2013年9月16日月曜日

いじめのエンターテインメント化を阻止せよ

レディー・ガガ、いじめ撲滅目指し財団設立


2012年01月21日 19:02 発信地:ロサンゼルス/米国 
 
 【1月21日 Relaxnews】米国の人気歌手レディー・ガガ(Lady Gaga)さんが、子どものいじめ撲滅の啓発活動をする「ボーン・ディス・ウェイ財団(Born This Way Foundation)」を設立することが19日、発表された。

 同財団は「若者に自信を持たせ、思いやりと勇気の精神で人をありのままに受け入れ、自己啓発していく新しい文化の創造」を目指すと述べた。

 ガガさんはいじめ撲滅運動を積極的に行っており、公の場でメッセージを発信するほか、前年にはバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と連携するなど様々な活動を展開してきた。

 同財団は米ハーバード大学の教育学大学院(Harvard Graduate School of Education)などの機関と提携して運営される予定。発足記念の式典は2月29日、同大学にて行われる。(c)Relaxnews/AFPBB News

 http://www.afpbb.com/article/entertainment/entertainment-others/2852181/8337780


 久々の新作コラムはこのレディ・ガガさんの取り組みから取り上げたい。
 だが、このいじめを加速しかねない状況はこの日本で特にひどい。 週刊少年マガジンで連載が始まった「聲の形」(大今良時著)である。この漫画は「主人公の石田将也が通う小学校のクラスに、聴覚障害者の少女・西宮硝子が転校してきたところから物語は始まる。聴覚障害といっても様々なレベルがあるが、硝子は補聴器をつけても音が満足に聞き取れず、筆談あるいは手話でしか会話ができない。こうした重度の場合は聾学校に通うものだが、硝子は普通学級に転入してきたために、結果として他の生徒にも負担をかけ、やがてそれを理由に陰惨なイジメを受けるようになる。彼女へのイジメは男女問わずクラスメート全員が加担していたが、特に中心となって実行していたのが将也であった。しかし調子に乗って補聴器を何度も破壊したことで、硝子の親が学校に相談したことからイジメが露見。将也だけが罪を被せられる格好となり、逆にイジメを受ける立場となる。それから5年後、高校生となった将也は硝子と再会し、手話を通して「俺と お前 友達に…なれるか?」というメッセージを伝える。そして硝子の側も、それをあっさり受け入れて“ハッピー・エンド”となる。」という読みきり版の内容の延長線に過ぎない。
 これは一見していいように見える。だが、私は大きな違和感を感じる。いじめを生み出す構造が全く突かれていないことだ。ただ単に大今は少年法にこの構造をすり替えようとしているとしか思えない。
 だが、それは大きな間違いを犯している。少年法というのは戦後押しつけとは言えどもそれなりに勝ち取った民主主義の中で得られた究極の権利である。その権利をみすみす捨てて、戦前の時代を押し付けろというのは独善的な発想ではないのか。これでは「花より男子」よりもひどいと言わざるを得ない。

 あるブログでも厳しく批判している。リンクをお許しいただきたい。

 http://d.hatena.ne.jp/herfinalchapter/20130801/p1

 http://d.hatena.ne.jp/herfinalchapter/20130224/p1


 私はいじめ被害者だった。
 そんな私に言わせると、加害者も許せないが傍観者なんかはもっと許せない。なぜなら、間違っているものを放置し続けたのだから。そうした連中は異端なんぞを内心は気持ち悪いものとして拒絶していたのだから。
 そしてこうしたいじめはもはやエンターテインメント感覚になっている。いじめの構造そのものを突かず、単に見世物にしているようではタブーを突いたとは言えまい。
  それならば1986年に上映された「やがて…春」を漫画化すればよかったのである。いや、そもそも発行元の講談社は週刊フライデーで光市の母子暴行致死事件の「被告人」の実名を無断で公開する犯罪行為(少年法違反であるほか死刑判決は国際法の一種・北京ルールズに完全に違反)を行っているのでそうした感覚は全くないのだろう。
 私は今、小中時代の関係者については全く無視しているし拒絶している。加害者である連中は私をエンターテインメント感覚でいじめたのは明らