.S. infrastructure aging, public funds scant, more projects going private)

 米議会の共和党 は、米国の産業界が守るべき環境基準を緩和し、環境汚染を今よりも容認することで、企業が環境保全に払ってきたコストを減らし、その分、雇用を増やせるは ずだから、汚染容認が雇用対策になるのだと主張している。TPPに入ると、日本政府が企業に環境保護や消費者保護、厳しい安全基準の遵守などをやらせるの は非関税障壁だという話になっていきかねない。 (Party of Pollution By PAUL KRUGMAN)

 米国型の 経済政策は、自由市場主義を表の看板として掲げているが、それは実は、企業が米政府を牛耳った腐敗構造の産物だ。そうした構図が露呈し、米国型の経済政策 がうまくいかないことが明らかになった今ごろになって、日本はTPP加盟によって、米国型の経済政策を強制的に導入させられる方に進んでいる。

  日本が唯々諾々とTPPに入って米国にむしり取られていくと、それは終戦後、日本が米国から技術や資本をもらって成長してきた分を、すべて米国に差し戻し て、再び貧しい「第二の敗戦」の状態へと向かっていくことになる。米国は、日本の「戦後」をちゃらにするリセットをかけようとしている感じだ。

  日本の財界はTPPへの参加を支持している。米国からの圧力で、日本市場での規制が緩和されていくと、日本企業にとってもプラスだとの思惑からだろう。だ が実際には、米国企業がロビイ活動によって米国政府を牛耳ってやらせている米政府の産業政策が、TPPを通じて強制的に日本に導入されると、得をするのは 米企業であり、損をするのは日本企業だ。

 日本の官僚機構はこれまで、官僚の権限を維持するために、各業界に対して厳しい規制を敷き、日 本企業はその規制を満たす努力をすることで、環境や安全の面で技術を磨いてきた。規制を満たせない外国企業は入ってこれなかった。今後、日本の規制が崩さ れて米国型に変質していくと、この点での日本市場における日本企業の優位性が失われてしまう。

 同時にTPPは、農水省や厚生労働省な ど、日本の官僚機構の中でも現業官庁の既得権益を破壊する。半面、対米従属の国是を推し進める主役である外務省は、当初からTPPを強く支持している。外 務省は、対米従属の国是を守るために、仲間であるはずの現業官庁の権限を削って米国に譲渡する戦略をとっている。(日本の外交官たちは、現業官庁の官僚を 馬鹿にしており、仲間と思っていないが)

▼「対米従属vs国粋主義」の対立軸に転換する?

 農業団体から左翼系市民運動 まで、TPPへの反対を強めている。だが、野田首相はすでに米国側に対し、TPPに参加しますと表明してしまっている。日本政府は、反対論を押し切って、 無理やりにTPP参加を実行しようとするだろう。しかし、それは野田政権にとって、政治的に危険なことだ。自民党も民主党も、内部で賛成派と反対派にわか れ、反対派の方が多い。これまで対米従属が日本のために良いのだと思っていた人々が、米国の露骨な利権あさりのやり方を見て、米国との関係を損ねても TPPに入らない方が良いのでないかと思い始めている。

 これまで対米従属で一枚岩だったはずの日本の中心部分が、対米従属に残る勢力 と、米国を見限ってもっと国粋主義(鎖国)の方向に移り出す勢力に分裂し始めている。これまで少数派だった反米主義の左派(社民党や共産党)と、国粋主義 の右派(自民党)が「日本の農業や、市民生活の安全を守れ」という点で一致して、TPP反対集会で並んで座っている。

 日本の政界は、こ れまでの「左派vs右派」「民主党vs自民党」という構図が崩れて「対米従属主義vs国粋主義(鎖国主義)」という対立軸に再編されていくかもしれない。 米軍基地の存続に反対する沖縄の人々と、TPPに反対する本土(ヤマト)の国粋主義者が連携しうる。対米従属プロパガンダ機関であるマスコミは、TPPの 本質を隠す報道に力を入れ、国民の怒りをそらす努力をしているが、それを超越してTPP問題で怒る日本人が急増すると、野田政権は意外と短命で終わる。日 本の政治が、再び面白い時期に入っていくかもしれない。

 前回、日本の政治が大転換したのは、09年秋に自民党が下野して民主党政権がで き、鳩山元首相が対米従属をやめる方向性を示したり、小沢一郎が大量の国会議員を引き連れて中国を訪問したりした時だ。あの時は、日本の国是を、対米従属 からアジア重視に転換させようとする政治ベクトルが動き出し、すぐに官僚やマスコミといった対米従属派が全力で反撃して乱闘状態になった。当時は「対米従 属vs中国重視」だった。今回は「対米従属vs鎖国(国粋主義)」である。これは、幕末の「尊皇攘夷」以来の事態になるかもしなれない。(「鬼畜米英」は 米英に引っかかって始めた戦争でやむなく使った言葉なので、もっと底の浅い話だ)

 フジテレビなどは、日本が米国から「日本は韓国ともっ と仲良くして、日米同盟を米日韓の3国同盟にせねばならない」と命じられた結果なのか、韓国の芸能人をテレビに大量に出す韓流重視策をやっていた。しか し、それは「韓国人なんか嫌いだ」という排外的な国粋主義の反発にあい、フジテレビ前で韓流反対運動のデモが起きたりした。日本人の特性として、鎖国的な 国粋主義はかなり強い。

http://tanakanews.com/111101TPP.htm


 私はこの説明にうなづく。
 以前、私は新生活日記でカルデロン一家の悲劇を取り上げ当時の自民党政権を厳しく批判した。そうしたらネット極右どもからネットスクラム攻撃を受けたが全てIPドメインを公表した上で書込み禁止処分を言い渡した。
  もし、このブログでこうした違法な投稿をかませば今回は猛烈な反撃を用意させてもらうが今はそんなところじゃない。私がTPPに反対するのは安い商品が 入ってきたら必ず弱い立場の在日外国人にその矛先が向けられるのは歴史の常だと言う現実を知っているからだ。その結果はネオナチの膨張を招いている。「日 本ではありえないだろう」とノーテンキなことを思っているそこのあなた、それはとんでもない。
 日本に極右政治家がすでにいる。難波の独裁者である橋下徹ではないか。

愚者と賢者(小野哲)

2011/01/07 06:16

仕事始めも橋下知事vs平松市長 「トライ&エラー」「妄想」2011.1.4 12:58
 仕事始めを迎えた4日、大阪府の橋下徹知事は府議会議場で「今年はトライアンドエラー。挑戦して失敗した人を評価し、みんなで拍手する組織にしていきたい」と抱負を述べた。
 府幹部職員や若手職員らを前に、橋下知事は「自治体は住民サービスの主体であると同時に、都市経営の視点を持ち続けなくてはならない。大阪が都市経営を行わなければ、日本の発展はない」と力説した。
 登庁時には報道陣に対し、知事としての3年間を振り返り「財政再建、府庁改革、政策創造の3点で基礎をつくれた。これを前進させることが残りの任期の仕事だ」と語った。
 一方、大阪市の平松邦夫市長は市議会議場での年頭あいさつで、橋下知事が掲げる大阪都構想について「自然に崩れていく妄想」と切り捨てた。
 平松市長は「自らなすべきことをなさず、他を攻撃することのみで喝采を博すような風潮がこの国に蔓延(まんえん)している」と述べ、知事を暗に批判。「歴史ある都市をバラバラにし、権限や能力を奪い取ろうという動きがある。決して許すわけにはいかない」と語った。
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/110104/lcl1101041300000-n1.htm
 平松市長はさすが橋下自称知事よりは大人のようだ。
 橋下は単なるポピュリストでしかない。まず、橋下は自ら率先して給料を日給制にして職員より安く働けと怒鳴りたい。リスクプレミアムを知らないお坊ちゃまによう言えるわといいたくなる。
 橋下は弱者イジメの天才であることは私や我が盟友の批判で明らかになっている。そして地域政党という『大阪維新の会』は支持率が低下しつつあるが、当然である。橋下には政策立案能力はゼロ、思想・理念もゼロとこれだけゼロ勢揃いというのも珍しい。
  私はこの国をよくする方法に、法人優遇政策から大衆優遇政策への転換が必要だと言っている。例えば法人税は1984年レベルに戻し、証券優遇税制は即刻中 止、所得税も1984年レベルに戻し、物品税を復活させ、更に派遣・請負制度の大幅規制で正規雇用に回帰、サービス残業を含めた残業の禁止などによる雇用 創出だけでも、企業の業績は回復するのだ。
 橋下は森鴎外の作品で、別名『安寿と厨子王』(ここではタイトルは忘れたが、青空文庫にある)をじっくり読み直し、自らの歪みを思い知るがいい。柔軟性なき橋下のメッキはすでに暴かれ、後は小沢一郎氏などに利用されるだけのピノキオとしての役目しかない。
 それがせいぜい橋下の生きる道というやつなのだろうが、これを人は自業自得というのである。

突っ込み所満載(小野哲)

2010/10/22 20:32

橋下知事が相次ぐ首長の育休に「反対。世間知らずだ」と批判2010.10.21 11:44
 橋下徹知事は21日、大阪府箕面市の倉田哲郎市長が次男誕生で約2週間の「育児休暇」を取得することについて、「育休が取れる社会には賛成だが、首長の育休には反対」と述べた。
 橋下知事は「首長が育休を取ったからといって、世間が育休を取れる環境になるわけではない。あまりにも世間を知らなさすぎる」と指摘。「(首長は)世間が育休を取れる環境になってから取るべき」と主張した。
 首長の「育休」では今月19日、広島県の湯崎英彦知事も第3子誕生から約1カ月間、子供の送迎などのため部分的に公務を離れる「育休」を取得することを明らかにしている。http://sankei.jp.msn.com/politics/local/101021/lcl1010211145005-n1.htm

広島知事「大きなお世話」
 育休に苦言の橋下知事に反論2010年10月21日19時16分  湯崎英彦・広島県知事は21日、橋下徹・大阪府知事が「世間知らず」などと発言した点について「大きなお世話と言いたい。見解の相違だ」などと反論した。
  この日午後、県庁内で報道陣から橋下発言の感想を問われた湯崎知事は「我々は育休を取りやすい政策作りをしており、その一環だ」と説明した。広島県は今年 度、社員が1週間以上の育休を取った中小企業に、最高30万円の奨励金を支給する制度を創設したばかり。湯崎知事自身も子育てを積極的にする男性「育メ ン」を公言してきただけに、橋下知事の発言に我慢ならなかったようだ。
 湯崎知事は「子育て支援の象徴的なメッセージになる」などとして、第3子の出産に合わせて今月末から、1日のうち公務の合間の数時間を子どもの送り迎えや食事の支度などにあてる「育休」を取得する方針を明らかにしている。(水田道雄)
http://www.asahi.com/politics/update/1021/OSK201010210086.html

 さすが橋下自称知事の知識は世界一のお笑いものですなぁ。
  まず、スウェーデンやデンマーク、ヨーロッパでは父親が子育てに参加することがごく自然になっている。だから湯崎知事の判断はそれほどニュースにはなりえ ない。逆に言えば、出産時に立ち会う知事がこのままじゃニュースになってしまうオマンガぶりである(イギリスのキャメロン首相が妻の出産に立ち会った事が ニュースになることは考えられない)。今まで私や我が盟友、村野瀬玲奈氏、植草一秀氏、佐高信氏、井上静氏に散々突っ込まれてそのオマヌーな実態をネット でぶざまに曝されたのにまたコテンパンに突っ込み所満載というわけか。コメディアンに転身したらいかがかな?
 この自称知事の暴言と公私混同は社 会に害毒ばかり垂れ流している。なので私からはインターネットホットラインセンターに奴のホームページを通報した。何しろ、買春をレジャーといいのけるイ カレポンチなのだから、悪質度は重症でありつける薬がない。だから、『感動大阪大賞』なる表彰時にガンバ大阪の遠藤保仁選手に自分の子供を会わせてサイン までもらえる高慢無知につながるのだろう。この種の人間は徹底してフィルタリングで閉めだし、猛省を促すしかない。何しろ、弁護士なのに光市の母子殺人事 件の犯人の弁護団に懲戒処分を呼び掛ける愚か者だ。本業の基本が分からない橋下こそが懲戒処分を受けて当然であろう。
 またつい昨日は極右中国の上海万博招待をキャンセルされてキャンキャン吠えていたが、これを『よく吠える犬は弱い』のである。その証拠に極右中国の口先謝罪に気分をよくしたではないか。茨城県龍ケ崎市の中山市長も呆れる事請負ではないか。
 こうした男にはこの男がお似合いだ。

あ きれた常識  ウィニーで映画流出、容疑で男逮捕 七条署など 京都産経新聞 9月28日(火)7時57分配信 ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を使い、日本公開前の映画を不特定多数の人がダウンロードできるようにし たとして、府警生活経済課と七条署は27日、著作権法違反容疑で、茨城県内の会社員A容疑者を逮捕した。 A容疑者は「ファイル共有ソフトを使ってダウン ロードしたものをソフト上にアップするのは、この世界では常識」と容疑を認めているという。
 逮捕容疑は、4月7日午前10時40分ごろ、自宅でウィニーを使い、日本公開前の映画「シャッター・アイランド」を公開し、著作権を侵害したとされる。同作品は2月19日に全米公開され、日本での公開は4月9日だった。
 府警によると、A容疑者は「少なくとも5年以上前からやっていた」と供述。他にも、ウィニーやファイル共有ソフト「Share(シェア)」を使って集めた映画やアニメなど約2万1500作品をウィニーで流すなどしていたという。最終更新:9月28日(火)9時44分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100928-00000074-san-l26
(小野注 容疑段階なので、実名および個人を特定できる情報は原則として報道しません)
 このAという男の言い分は情報が警察からだけなので信用は出来ないが、もし仮に事実なら由々しいことであり、まさに独善的そのものである(だが彼にも言い分があるので断定はできかねる)。
 橋下もおなじような独善的な物言いばかりではないか。いい加減に大阪府知事をやめろと言いたい。その時にはせめて受け取っていた給料を罪滅ぼしとまでは行かないにせよ、5倍にして大阪府に返還しなさい。そうすることで大阪府の財政再建の道筋がつくのだ。

その他の参考記事橋下知事、家族呼び遠藤選手と記念撮影 府庁での表彰時2010年8月25日23時37分http://www.asahi.com/politics/update/0825/OSK201008250132.html

愚鈍(小野哲)

2010/07/07 00:54

橋下知事「大阪市は税金貪るシロアリ」 徹底解体へ監査請求も2010/07/06 14:58 産経新聞
  大阪市議補選(生野区、欠員1)の候補者応援をめぐり、平松邦夫大阪市長に対し、対決姿勢を示している大阪府の橋下徹知事は6日、市が4日に生野区内でタ ウンミーティングを開催したことについて「選挙期間中に市主催でタウンミーティングをするのはおかしい。市役所は税金をむさぼり食うシロアリ。即刻解体し ないとえらいことになる」と批判した。 
■「霞が関でさえ、こんなことせぬ」
 タウンミーティングについて、橋下知事は「平日に生野区以外でやるべき。公務員の政治的な中立性からしてどうか。霞が関の役所でもこんなことはしない」とも指摘。地域政党「大阪維新の会」として市に対し、監査請求を行う考えも示した。
 タウンミーティングは生野区の区民センターで開催し、約300人が参加。橋下知事が掲げる大阪都構想について平松市長が「細かい問題が多いのに、区長公選制の導入で何かが変わると思ってしまうことに大きなわなが潜んでいる」などと批判していた。
 市議補選では、平松市長が応援する民主新人、大阪維新の会新人、共産新人の3人が立候補している。

大阪府が国に“貸金特区”提案 上限金利、改正前の水準に

 大阪府は6日、改正貸金業法を規制緩和する構造改革特区の設置を内閣府に提案した。一部融資について上限金利を年15~20%から改正前の29・2%に引き上げ、年収の3分の1超の融資を原則禁止する「総量規制」についても適用を除外し、独自の上限額を定める。

 改正によって消費者金融などから融資が受けられなくなった中小企業や個人が、ヤミ金融など違法な業者に流れるのを防ぐのが狙い。多重債務を引き起こさないよう独自の支援制度も創設する。

 ただ、特区が認められれば、法改正の目的そのものが失われる恐れがあるほか、規制緩和を歓迎する貸金業者が特区に集中する可能性もあり、波紋を呼びそうだ。政府は9月をめどに特区の可否を判断する見通し。

 橋下徹知事は「直接的な規制ではなく、知恵を使って貸し手と借り手のバランスを取り、適正な貸金取引をすべきだ。改正貸金業法には知恵がない」と述べ、特区申請の理由を説明した。

2010/07/06 18:29 【共同通信】

 さすが、ポピュリズム政治屋ですなぁ。
  村野瀬玲奈氏や植草一秀氏からコテンパンにこき下ろされ、佐高信氏からもずたずたに論破されているお坊ちゃまくんは甘い囁きと反撃できない弱者への誹謗中 傷でしか成り立たない。そういう愚か者はサミュエル・ジョンソンの名句でいくらでも論破できる。こういうマスゴミ受けしかあたまにないおまぬけには上から 視線で見下すのが一番堪える。
 金貸し特区なんてアホな提案よりは、簡単に出来る提案を私からお坊ちゃまくんにしてあげようか。それは、大企業の 派遣・請負での雇用を行政指導や条例で禁止、残業もサービス残業も規制してそれだけ正規雇用で対応させるよう命令すればいいまでのことだ。あとは既存の制 度をフルに活用すればいいまでだ。たったそれだけなのに、お坊ちゃまくんにはそのことは分からないらしい。これこそ、疎かにして鈍感、すなわち愚鈍といわ ずして何なのか。
 さらにパチンコやギャンブル、タバコ、酒、風俗業者、風俗を取り扱うビデオルーム業界への課税を更に強化すればいいまでのこ と。そうすればこれらに取り付く借金は減る。ギャンブルへのメスを入れないで金を貸すというおまぬけな提案をする暇があるなら、まずは庶民の暮らしを改善 しろと言いたい。更にパワハラなどのハラスメントを条例で取り締まれと言いたい。そうすれば、ハラスメントで歪んでいた職場は大概良くなる。もっとも、ハ ラスメントテストで重度のハラッサーと判明しているお坊ちゃまくんにはその発想すら浮かばないらしい(笑)。
 子供同然だから、いつも反撃できな い弱者を槍玉にして自らの歪みや不当な振る舞いを正当化し、事実から逃げている。だが、そのレベルでは国際法ではもちろん、洗練された村野瀬氏や植草氏、 井上静氏にはまあ、逆立ちしても死んでも論破は無理である。既に佐高氏からは月刊創で手厳しく再起不能なまでに論破されている。
 更に、「青少年育成条例」改悪で事実上検閲までしようと言うのには弁護士出身とは思えないといわざるを得ない。日本国憲法に明白に違反しているこの動きは絶対に容認しがたい。行政を単に足し算引き算程度で捉えているといわざるを得ない。
  私立高校にいかざるを得なかった若者たちに「あんたらが選んだ」と人間とは思えない冷酷な暴言を連発し、彼等を誹謗中傷したこのお坊ちゃまくんにはみんな の目の前で日本国憲法を声に出して全文読み上げさせようではないか。もっとも、都合が悪ければ沈黙するもしくは海外に逃げるという点で竹中平蔵や木村剛と 同じだから、期待はできかねるのだが(笑)。


 こういう政治屋にでかい顔をさせるのがTPP「推進派」の罪である。
 そんな男が大阪市の平松市長を敵に仕立て上げ、自らのゆがみを棚に上げて「立候補」しよう、「大阪都」構想なる妄想を大阪市民に押し付けようとしている。まさにこれを自称政治家といわずしてなんと言うのか。橋下は徹底的に適当な馬鹿者だ。

前言撤回、橋下知事退任 「皆さんは優良会社の従業員」
産経新聞 11月1日(火)7時55分配信

拡大写真
大阪ダブル選で想定される構図(写真:産経新聞)
  11月27日投開票の大阪市長選にくら替え出馬する大阪府の橋下徹知事(42)は31日、任期を3カ月残して知事を退任。府職員への退任あいさつでは、就 任時に述べた「皆さんは破産会社の職員」という言葉を“撤回”し、「優良会社の従業員。3年9カ月、ありがとうございました」と笑顔で締めくくった。

 橋下氏は31日午後、記者会見に臨み、「年齢不相応な職を背負ってきた」と振り返る一方、行財政改革について「僕以外の知事ではできなかった」と述べるなど“橋下節”も展開した。

 平松邦夫・大阪市長との対立については「僕は府域全体、平松市長は市域を見ているので、最終的にこうなってしまうのも仕方ないかなと(思う)」と述べ、くら替え出馬について「(家族は)猛反対だが、ここまできた以上は勝負しないといけない」と語った。

  一方、橋下氏が市長選で掲げるマニフェスト(公約)の最終案が同日判明。市が筆頭株主の関西電力の在り方について、発電部門と送電部門を切り離す「発送電 分離」で新規事業者の参入を促し、関電が独占している電力供給体制の再構築を提唱している。橋下氏が代表を務める地域政党「大阪維新の会」はすでに、「脱 原発」に向けた株主提案権の発動を盛り込む方針を決めていたが、筆頭株主が“自社”の経営体制に異論を唱える形となり、論議を呼びそうだ。

  大阪市長選には橋下氏のほか現職の平松邦夫氏(62)、元共産市議の渡司考一氏(59)が立候補する予定。一方、府知事選には維新の会幹事長、松井一郎氏 (47)と大阪府池田市長の倉田薫氏(63)、共産推薦で弁護士の梅田章二氏(61)、建設会社社長の羽柴秀吉氏(62)らが立候補を表明している。

 こんなでかいことをよく言えたものだ。
 橋下は余計大阪府の財政を悪化させた責任者だ。府債残高の総額は10年度、初めて6兆円を突破しているがこのことに一言も触れていないのは何事か。倒産会社をさらに悪化させただけではないか。これではマイカルを再建させた榎本恵一氏も真っ青請負ではないか。
  TPP推進よりも、ここは日本国内の基盤を回復させることを優先させるべきである。それには移民問題についても真っ向から考えることが必要で、国籍法を最 低限出生地主義にすべきと言うのが私の持論である。その一方で生産は一定以上は国内で作るよう義務付けさせるのである。
 TPP「推進派」は取り 返しのつかない大きな罪を犯した。それは、橋下のような極右政治家を増やす種をばら撒いたからだ。孤立主義はやがて他者の存在を認めず自分と同じ価値観し か認めないから、戦争を始める。それで日本は大きな自滅をこうむったが、今度はアメリカに誘われて孤立主義へと突っ走ろうとしている。
 それは絶対に間違いなのだ。何度でも繰り返して言いたい。


2012年01月08日

地方経済の活性化こそが日本の再建の一歩である

いすみ鉄道をご存知だろうか。
 千葉県の房総半島を走る第三セクターの鉄道だが、赤字経営に苦しんでいる。ユニークな取り組みとして、トーベ・ヤンソン作の「ムーミン」をあしらったムーミン列車や、国鉄で走っていたディーゼル車キハ52形をJR西日本から購入するなど、活性化に務めている。
  その彼らがようやく、新車両いすみ300型を導入することになった。これは極めていいことなのだが、一方で地方鉄道が苦しんでいる。今年の3月末で長野電 鉄屋代線、十和田観光電鉄線が廃線になる。代替交通機関はバスになるそうだが、慢性的な渋滞など、問題が山積している。そうして、人口はどんどんと減って いき、都会へと人は移っていく。
 たとえば、岐阜市にあった名鉄600Vの路面電車が廃線になった後、岐阜市にある高校の競争倍率が下がったと言う事実がある。
http://www.urban.env.nagoya-u.ac.jp/sustain/thesis/society/chubu/h17ogata.pdf

  また、朝日新聞・宮城版の連載「せんろはつづく? 3」(2012年1月4日)で鹿島鉄道のケースが取り上げられていた。この鹿島鉄道は鹿島市と石岡市の 27KMをつないでいたディーゼル鉄道だった。しかし、赤字が続き2007年に廃線になって、親会社の関東鉄道子会社・関鉄グリーンバスが代替バスを運行 したが、並行する一般道(国道355号)の渋滞で定時運転が難しく、それが嫌われて利用者の6割減少を招いた。
 そこで、2007年の12月頃から鹿島鉄道線の廃線跡のうち石岡~四箇村間の約5kmをバス専用道に改築して一般道の渋滞に巻き込まれることはなくなり、定時運転の確保→利用者の増加を図ろうとするバス専用道を整備する構想が浮上した。
  そこで、バス専用道路を整備して何とか定時性を確保したが、どれだけの費用がかかったのだろうか。鉄道を維持したほうがよかったのではないか。しかも、茨 城空港へのアクセス鉄道として維持していたら利用する人たちがいたのではないかと思われる。バス専用道路整備費用などに約6億8000万円で、鹿島鉄道を 5年間存続させる場合(赤字補填+設備・車両更新費)の費用見込みが11億円だが、どう考えても後者のほうがいい。

http://www.city.ishioka.lg.jp/rk/files/filelink/H22_riyousha_kekka.pdf

 以前から私は移民受け入れに賛成している(ただし、搾取目的の移民は断固反対する)。
  そこで、地方の活性化の観点から、農業に限って受け入れる意見には賛成する。無論、そこには工業対策として、死刑を廃止して23時間連続強制労働刑を導入 することで、人件費を減らす一方で正規雇用を派遣・請負に拡大する制度を導入することが必須条件だ。サービス残業も含めた残業を禁止するとなおさらいい。
  そうすることで、経済効果は抜群だ。数兆円レベルの経済効果が生まれるのである。それで成功したのがユニクロである。彼らは2007年に準社員対象に地域 限定正社員制度を導入し、わずか1-3割の出費増で残業代を抑制したばかりか、売り上げを上げた成果がある(しかも他社への人材の流出を抑制した一面もあ る。だが、社内全体にハラスメントなど問題が山積しており、それらの改善は待ったなしだ)。東芝やパナソニックなどの大企業は内部留保のごく一部を取り崩 し、やればできるのである。
 それが分からない「ドジョウ野田」はTPPばかりにこだわっている。しかし、経済はあくまでも民衆が作り出していく ものであり、大企業はその民衆に支えられていることを分かっていない。たとえばソニーブランドが信頼できなければシャープやサムスンに移っていくではない か。それが現実なのだ。
 また、地方に移民を移住させると、そこに翻訳ビジネスが生まれる。雇用主の農家と労働者との間の橋渡しができるほか、労 働者の日本語教育にも翻訳ビジネスはうってつけだ。さらに、労働者の出身地の国で書かれた地域新聞の発行、出身地の贖罪などを取り揃えたストアなど、経済 効果はさまざまな形で生まれる。ただ、これらはあくまでも地域全体で一致して動かなければならない。政府がイニシアチブを取って強行したら第二の成田空港 の悲劇を招くことは確実だ。
 合意なき民主主義は独裁そのものであることを我々は思い出さねばならない。

http://www.the-journal.jp/contents/sakanaka/2010/02/post_2.html
http://www.yuiyuidori.net/soken/ape/2008/data/081104-01.pdf
http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/bn/2007-06/p17-25.pdf
http://21cunionnews.blog111.fc2.com/

2012年01月15日

経済は安直なものではない

ブラウザーがフラッシュしてしまったため、記事を再び入力することになってしまった。
 今の日本の経営者は正直に言ってしまって、フェアといえるのだろうか。これから取り上げる数値に皆さんぎょっとしないで欲しい。

 
【経営】東証1部企業の役員、報酬"1億円以上"は24人 [04/18]



ビジネス|2011年11月18日

東京商工リサーチが、2010年12月決算企業で、1億円以上の報酬を受け取って
いた経営者を集計した。東証1部に上場している企業で12月期決算は107社。

そのうち、1億円以上の役員報酬を払っていたのは17社だった。キヤノンが4人、
ブリヂストン、昭和シェル、キリンホールディングス、スミダコーポレーションが
各2人、その他12社は1人ずつだった。

2010年「3月期決算」企業では、日産のカルロス・ゴーン社長が8億9100万円
でトップ。ソニーのハワード・ストリンガー会長が8億1400万円で2位、大日本
印刷の北島義俊社長が7億8700万円で3位だった。

「12月期決算」では、中外製薬の永山治社長が、3億4200万円で1位。「3月期」
と合わせた全体では10位だった。キヤノンの御手洗冨士夫会長は、2億6500万円。
全体で22位。

2010年「3月期決算」~「12月期決算」全体で、1億円プレーヤーは267人いた。

「派遣切り」で批判されたキヤノンの御手洗冨士夫会長は、汚名返上のためにも、
報酬の1%でも被災者に寄付したらどうだ。

◇順位/決算月/社名/氏名/報酬額 ※金額単位は百万円

1/3/日産自動車/カルロス・ゴーン/891
2/3/ソニー/ハワード・ストリンガー/814
3/3/大日本印刷/北島 義俊/787
4/3/武田薬品/アラン・マッケンジー/553
5/3/信越化学/金川 千尋/535
6/3/双葉電子/細矢 礼二/517
7/3/日本調剤/三津原 博/477
8/3/セガサミーHD/里見  治/435
9/3/富士フイルムHD/古森 重隆/361
10/12/中外製薬/永山  治/342
22/12/キヤノン/御手洗冨士夫/265
33/12/堀場製作所/堀場  厚/232
43/12/スミダコーポレーション/八幡 滋行/203
48/12/三井海洋開発/Shashank Karve/197
56/12/ベストブライダル/塚田 正之/186
60/12/ブリヂストン/マーク・エムケス/183
70/12/キヤノン/内田 恒二/176
84/12/スミダコーポレーション/趙家驤/165
84/12/船井総合研究所/小山 政彦/165
114/12/昭和シェル/リチャード・エー・カルース/148
119/12/ブリヂストン/荒川 詔四/143
122/12/キヤノン/田中 稔三/141
126/12/トレンドマイクロ/根岸マヘンドラ/140
146/12/山崎製パン/飯島 延浩/132
155/12/アース製薬/大塚 達也/128
192/12/キヤノン/生駒 俊明/116
200/12/建設技術研究所/石井 弓夫/114
216/12/昭和シェル/香藤 繁常/111
240/12/キリンHD/三宅 占二/107
255/12/PGMHD/草深多計志/104
259/12/ニッセンHD/片山 利雄/103
259/12/オエノンHD/田中 時信/103
262/12/キリンHD/加藤 壹康/102

◎東京商工リサーチのリリース
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2011/1210080_1903.html

http://news.livedoor.com/article/detail/5497266/

 そのソニーなんか、東日本大震災にかこつけて非正規労働者を解雇しようと暗躍した。
  それで労働者が反発して労働組合を作って交渉したら他の会社に正社員として採用することができたがフィリピンに出稼ぎ非正規雇用の職を出していたのだから ふざけているではないか。日本共産党の山下芳生議員によるとストリンガー会長の報酬8億6000万円の半分で150人の雇用が守れ、しかも内部留保は3兆以上。それでしかも工場は保険金が下りると言うのだからセコい。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-08-03/2011080315_01_1.html

 そんな軽営者が法人税を安くしろ、TPPを推進しろとほざくのは強欲以外の何者もない。まず、法人j税や所得税は最低でも1984年レベルに戻すべきで、残業・サービス残業を禁止してそれだけ日正規雇用者の希望者全員を正規雇用にすべきである。
 そうすることは、逆に雇用者にとっては労働者に対してきちんと対応しているとアピールするのである。また、TPPに加盟したがる理由はTPP加盟国で賃金の安い国にて製品を作り非関税で日本に輸入したい意図が見えているからだ。
 これでは話にならない。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-27/2011122701_05_1.html

 さらに、パワハラと悪事だけのオリンパスの菊川自称会長にいたっては報酬1億7500万円だ。もう、何をかいわんやである。
 その程度なら、買収を単に足し算引き算で考えるのだろう。しかし、それは安直である。あのベネズエラのチャベスを笑えないだろう。


2012年01月25日

うわべの言葉よりも信念・中身を

最近、美熟女なる言葉がはやっていると言う。

 美熟女は、女性としての魅力が成熟した40代以上の素敵な女性をさす。

 だが、日本人は相変わらず言葉に振り回されているようだ。TPPについて私はこのコラムで厳しく批判してきたが、ローソンが賛同しているのである。

ローソン新浪社長「TPPに賛成」 コメは当面除外
2011/10/13 19:25 J-CASTニュース

ローソンの新浪剛史社長は、2011年10月13日の決算発表記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)について、基本的に賛成との考えを明らかにし た。「日本の課題は、福祉、医療、農業をビジネスとして成立させること。農業改革やTPPは進めるべき」とコメントした。ただし、コメの関税排除について は当面除外し、じっくり対策を練ったほうがいい、と述べた。
会見では、ローソン1 件が小売業から製造小売業へシフトしていくことを強調。中間流通の役割はもはや必要ないとし、「ローソンファームで生産している野菜をはじめ、コメや畜産といった原材料を直接確保し、生産現場と売り場を直接つなげたい」と話した。
今後は高品質な女性向け商品の開発と、生鮮食品を充実させた「生鮮コンビニ」の拡充を図り、新規顧客を開拓する方針。「生鮮コンビニ」は8月末時点で約 4200店舗展開しているが、今期末までに5000店舗に増やす予定だ。原料調達、商品開発、仕入れには、共通ポイントプログラム「Ponta(ポン タ)」の約3500万人の会員データを活用していくという。

TPP「農業進化するきっかけに」 ローソン社長
2012/1/24 20:48 日本経済新聞
 
  ローソンの新浪剛史社長は24日、都内の日本記者クラブで会見した。環太平洋経済連携協定(TPP)に参加すると米国産の安いコメが日本市場を席巻すると の見方に対し、おにぎりや弁当の試作結果を紹介しながら「(米国産のコメは)国産に比べ水分量が少なく時間を置くと劣化する」と指摘。日本に合うコメを作 るには「大規模なインフラ投資が必要で米国にとっても非合理的」と分析した。
 新浪社長は経済同友会・農業改革委員会の委員長も務めている。TPPを巡っては「農家と産業界が対立するのではなく、協力して農業を進化させるきっかけにすべきだ」と強調。付加価値の高いコメを作り「アジアに輸出する攻めの目標を持つことが大事」と話した。

 新浪は農業を産業としてとらえているに過ぎない。
 しかし、農業は産業と考えているようではお粗末だ。内橋克人氏は農業の産業化を厳しく批判し、食料の安全保障の観点からTPPに反対している。

http://homepage3.nifty.com/sizenrankato/minpou/minpou2007/minpou2007.4.1/newpage4.html
http://www.jacom.or.jp/tokusyu/2011/tokusyu110208-12482.php

 また、内橋氏は代替案も出しており、それこそ説得力がある。
 うわべの言葉として、目先の利益ばかりを日本人は追いかけてきた。だが、このTPPは中身を追及しなければならない。内橋氏の提唱する地産地消、FEC圏(FOOD,ENERGY,CARE)こそが最も現実的で勝つ格安で実現可能な提案なのは明らかだ。
 ローソンに限らず、セブンアンドアイ、イオン、ワタミなどが農業に参入している。私はこのことを否定するものではない。しかし、一度参入して安易に撤退されたのでは困る。農業は生き物であり、産業ではない。
 また、野菜を水溶栽培する植物工場についても電気代以外にも工場の維持や設備、水道代にお金がかかりすぎる問題点がある。このことは今回のコラムで調べていくうちに知ったので、改善は必要だ。
  中身を私たちは追及しなければならない。そこにはどのような信念があるのかも含めて、厳しく見る必要がある。それは何も今起きているブームばかりではな い、政治にも当てはまる。NHKの討論会では新党きづなはなぜか取り上げられていないが、コーメートーだのジミントーだの、ミンナノトーだの政党もどきが 大手を振っていられる。
 だが、見るべきは政策であり、中身に過ぎない。私はそれを何度も繰り返したい。


2012年02月08日

TPPよりも平和的なゾーン防衛を

今回はTPPを批判する。

十勝毎日新聞社ニュース
カナダの研究者が警鐘 とかちネットTPP講演会
2012年02月07日 14時31分

「大企業だけに利益」
  環太平洋連携協定(TPP)について考える講演会が6日午後6時、帯広畜産大で開かれた。穀物メジャーなど大企業の実態調査などをするカナダの研究者ブ ルースター・ニーン氏が心臓病で来日が不可能となり、友人で、空知管内長沼町で農業を営む米国出身のレイモンド・エップ氏が代読。「TPPは大企業が利益 を独占するだけの貿易協定」として警鐘を鳴らした。
 異業種連携組織「とかちネット」(岩橋浩会長)の主催。管内の中小企業経営者や農業経営者、大学生ら約130人が参加した。「私たちには知る権利がある。すべての命が生かされる道を選ぶために」と題し、ビデオメッセージや講演資料を基に説明した。
 TPPについてニーン氏は「企業が好きな場所で自由に事業を展開できるよう、特権を与える協定。企業による乗っ取りを助長するもの」とのメッセージを出した。
 エップ氏は「貿易協定は国と国の協定と考えがちだが、動かしているのは企業」と説明。医薬品・農薬産業や米国農業団体、バイオテクノロジー産業を推進する団体が中心となって貿易自由化を進めていることを示した。
  経済活動の目的についてエップ氏は「成長し続けなければならないという通念が問題。人間や自然を犠牲にして活動するものではない。『工業的経済』ではなく 『地域経済』を目指し、CSA(地域主導型農業)のような土地、食べる人、健康を大切にする活動を重視すべきだ」と強調した。
 帯畜大の仙北谷康准教授も貿易協定の概要などについて講演した。(関坂典生)

 このTPPはマレーシアでも問題となっている。

TPP:知的財産権保護でジェネリック薬の供給が脅かされる恐れ――TPPが途上国向け医薬品の供給に及ぼす影響について、MSFは日本政府に考慮を要請

2011年11月07日掲載

日本政府が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関する協議参加への検討を進めている中、国境なき医師団(MSF)はTPPに盛り込まれた知的財産権の保護に関する条項によって途上国向けの安価な医薬品の供給が脅かされると訴える。
米国はTPPを通じて知的財産権の保護強化を推進しており、これによりMSFのような団体が活動する途上国で医薬品の供給が脅かされる懸念が生じている。MSFは日本におけるTPPを巡る議論において、この懸念が除外されていることを憂慮している。
MSF日本のエリック・ウアネス事務局長は説明する。
「MSF の治療プログラム、引いては患者の命が、良質で安価なジェネリック医薬品の供給にかかっていることは、これまで私たちが世界各地で医療を提供してきた経験 から明らかです。日本政府がTPP交渉において、知的財産権を厳格に保護する条項の、途上国の患者に及ぼす影響を適切に考慮しなければ、HIV/エイズな どの病気の治療におけるこれまでの進歩が台無しになるでしょう」
オーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガ ポール、ベトナム、米国の9ヵ国で現在交渉が進められているTPPは、アジア太平洋地域における経済政策の要とされ、同時に開発途上国も含めた地域間の自 由貿易協定のモデルであるとされている。米国が推進する知的財産権の保護強化は、TPP参加国におけるジェネリック医薬品の供給の遅れや、医薬品メーカー 間の価格競争の減退につながる恐れがある。
ジェネリック医薬品メーカー間の価格競争は、過去10年間で第一世代のHIV/エイズ治療薬の価格の 99%引き下げを可能にし、2002年時点で一人当たり年間1万米ドル(約78万円)だった価格が、現在では一人当たり年間60米ドル(約4680円)に なった。この劇的な価格の引き下げによって、今日では600万人以上にHIV/エイズ治療を提供できるようになっている。
また、ジェネリック医薬 品の価格競争を抑制すると、日本は自国の対外援助政策にも影響を与えることになる。日本は「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)」の主要な資 金提供者であり、世界基金の支援を受けたプログラムの多くがジェネリック医薬品に頼っているからだ。TPP交渉参加国のベトナム、マレーシア、ペルーのい ずれも、世界基金の支援を受けている。
MSF日本の必須医薬品キャンペーン渉外担当、ブライアン・デイビスは、こう話す。
「市場競争を抑制する政策は、安価な医薬品で数百万人の人びとの命を救おうとする取り組みをも阻むものです。途上国における安価な医薬品へのアクセスの促進は、日本の貿易政策の要であるべきです」
MSFは引き続き、TPP交渉の進捗と、途上国に向けた医薬品の供給に及ぼす影響に注目していく。
http://www.msf.or.jp/news/2011/11/5363.php

 私はこのTPPを批判し続けてきた。
 だが、ここまでひどいとなれば完全に有害無益であると断言せざるを得ない。また、このTPPは対中国包囲網といわれている。
 無論私はあの中華大陸における独裁政権を心から嫌悪している。だが、やりすぎではないのか。そこで、私は中立・安定共存圏としての安全保障条約機構の締結を提案する。

1.名称を環太平洋平和安全保障条約機構とする。
2. 日米安全保障条約を大幅に改正し、韓国・オーストラリア・インド・モンゴル・ネパール・パキスタン・タイ・フィリピン・インドネシア・マレーシア・ニュー ジーランド・カナダ・ブルネイ・メキシコ・チリ・アルゼンチン・ベネズエラ・ブラジルを中心に構成する安全保障条約とするが、日本国憲法の精神を中心に据 える。
3.条約機構は永世中立を目指す以上、ゾーンで地域の安全を保障する。また、いかなる侵略戦争を行わない。
4.この条約機構で、東シナ海への侵略的進出を図る中華大陸における独裁政権と集団交渉し、軍縮を迫る。日米政府は独裁政権の大幅な軍縮と台湾侵略の断念と独立の保障と引き換えに沖縄県にある嘉手納米軍基地を沖縄県に返還する(ただし、有事対策もしっかり協議した上で)。
5.中華大陸における独裁政権やビルマ、ホンジュラスの民主政治体制回復にアムネスティインターナショナルと協力する。

 軍の力を決して侮ってはいけない。あのスイスですらも強大な軍事力を誇る。
  それゆえに軍の機密を探ればもう最後、軍は冤罪攻撃などで防御を図ろうとする。それを阻止するのが文民統制ではないのか。また、この文民統制と同時に国際 法による軍人教育が必要なのは言うまでもない。国際法による人権関連の法律を徹底的に叩き込むことで、戦争を抑制し、国の防御のみに徹することになる。
 また、この条約機構によりNPOと連携して国家の再建にあたると言うのもあっていい。国家はあくまでも、民衆とともにあるべきなのである、国家の為に国民があるのではない。それが分からないとは野だめシュショーもスターリン仙谷もたいしたことはないのだろう。


2012年05月12日

外資規制・グローバル新自由主義に対抗するために


全分野で動く日本解体計画
              TPP 製造・農林漁業、医療、保育    2011年2月18日付

  菅内閣の行政刷新会議、規制・制度改革に関する分科会は1月26日、TPP(環太平洋経済連携協定)参加を進めるために必要な規制緩和や制度見直し、合計 249項目を列挙する「中間とりまとめ」を公表した。その膨大な内容の全体を見て明らかなことは、TPPというものが個別の産業の利害をこえて、一切の規 制を撤廃させて外資が日本市場に殴り込み、日本民族を存亡の淵に立たせる大問題をはらんでいるということである。
 同分科会は、①グリーンイノ ベーション(風力や地熱発電など新エネルギーのための技術革新)、②ライフイノベーション(医療・介護・保育の改革)、③農林・地域活性化、また④アジア 経済戦略として人材、物流・運輸、金融、IT、住宅・土地の5つの分野の提言を網羅している。
 今、日本では働く者に職がない。それは企業のグ ローバル競争のためのコスト削減といって非正規雇用を増やし、もうからないと首を切り、安い労働力を求めて工場を海外移転させ国内を空洞化させているから だ。こうして産業振興・雇用確保が切実な要求となっているとき「中間とりまとめ」がアジア経済戦略として第一にあげているのが「外国人材の活用」「そのた めの在留資格の緩和」、つまり低賃金の外国人労働者を日本にどんどん連れてきて、日本を移民国家にすることである。
 これまで日本は、フィリピン、インドネシアとEPA(経済連携協定)を結び、看護師や介護福祉士の受け入れを進めてきた。それを今後はEPA締結国以外にも広げるとしている。すでに昨年11月には、外国人の歯科医師や看護師に対して就労年数の制限を撤廃している。
  菅内閣の「新成長戦略」は、新幹線や高速道路、原発などの建設とその後の管理・運営をパックにした「パッケージ型インフラ」をアジアに輸出してもうけよう としているが、そのさい現地下請企業から外国人を日本に連れてきて技術研修させることを可能にする法整備もあげている。また、外資の日本への投資を促進さ せるための措置も盛り込んでいる。
 次に「世界的なヒト・モノの流れの阻害要因となっている物流・運輸分野の規制を大幅に見直す」として、航空と 内航海運におけるカボタージュ規制の見直しを明記している。カボタージュ制とは、国の沿岸や河川を走る内航船舶、国内航空路線の航空機は自国籍、自国乗員 に限るとするもので、国益を守る制度として国際的にも確立している。国際法上、戦時や大震災などの非常時に外国人乗務員は任務を拒否できると認められてい るからだ。その規制を緩和し、外国人乗組員だらけにすることは「主権国家としての自殺行為」だといわれている。
 さらに航空分野では、国の空港整 備特別会計を廃止し、成田国際空港をはじめ空港・管制の独立採算化・民営化をおこなうこと、空港発着枠を競争入札によって配分すること、国内航空運賃の自 由化、空港発着回数や滑走路使用時間の規制緩和、そして外資規制の撤廃が盛り込まれている。現在、世界では投資ファンドなどが民間空港ビジネスを展開して おり、滑走路や管制などの航空系施設とターミナルビルなどの商業系施設との一体的経営をおこない、もうけ第一のコスト削減競争にしのぎを削っている。
 こうしたことが進むなら、日本のさらなる産業空洞化と大量失業は目に見えており、空や海の安全性も脅かされ、大惨事すら危惧(ぐ)される事態となる。

 食料確保もできぬ危機 農地も漁場も食い物

 農林漁業について見ると、ここでも国の責任を放棄して、民間大企業や外資が自由に参入することができるような規制撤廃を徹底させている。市場原理による日本の農林漁業の根絶やしである。
  農業では、「農業の成長産業化」といって、「農業者の高齢化等により存続が危惧(ぐ)されている」農地の流動化・集約化を促進し、農協や農業生産法人など とともに民間企業が農地の有効利用をおこなうようにするとのべている。農政事務所(旧食糧事務所)業務の民間企業への委託を進める、農協の信用・共済事業 部門を独立させる、などを提言している。また「クリーンエネルギー導入」の項で、これまで公益性がないと認められなかった第一種農地の転用を認めるよう、 規制緩和することを求めている。
 林業については、国有林の路網設計・間伐にかかる計画、市場への木材の搬出など経営全般を一括して民間委託する ことや、規模の大きい経営体が共同して民有林を大規模に集約し、木材生産・販売の合理的経営をおこなうことを認める規制緩和が盛り込まれた。また「クリー ンエネルギー導入」の項で、民有林を開発するさい、これまでは地権者全員の同意書が必要だったが、その規制を見直すとしている。
 漁業では、「わ が国の漁業者は“水産資源も漁場も自分たちのものだ”との意識をいまだに持っているが、海外の漁業国では“自国内の水産資源は国の財産である”と法的に位 置づけている」として、この観点から漁業法および水産業協同組合法(水協法)を早期に改定する、水産資源を回復させるまでの期限と目標を決め、魚種と海域 ごとに漁船の削減、休漁および操業隻数を明示する、都道府県計画の策定は知事がおこなうものとする、すべての指定陸揚げ港には漁業監督官ないし科学オブ ザーバーを配置して、すべての漁獲物の漁獲量を検査する、とした。
 また漁業協同組合について、漁業権の運営や組合員の資格に対する厳正な審査を 実施し、漁業法に照らして、漁業権の設定の停止、水協法に該当する条件を満たさない組合員の排除、組合員数を満たさない組合の解散などをできるだけ早期に 徹底する。公有水面埋立法は、「成立から90年たって時代にそぐわなくなった」「国土開発や埋め立ては漁業者のみの同意でやるべきものでなく、関係する住 民の同意を得てやるべきもの」だとして、同法の漁業権者への補償に関する条項を廃止する、とした。
 日本の漁業者から漁業権をとりあげるというよ うなファッショ的な規制撤廃は、日本の大企業のみならず、外資や米軍基地が日本の沿岸を好き放題に埋め立てて利用することができることを意味する。日本の 農地も森林も漁場も外資の食いものにされ、民族絶滅となりかねない。農漁業を振興させ森林を整備することは、日本民族の食料を確保し国土を保全するという 点からも日本社会の存亡がかかった重大問題であるが、菅内閣はアメリカのいいなりになってそれをぶっつぶそうというのである。

 営利優先の民営化促進 学校、図書館、住宅も

  「地域活性化」をめぐっては、「PFI制度の積極的な活用」とそのための法整備をあげている。PFIとは、国や自治体のハコモノ建設をともなう公共事業 (病院、学校、図書館、老人福祉施設、公営住宅など)において、建設だけでなく管理・運営にも民間企業が参入するもので、そこでは民間企業のもうけ第一と なって職員の非正規雇用化が進み、行政の社会的責任が放棄されていることが問題になっている。
 また、「民間の力を最大限活用して公共施設を維持・管理する」とし、たとえば民間業者が公園を整備したら容積を割増しするなどのインセンティブ(刺激)を与えるとした。
  「金融」では、「金融産業自身が成長産業として経済をリードする」ことをめざすとし、「デリバティブ(金融派生商品)取引規制の見直し」「銀行の子会社の 業務範囲の拡大(リース子会社等の収入制限の緩和」「投資法人への減資制度の導入によるJ―REIT市場の活性化」などをあげて再びバブルを煽っている。 昨年10月には日銀が不動産投資信託(REIT)の買い取りを表明。銀行が行政に介入して不動産開発を煽り、税金をむさぼる事例が全国で増えている。
  関連して「住宅・土地」では、「新しい投資がおこなわれやすい社会を創る」ことを目標に掲げている。そして、老朽化が進むマンションの建て替えを促進する (築50年以上のマンションは現在の1万戸が30年には約90万戸になる)、そのため借家の明け渡しを望まない借家人を「スムーズに」追い出すために借地 借家法を見直して、「建物の老朽化や耐震性、再開発」という理由があれば強制的に排除できるよう法律を改定する、としている。
 日本をギャンブル大国にする「民間事業者によるカジノ解禁」も盛り込んでいるが、すでに東京都知事・石原や大阪府知事・橋下らによってカジノ誘致合戦がくり広げられている。
 「商業」では、すでに大店法改定による規制緩和で零細商店のなぎ倒しが進められてきたうえに、今度は全酒類卸売業免許の規制を緩和するとしており、ここに外資が殴り込みをかけようと狙っている。

 介護施設の整備もせず 高齢者福祉も切捨て

 「医療・介護・保育」については「社会保障制度を財政面を含めて抜本的に見直す」とのべている。
  医療では、「医療機関および医薬品・医療機器の広告規制を原則自由化」し、患者に医療機関を「自由に選択」させるとともに、医療法人の合併・再編を進め る。営利法人の役職員が医療法人の役員になることを認めるよう規制緩和をおこなう。また、「わが国が諸外国と比較して人口当たりの病床が多いことは事実」 だといって、一般病床を削減するための病床規制の緩和・撤廃をおこない、一般病床の在院日数をさらに短期化する。また、医薬品をインターネットで販売でき るように規制を緩和し、同時に店頭販売も、電話やファックスで遠隔地の薬剤師から情報が得られるという条件で、薬剤師の常駐義務を撤廃する。これでは住民 の生命を守る地域医療の全面崩壊となりかねない。
 介護では、介護保険制度導入から10年、特別養護老人ホームの待機者が42万人ともいわれるな か、施設を整備することはせず、逆に「すべての人が個個の能力に応じて自立するということを念頭においた支援」といって、「訪問看護」や「在宅における看 取り」を重視した態勢づくりを進めるとのべている。すでに菅内閣は介護保険制度を改悪し、要支援認定の高齢者を保険給付の対象からはずし、ボランティアま かせの安上がりの保険外サービスに置き換えて、介護給付を削減する高齢者福祉切り捨てのしくみをつくろうとしている。
 さらに保育では、「利用者 ニーズに即した子育てサービス」といって民間事業体の参入を促すとしている。これもすでに菅内閣の「幼保一体型の子ども園」構想として進んでおり、それは すべての子どもに保育を保障することを義務づけたこれまでの児童福祉を転換して、「保育サービス」を売る営利事業化するものである。
 以上のこと が示すことは、菅内閣がTPPに参加するという意味は、日本の製造業も農林漁業も壊滅させ、日本を今以上の大量失業社会にすることであり、医療・介護・保 育や行政の公共サービスは民間のもうけの場となって、外資がそこに参入して食いつぶし、国民は切り捨てられる。小泉・竹中の新自由主義で日本社会はデタラ メになったが、菅内閣はそれ以上のもっと徹底した規制の撤廃で、アメリカのいいなりになって日本社会を解体しようとしているのである。そしてこうした計画 が国民に知られるのを恐れ、明らかにしないまま各分野でこっそりと先行実施している。
 TPPによる日本解体計画は、たんに農業だけでなく日本社会の全分野に及んでおり、その全分野で人人の立ち上がりを促すことは必至である。労働者、農漁民、商店主、青年、婦人、学者や文化人のたたかいが、根源の敵に向けて大合流する趨勢は避けられない。
長周新聞社 http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/zennbunnyadeugokunihonnkaitaikeikaku.html

 今回取り上げたこの記事は左翼系の新聞である。
 偏りすぎているとは思うのだが、TPPの本質をここまで厳しく射抜いたものはない。それはそれでいいが、今回提案しなければならないのは外資規制である。現在の日本の外資規制は以下の通りである。

 対内直接投資に関する条約等がない国(アフリカ・中央アジアの一部)からの投資
 上記以外の国からの場合は、航空機、武器、原子力、宇宙開発、エネルギー、通信、放送、鉄道、旅客運送、石油、皮革等の産業に対する投資
 上記に該当する投資については財務大臣及び主務大臣への事前届出が必要となる。審査の結果、投資内容の変更又は中止の勧告を実施する場合がある。
 上記に該当しない投資についても、15日以内に財務大臣及び主務大臣に報告しなければならない。

 その他に、個別の業法の中で、外資に対する出資規制が設けられている例もある。
NTT法 - NTTの持株会社である日本電信電話の議決権の3分の1以上を外国人が保有する事を禁止(間接出資も含む)。外国人が日本電信電話と地域会社の東日本電信電話・西日本電信電話の役員に就くことも禁止。
電波法 - 外国人、外国人が代表を務める法人、外国人が役員の3分の1以上を占める法人、外国人が議決権の3分の1以上を占める法人には無線局免許を与えない。
航空法 - 外国人、外国人が代表を務める法人、外国人が役員の3分の1以上を占める法人、外国人が議決権の3分の1以上を占める法人に該当する者が所有する航空機は、登録することができない。

外資規制を受ける上場会社
金融商品取引法(株主の1/5)
大阪証券取引所
航空法(株主の1/3)
全日本空輸(ANA)
スカイマーク
貨物利用運送事業法(株主の1/3)
日本通運
近鉄エクスプレス
郵船航空サービス
西日本鉄道
NTT法(株主の1/3)
日本電信電話(NTT)
電波法、放送法(株主の1/5)
フジ・メディア・ホールディングス(F・M・HD)
スカパーJSATホールディングス(SJHD)
WOWOW
東京放送ホールディングス(TBSHD)
中部日本放送(CBC)
日本テレビ放送網(NTV)
朝日放送(ABC)
RKB毎日放送(RKB)
新潟放送(BSN)
テレビ朝日
テレビ東京ホールディングス
※2010年10月現在
 世界の外資規制
 米国ではエクソン・フロリオ条項により、外国企業による米国企業買収について「国家の安全保障を脅かす」と政府が判断されれば、どのような業種でも外国資本の買収を止めさせることができる。
Wikipedia日本語版より引用

 その観点から実に由々しい行為が行われようとしている。ロイターより引用する。
エルピーダ、米マイクロンをスポンサー候補として協議開始
2012年 05月 10日 15:02 JST
[東京 10日 ロイター] 経営破綻したエルピーダメモリは10日、再建に向けた支援候補として、米マイクロン・テクノロジー(MU.O)と協議を開始すると発表した。
 エルピーダは2月27日に会社更生手続きの開始を申請。5月4日に締め切られた支援企業選定の2次入札には、米TPGキャピタルTPG.ULと中国ホニーキャピタルの投資ファンド連合も応札していた。

2012/05/07 09:57
マイクロンがエルピーダ買収へ、シェアでハイニックス抜く
  資金難で会社更生手続きを進めている世界3位のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)メーカー、エルピーダメモリは、米国のマイ クロンテクノロジーに売却される見通しとなった。業界4位のマイクロンがエルピーダを買収すれば、韓国のSKハイニックスを抜き、業界2位に浮上する。こ れにより、DRAMの業界地図も、サムスン電子とSKハイニックスの2強体制からサムスン電子、マイクロン、SKハイニックスの「ビッグスリー」体制へと 変わる見通しだ。
 日本経済新聞などは6日、エルピーダ債権団がエルピーダ売却に向けた優先交渉対象者として、マイクロンを選んだと報じた。債権 団は既にマイクロン側に意向を伝え、近く公式発表される見通しだ。エルピーダ買収に向けた本入札には、マイクロン以外に中国のIT投資ファンド、ホニー キャピタルが参加した。エルピーダは買収条件、半導体産業との関連性などを考慮し、マイクロンを売却先に決定したとされる。当初有力視された韓国のSKハ イニックスは、第2次入札が締め切られた今月4日にエルピーダ買収を断念することを明らかにした。
 マイクロンは買収額として、当初予想を20-30%上回る2000億円を提示したもようだ。エルピーダの広島工場など生産拠点を売却せずに正常操業を維持し、従業員の雇用も維持するとの条件も示した。
  マイクロンは昨年の世界のDRAM市場で11.6%、エルピーダは13.1%のシェアを占めた。マイクロンがエルピーダを買収すれば、シェアは24.7% となり、SKハイニックス(23.0%)を小差で上回る。サムスン電子、SKハイニックスなど韓国メーカーが技術面、価格面で受ける圧力も強まる見通し だ。
 しかし、マイクロンによるエルピーダ買収が、むしろ韓国メーカーにはチャンスになるという見方もある。エルピーダはDRAM産業で技術力の確保に失敗し、5四半期連続で赤字を出し、負債は4480億円に上る。
 新韓金融投資のアナリスト、ソ・ヒョンチョル氏は「マイクロン、エルピーダの技術力は、韓国メーカーに比べ一歩遅れている。エルピーダ買収に伴うマイクロンの資金負担が重いことなどを考えると、SKハイニックスなどにはチャンスになることもあり得る」と述べた。

卓相勲(タク・サンフン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

 私は東京電力の経営再建でも述べたように、会社の再建には株式会社組織では無理だと考えている。
  むしろ、ワーカーズ・コレクティブ(雇う-雇われるという関係ではなく、働く者同士が共同で出資して、それぞれが事業主として対等に働く労働者協同組合の ことである)による再建がいいと考えている。すなわち、運転資金は国が出資するが、最新のものにこだわるのではなく安いDRAMをいかにUSBメモリーな どに転用して活用するかなどのアイデアがあっていい。
 そうした選択肢をしょっぱなから排除するようではエルピーダの再建など無理である。要するに利潤を追求するのではなく、社会に何で貢献するかで企業の存在を示さねばならない。そこに大きなずれがある。
 私は外資系からの出資規制を次の分野で行うべきだと考えている。

1.放送・通信(新聞に関しては日本の資本との合弁にのみ限って解禁する。放送局に関しては宗教団体からの出資を規制する)
2.ハイテク・ナノテクノロジー
3.バイオ産業
4.農漁業(たとえ日本の大手企業であっても外資系が20/1出資している場合は株式会社としては認めない)
5.金融ビジネス
6.運輸ビジネス

 最近、上場会社が株式を非公開にしているケースが多いが私はそうした会社の生協化をさせるようにすればいいと考えている。要するに内部留保なんかが過剰にたまりにくい仕組みを構築する必要があるのだ。
 偽物のグローバリズム経済に我々は厳しい視線で対抗すべきである。


2012年08月25日

だからとても免罪できない

ノダメ自称政権(あの野田恵ですらも気絶請負、千秋真一ですらも頭を抱える愚か者)はTPP参加に躍起になっているが、今回取り上げる話題はある地方大学の学生の病死をめぐる救急車の出動である。
 TPPに日本が参加するとまず、国民総保険の崩壊は目に見えている。当然、救急車の出動は10万円以上すると巷では言われている。

http://www.janjanblog.com/archives/54034

 その上で、今回問題となっていることを取り上げる。ただ、少年法違反をやらかした新聞であり引用はしたくなかったことをここに強く表明する。

山形大生死亡問題 元同級生ら署名活動 市に原因究明求める
  山形大理学部2年の大久保祐映(ゆうは)さん=当時(19)=が去年11月9日、山形市内のアパート自室で死亡したのは、山形市消防本部が救急車を出動さ せなかったためだとして、母親(55)が山形市を相手に今年6月15日にさいたま地裁熊谷支部で起こした1000万円の損害賠償を求める訴訟で、大久保さ んのかつての同級生らが署名活動を始めた。市に対応の不適切さを認めさせ、原因究明と再発防止を求めるのが目的。1000人を目標に署名を集め、10月末 をめどに市に提出する予定。
 署名活動は大久保さんと埼玉県内の小中高校の同級生だった大学生高橋紀恵さん(20)らが中心となって取り組む。在籍する大学などで広く署名を呼び掛けるという。
 高橋さんは、消防本部の対応を正当視する市川昭男山形市長の姿勢に強い疑問を抱く。「タクシーを呼べたら最初から呼んでいる。本当に正当だったと思うか、考え直してほしい」と署名活動への思いを語った。
 15日には、遺族、同級生や知人ら14人が埼玉県熊谷市の墓地で墓参りを行い、その場で署名活動に取り組むことを確認した。
 中・高校の同級生で大学生渡辺直哉さん(20)は「(山形市は)謝罪し、今後、祐映と同じような人が出ないよう再発防止に努めてほしい」と話した。
  母親の訴えによると、大久保さんは昨年10月31日早朝に携帯電話で、山形市内の自宅から119番し救急車を要請。市消防本部の職員は自力で病院に行ける と判断し、救急車の出動を見送った。大久保さんは9日後の11月9日に自宅で遺体で発見された。自室で11月1日ごろに死亡したとされ、死因ははっきりし ないが、病死とみられる。市川市長は救急車が出動しなかったことについて「本人の意思を確認した上での措置で適正な業務の範囲内だった。弁護士と協議の 上、答弁書で明らかにしたい。詳細は裁判にかかわるので差し控えたい」などと記者会見などで述べており、市側は裁判で争う方針を固めている。
 遺 族は先月7月12日に熊谷市で記者会見し、大久保さんが自らかけた119番の録音テープを公開した。大久保さんの声は「はぁはぁ」「ぜぇぜぇ」と終始息苦 しそうだった。体調の悪さを訴えて救急車を依頼した大久保さんに、市消防本部職員は「タクシーとかで行きますか」と勧めており、遺族は「誘導質問が死につ ながった」と指摘した。録音テープは遺族が山形市の情報公開制度で入手した。職員が「歩けるの?」と尋ねると、大久保さんが「動けると思います」と答えた ため、職員はタクシーの利用を勧め、複数の病院の電話番号を紹介して通話は終わった。だが、職員が「氏名」を聞いたのに対し大久保さんが「年齢」を2度答 えるなど、容体の悪さをうかがわせる部分が多くあった。
 救急車の出動要請を巡っては、緊急性が低い軽症ケースでの要請が社会問題化しているが、 一方で緊急度判定の手続き整備が十分でないケースも目立つ。藤木孝男弁護団長は「息苦しそうで、自分の名前が言えないほど意識がもうろうしている大久保さ んは氏名を聞かれているのに年齢を答えるなど、会話が全くかみ合っていない。正常な判断のもとでタクシーの勧めに応じたとは思えない。1人で病院に行けな いから119番している。消防職員は『1人で病院に行けますか』と質問をしてはいけない。119番通報による救急制度の在り方に警鐘を鳴らしたい」と山形 市を厳しく批判した。第1回口頭弁論は8月24日、さいたま地裁熊谷支部で開かれる予定だったが山形市の不当な移送を申し立てによって、原告に不当な負担 をかける移送の暴挙を7月23日付で行わせた。初弁論は10月9日午後1時15分、山形地裁で開かれる。
 このことに関して原告側弁護団の藤木和子弁護士は「原告側の金銭的負担が大きいと主張したが、山形市の関係者が多いことなどを考慮し、やむを得ず同意した」としている。
2012年08月16日木曜日 河北新報・山形版

追加記事
救急車不出動:大学生の遺族が119番録音テープを公開
毎日新聞 2012年07月12日 21時37分
【鈴木健太、安藤龍朗】
山大生死亡:損賠訴訟 10月9日に初弁論 市は争う方針 /山形
毎日新聞 2012年08月17日 地方版 鈴木健太記者
山形大生死亡:母「救急車来ていれば」
毎日新聞 2012年08月24日 16時57分
【鈴木健太】
山大生死亡:損賠訴訟 山形市長「適正な業務の範囲内」 救急車不出動で /山形
毎日新聞 2012年07月11日 地方版

 これが小泉極右体制の新自由主義がもたらした経済効率政策の歪みである。
  無政府状態そのものなのが新自由主義であり、すべてカネカネカネ。あの『未来戦隊タイムレンジャー』の悪役のドン・ドルネロも真っ青請負だ。47話「ドン の最期」で「確かに世の中金だ。金がなきゃ生きていけねぇ。それでも、その金でも買えねぇ物がある。俺は、愛想を尽かして俺を捨てた母親さえ、金で連れ戻 したんだ。心に開いちまった穴だけは、いくら金つぎこんでも埋らねぇ。絶対にな」と語るほどだ。
 市川はドルネロに笑われるようなことをして恥ず かしいと思わないのか。被害者の大久保さんは遺族いわく我慢し過ぎるくらいの性格だったそうで、下校時に駅へ車で迎えに行くと「仕事で疲れているのに気を 使わないで」と気を使っていたそうだ。生物学に興味を持ち、中学3年の頃には「将来は研究者か理科の教員に」と夢を語った。
 こんな人を死に追い 込んだ責任は明らかに山形市にある。潔く罪を認め、遺族に謝罪して和解すべきだ。また今回の判断ミスを犯した担当者には解雇以外の処分を要求する。つま り、職務として不適切な場所にいたことが明らかになった以上適切な場所に回せばいいのだ。これは殺意なき殺人罪とも言える。
 さらに許されないの は移送決定の暴挙だ。どう考えても落ち度のある山形市のわがままは通用しない。まな板の上の鯉がいろいろ指図するようでは話にならない。私は公権力乱用査 察監視機構の設立を前から提案しているがこの訴訟も私の指摘が正しいことをなおさら確信するだけである。


この記事へのコメント
 こういうニュースを聞くとムカムカと腹が経つ。救急車のタクシー代わりに使う問題が浮き彫りになったからといっ て、こういう残酷な対応が許されるはずがない。山形市長も冷たい人間だ。救急搬送が本当に必要な人に対して6項目を全部言えというのはあまりにも酷だ。山 形市は直ちに遺族に謝罪し、賠償金をキチッと払うべきだ。
Posted by 宮崎人 at 2012年10月08日 18:17


2013年03月25日

TPPは日本とアジアを不幸にする

2013年3月24日(日) しんぶん赤旗
米国無敗のISD
佐々木氏“主権侵害は明白”
 日本共産党の佐々木憲昭議員は22日の衆院財務金融委員会で、環太平洋連携協定(TPP)に盛り込まれる「企業と国家の紛争解決(ISD)条項」について「国の主権を侵害することは明白だ」と指摘し、交渉に参加しないよう求めました。
 ISD条項は、多国籍企業が進出先の政府から「不当な法律や規制で損害を受けた」とみなした場合、国際的な第三者機関に提訴し、それが認められると進出先の国から賠償を得られる制度です。
 外務省は(1)第三者機関は仲裁人3人の多数決で決まり、上訴できない(2)問題とされた制度の必要性は争われず、「不利益」の有無だけが裁定の争点になるとのべました。
  佐々木氏は、米国がISD条項で訴えられた14件のうち負けたのはゼロ。一方で、カナダとメキシコが提訴された46件のうち30件は米国企業が原告だった ことを紹介し、「ISDをいかにアメリカが有利に使ってきたかがわかる」と強調しました。さらに「企業の言い分が認められたら、国民の税金で賠償し、しか も結果的に外国企業の言うとおりの制度にしなければならなくなる。主権侵害の極めて重大な仕組みだ」と指摘しました。
 安倍晋三「首相」は「日本企業も外国政府を訴えられる仕組みであり、平等な条約だ」と正当化しました。佐々木氏は「主権を危うくするもの。参加をやめるしかない」と強調しました。

 佐々木氏の論破に安倍は何にも反論できなかった。
  さて、このTPP、以前から取り上げているように損害だけが深刻で一部の大企業の幹部だけにしか利益が行かないとんでもない代物なのである。それで深刻な 被害を受けるのは国民保険ばかりではない、農業である。鈴木宣弘東大教授は安倍自称首相を痛烈に糾弾しているのでそのまま引用させていただきたい。


地域といのちと暮らしを破壊するTPP 
http://www.jacom.or.jp/tokusyu/2013/tokusyu130321-20200.php
【緊急インタビュー】安倍首相・TPP参加表明 国民の生活が幸せになるのか?  鈴木宣弘・東大教授
・有権者に対する許しがたい背信行為
・日米で食い違う共同声明の解釈
・関税撤廃の完全除外などあり得ない
・「大企業の利益追求に邪魔な仕組みはすべてなくせ」がTPPの本質
・条件闘争はあり得ない

  3月15日、安倍首相はTPP(環太平洋連携協定)交渉に参加することを表明した。農業団体はもちろん市民団体、全国各地域から憤りの声が上がっている。 その理由はTPP交渉参加に反対するとした政権公約違反ではないかというだけなく、TPPが国のあり方まで変えてしまうものであることだからだ。東京大学 の鈴木宣弘教授は「今こそTPPの本質を共有して広く浸透させるべき」と強調している。

今こそ「TPPの危険性」を見抜き
広く伝えるとき

◆有権者に対する許しがたい背信行為

鈴木宣弘・東大教授 参加表明は信じられない背信行為。全国、全地域の有権者は怒り心頭です。民主党政権をあれだけ公約違反だと批判しTPP反対を公約に掲げて政権をとったにもかかわらず、その舌の根も乾かないうちに参加表明を許した。
 各地で多くの人がこの人ならTPP参加を阻止してくれると期待して投票し、その支持で当選した人が236人、政権政党の6割以上を占めるのに、これまで裏交渉をしてきた一部の官僚と総理の暴走を止めなかった。
 これは外交は内閣の専権事項だとか、党を割るわけにはいかないなどという問題ではありません。民意を代表して政治家になったのだから拠って立つのは有権者のはず。その声をいとも簡単に無視するなど政治家としてあってはならない道義に反すること、単なる嘘つきです。
 子ども達にも説明がつかない。

◆日米で食い違う共同声明の解釈

  首脳会談で聖域なき関税撤廃が前提ではなくなったと無理矢理に言いましたが、これは詐欺にも等しい。日米共同声明のどこにもそれは書いていないからです。 むしろTPPとはそもそもすべての関税を撤廃するものだというアウトラインがあり、それに即してすべての品目を対象に交渉することを認める、といってい る。
 共同声明では2段落めに、「関税撤廃をあらかじめ約束することを求められるものではない」といった文章をなんとか経産省が入れてもらったわ けですが、それは交渉が始まる前にすべて撤廃するとまで言えとは言わない、と書いてあるだけ。何の意味もない文章です。 事実、首脳会談の翌日、米国から 私に入った話では、USTR(米通商代表部)とUSDA(米農務省)が業界関係者を集めて、共同声明では日本がすべての農産物関税を撤廃するという米国の 目的をしっかりと認めた、みなさん喜んでほしいと説明したという。まったく日米の解釈が食い違っていて完全に二枚舌ではないですか。

◆関税撤廃の完全除外などあり得ない

(関 税撤廃反対を訴えるJAグループ職員ら=3月12日・日比谷公園での緊急集会より) そもそもTPPは06年のP4協定から、関税をゼロにしない品目は基 本的に認めていない。ごくわずか、品目数にして1%程度に10年前後の猶予期間を認めるというだけです。このやり方はほぼ合意されている。
 たし かに米国は乳製品や砂糖では豪州やNZのほうが競争力があるから、ごり押ししてなんとか例外にしようと主張しています。たとえばNZの乳業メーカー、フォ ンテラ社について米国はあれは独占的企業だからこちらの関税をゼロにしてやる必要はないと主張しています。しかし、NZの首相はそこまで言うのであれば TPP協定に署名しないといっている。交渉力のある米国が例外を認めろといってもNZは否定しているわけですから、日本がかりに米国と例外扱いを約束した といっても、豪州、NZからすれば何を勝手なことを言っている、となる。日本が聖域だと言っているのは、米、小麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物など ですが、これだけで品目数は10%です。今のTPP交渉の状況のなかで、10%もの品目の完全除外はどう考えてもあり得ない。だから聖域を守るとは一体ど ういう根拠で言っているのか、です。

◆次々と明らかになる不利な交渉条件

 もうひとつ問題なのは交渉すれば何とかなると いう前提もすでに崩れていることです。 2011年12月14日にUSTRのマランティス次席代表は米国議会の公聴会でTPP協定の条文は9か国で決める ものであって、日本、カナダ、メキシコは別扱いだと明言しています。どの段階で交渉に入ってこようが基本的に条文は9か国が決めるとその時点で答えていま す。
 私はこれを見たときから問題だと言っていましたが、それがはっきりしたのが2012年の6月15日書簡です。カナダが米国と交わした念書 で、念書そのものは秘密になっていますが、それに基づいて出てきた報道で分かったことは、これまでに決まった条文についてはカナダは何も変更はできないと いうことであり、これから決まる条文についても9か国が合意したら完了で、カナダの要求は認められないというものでした。
 この交渉では「後発国」が自分の要求を実現する範囲が非常に狭められている。カナダやメキシコがそう約束させられているのだから、当然、日本も同じような条件を受け入れなければならないはずだという議論が国会でも起こったのに、そんなものは知らないと政府は言いました。
  ところが、3月13日、シンガポールのTPP会合で米国の交渉担当官が他の国に対して、日本もカナダとメキシコと同じような参加条件に合意していると話し たことが米国や日本の市民団体の情報から明らかになりました。 しかもこれから手続きしても日本が交渉会合に参加するのは9月になるだろうから、10月に 大筋合意でサインするとすれば、日本が交渉に実質的に参加できる余地はない、サインするだけになる、だから安心してくれ、と言ったということです。 つま り、現在の状況は、まずそもそも聖域が確保できるという前提ではないうえに、交渉すれば何とかなるどころか、交渉できる権利も時間も残されていないという ことです。

◆さらに譲歩を求める米国

 しかも守るべき国益とは関税だけではありません。
 まず問題になるのは自動車分野。政権公約では、米国の環境基準の受け入れ、数量枠は認めないなどとこれを守るべき国益の2番目に挙げた。
  しかし、共同声明の第3段落を読めば、米国から自動車や保険については“前払い”をしっかりすることを認めさせられたことが分かる。つまり、この問題では 国益がすでに潰されてしまっている。保険も簡保がガン保険を新規に扱うことはないと約束したから済んだのかと思ったら、まだ不足していることを認めさせら れた。
 さらに15日の参加表明を受けてUSTRがコメントを発表しています。そこでは米国は日本参加を認めているわけではない、米国が認めるに はまだ自動車と保険、さらにその他の非関税措置でやるべきことが残っている、と言っています。自動車と保険だけでなく、食品添加物や農薬など、様々な分野 まで広げて、「入場料」の水準をつり上げてきている。完全に足元を見られて、つけ込まれています。

◆裏交渉の事実を国民に知らせず

  このように自動車、保険、BSEを中心にした裏交渉は2年間も外務省、経産省を中心に行っていた。しかし、アイデアの交換をしているだけでTPPとは関係 ないと平気で国民に対して嘘を続けたわけです。それが今回の共同声明で公然の秘密になったわけです。BSE問題では野田前首相が2011年11月のハワイ APEC首脳会合に行く前に、規制を見直すと言った。ハワイでのお土産に国民の命を守る基準を差し出してしまっておいて、あとは「茶番劇」。食品安全委員 会が科学的根拠に基づいて行ったものでTPPとは関係ないと平然と説明して、この2月に規制緩和が施行された。 このように一部の官僚が国民にも国会議員 にも何も説明せず、国民生活が根底から変わってしまうような大きな協定について既成事実化するという裏工作を2年もやってきたことについて、国民として許 していいのかが問われています。


日本は真に互恵的な経済連携を提唱すべき


◆「大企業の利益追求に邪魔な仕組みはすべてなくせ」がTPPの本質

  TPPが追求する「規制緩和を徹底すればうまくいく」というのは、まさに1%を代表する大企業などが自由に利益を追求できるということ。人々の助けあい、 相互扶助というものは邪魔なわけです。市場に任せていただけではみんな幸せになれない、だから助けあい、支え合うことを制度として仕組みとしてつくってき た。
 それを崩すことによってさらに利益を得ようという、その極めつけがTPPです。
 たとえば米国の保険会社は日本でシェアを増やすに は国民健康保険が邪魔ですからこれを縮小させようとするというのは当然です。米国の製薬会社は薬を安く買えるように政府が公定する仕組みが邪魔なわけで す。相互扶助のためのJA共済などの共済も民間の保険会社には邪魔だから、組織から切り離して優遇税制もやめるよう要求する。
 こうした要求は今までもしてきたことで、TPPは本質的にそのような規制緩和の要求を加速させて完結させるための協定であって、日本政府が言うようなTPP交渉で「国民皆保険を守る」ということは無理だということです。
 しかもISD条項で最終的に訴えれば、損害賠償も得られるし、国民皆保険制度の撤廃に追い込む手段にもなる。食の安全基準、遺伝子組み換え食品の表示も同じです。

◆条件闘争はあり得ない

(緊 急集会にはJAグループを中心に4000人以上が参加した。=3月12日・日比谷公園での緊急集会より) こういうなかで重要品目の関税は守る、医療制度 は守る、約束した国益を絶対守る、有権者との約束を守らなかったらどうなるかはわかっている、と自民党は断言しました。しかし、実際、交渉を初めてみれば 国益が守れないことはすぐに明白になる。そのときどうするのか。党の決議にあるように脱退も辞さないということが本当にできるのか。どれだけ国民を欺むい たら気が済むのか。
 政府は、交渉はまとまるまで専権事項であってこの段階では判断できない、というのではないか。そうなると批准をするかしない になりますが、党を割ることはできないなどと理由をつけて賛成に回らざるをえないと言い出すことも十分に考えられます。その際には十分な対策を打つから、 と。
 しかし、条件闘争に乗ってはおしまいなのです。すでにこの種の話が出てきていますが、条件闘争で相殺できるようなレベルの条約ではないことを理解しなければなりません。
  農産物だけでも打撃を補償しようとすれば年間3兆円、さらに関税収入が8000億円ほどなくなりますから、やはり4兆円ほどの予算が必要になる。それを毎 年農業だけに出し続けること自体が不可能に近い。今までの貿易自由化も大変な問題でしたが、TPPは比べものにならない激震です。条件闘争で何とかなると いうこと自体が無理です。
 しかも農業だけではなく日本の国民生活全体が破壊されていくという問題だからこれはひとたび乗ってしまえば取り返しのつかないことになる。「条件」の問題ではない。TPPは止めなくていけないのです。

◆日本が加担していいのか?

 政府の統一試算についても、これを国民に示してから国民的な議論をすると言っていたはずなのに、参加表明と同時に公表するという点も完全に国民を無視しています。
  試算結果はGDPで0.66%、3.2兆円の押し上げ効果があるということですが、これほど少ない数字です。これは同じ内閣府の試算で日中間のFTAでも ちょうど0.66%ですし、RCEP(ASEAN10カ国プラス日中韓など6カ国)ならこの倍になります。つまり、アジア中心のどのFTAにくらべても TPPはいちばん利益が少ないということです。これだけ社会全体に制度の崩壊も含めて多大な打撃を与えるのに、得られるメリットは無理矢理計算してもいち ばん少ない。TPPは日本の選択肢として最悪であるという事実を冷静に見てみなければいけない。
 メリットは直接投資が自由化されるので海外進出 できるといいますが、それは日本人の雇用をどんどんなくしていくこと、つまり産業の空洞化を進めるのがTPPだと理解されていない。3.2兆円の利益はご く一部の人々に帰属することを忘れてはならない。多国籍化した企業の経営陣は儲かるが、働く人の職場がなくなるということをよく考えなくてはならない。米 国でも労働組合が反対しているわけです。
 TPPのような巨大多国籍企業といったごく一部の人の利益のために、人々が助け合うルールをつぶし、人々を苦しめていくような協定を世界に広げてしまえば世界の将来は暗い。
  経済規模が大きい日本が、このような暴力的な協定になびいてしまったらほかの国もなびかざるを得なくなる。そうすればアジア・太平洋地域で大きな企業だけ が利益をむさぼれる世界をつくってしまうことになってしまう。そんなものに加担していいのかということです。世界を暴力的な協定から守る「砦」は日本で す。
 アジアをはじめこれから伸びていく国のたくさんの人々の暮らしを日本も含めて、本当に均衡ある発展につなげられるように、さらに幸せな社会 とは何なのかということを日本がきちんと考えて、本当に柔軟で互恵的なお互いのメリットになるような経済連携をアジアを中心に具体的に青写真を描いて提案 していく。思考停止状態に陥って米国についていくだけでは、世界の将来を狂わせてしまう。ここは本当に正念場。それも日本の地域、農業を救うだけでなく、 世界全体の将来にかかわる大問題だということです。こうした世界全体の問題も視野に入れる。これこそ「国家100年の計を考える」ことだと思います。
 政治家は、自身の目先の利益のために、国民を欺いて生きながらえても、そんな人生は楽しいのでしょうか。今回の背信行為は、人として許されることなのか。
  何のために政治家になったのか。もう一度、胸に手を当てて、考え直していただき、覚悟ある行動をお願いしたい。そのためには、全国全地域の有権者の怒りを 結集し、TPPの恐ろしさをもっと共有するとともに、国民を欺いたらどうなるかを国民の行動によって示すしかありません。
(2013.03.21)

 よって、今度の参議院選挙は絶対に大切になってくる。
 民主党にも自民党にもみんなの党にも日本維新の会にも入れてはいけない。創価学会についてはなおさらだ。一人一人が各自の良識にのっとり、最もまじめで現実を見ている政党にこそ入れるべきだ。


2013年05月08日

日本が世界に生き残るにはTPPよりもやるべきことがある


【憲法と、】
第2部 救われた人生<4> 国籍取得 出生後認知でも可能に
2013年5月6日 中日新聞

  二〇〇八年七月二十五日、マサミ・タピルさん(15)は名古屋市港区役所に日本国籍の取得届を提出し、佐藤真美(まさみ)になった。母親のロサーナ・タピ ルさん(48)は「すごく、うれしいよ」と涙ぐんだが、真美さんはそれほどでもなかった。「だって、昔から自分は日本人だと思ってるから」
 真美 さんは同じ年の六月四日、八~十四歳の子どもたち九人と最高裁にいた。みなフィリピン人女性と日本人男性の間に生まれ、日本国籍を取得できないでいた。国 籍法の定めで、未婚の日本人男性と外国人女性の子は、胎児の段階で父親が認知すれば日本国籍を得られるが、出生後の認知では得られないためだ。
 「国籍法の定める日本国籍の取得要件は、法の下の平等を定めた憲法に違反」。判決は十人の日本国籍取得を認めた。
  ロサーナさんは一九八八年に来日。神奈川県内の飲食店で働くうち、日本人男性と親しくなり、真美さんを産んだ。相模原市役所に漢字の名前を記した出生届と 父親の認知届を提出すると、「日本人じゃないから名前はローマ字表記にして」と言われる。「父親が日本人なのに何で」。何時間もやりあうが、対応は変わら なかった。
 その後、国籍法の壁を知ったロサーナさんと男性は、真美さんの妹(11)を胎児認知。父親の姓をとって佐藤直美と名付けた。
  同じ親から生まれた姉妹なのに、姓と国籍が違う。保育園では「本当に姉妹なの?」といぶかしがられた。小学校低学年のとき、ロサーナさんが隠していた外国 人登録証を見つけ「私、日本人じゃないの」と泣いた。いじめもあった。真美さんは「学校で『フィリピンに帰れ』と首を絞められたこともある」と振り返る。
  ロサーナさんは〇五年、同じような思いをしているフィリピン人の母親たちと裁判を起こす。弁護士からは「裁判は負けるかもしれない」と言われたが一審は勝 訴。二審で敗訴したが、最高裁でひっくり返した。その間、真美さんは学校のテストや提出書類などに「佐藤真美」と書き続けた。
 真美さんの裁判は中学の教科書にも写真入りで取り上げられている。授業で先生から「どうだった」などと聞かれても、恥ずかしいから「忘れた」などとはぐらかした。
  現在は日本とフィリピンの二重国籍で、成人したときにどちらかを選ぶことになる。「当然、日本を選ぶ」と話すが、一昨年と昨年にアイドルグループ SKE48のオーディションに応募したときは「マサミ・タピル」の名を使った。真美さんはその理由を「その方が目立つかなと思って。ハーフってかっこいい し。最終選考まで残ったんですよ」と屈託がない。
 それでも国籍取得の重みは感じている。中学の卒業式があった三月七日には、自分のために闘った母に感謝の気持ちを伝えた。「産んでくれてありがとう」

  <国籍法> 日本国籍を与える条件を定めた法律。母親が日本人の場合、子どもは日本国籍を取得できる((1))。母親が外国人、父親が日本人の場合、結婚 した両親の子は日本国籍を取得できる((2))。未婚の場合、父親が胎児の段階で認知すれば日本国籍を取得できる((3))が、出生後の認知では取得でき ない((4))。2008年12月の改正で、(4)のケースでも日本国籍が取得できるようになった。

 今後、日本が世界に生き残るには、世界との共生は待ったなしだ。
  それはTPPでは無理だ。TPPの本質は単なる日米自由貿易協定にすぎないことがすでに暴かれているからだ。そこで、私は在日コリアンや10年以上定住し ている在日外国人(この場合、出頭したもしくは仮釈放されている外国人も含めるべき)に納税の義務を課したうえで、無条件で日本国籍を付与すべきと考えて いる。すでに彼らは納税の義務も学習の義務も勤労の義務も果たしている。彼らに日本政府は何をしてきたのだろうか。
 国籍をカネで買うことに保守 的な方々は反発するだろう。だが、私はすべきだと考える。彼らを受け入れただけで日本の文化は揺らぐのか。むしろ逆で、彼らの中に日本の文化を真摯に愛し ている方もいるわけだ。そうすれば、わざわざ永住外国人に投票権を与えるというハチャメチャな提案はしなくて済むのである。
 このことにより、日本が世界から評判を高めることは目に見えている。この決断を日本政府が行えば、児童ポルノの単純保有禁止よりも一気に評判は高まるわけであるし、さらに死刑の事実上の規制も必要である。


 日本がやるべきことはTPPではない。
 人権を重んじる国への転換だ。在日コリアンへのヘイトクライムやセクハラ・パワハラ・アカハラを厳しく法で裁くハラスメント罪の導入、国籍法の出生地主義への転換と旧植民地出身者で希望する人には一定の条件を満たせば日本国籍を付与する仕組みを構築する、記者クラブ制度の廃止である。
 これらは簡単で最大限の効果をもたらす。今のままでTPPに参加するということは日本がアジアとの間で摩擦を起こす可能性がより高くなるということを意味する。それでいいのだろうか。そもそも冷静に考えれば考えるほど日本はアジアと切り離せない関係で、今のアメリカの属国状態であること自体が異常なのである。
 そのことをきっちりと考えるべきで、アジアとの和解を急ぐことは日本の真の独立の一歩につながるのである。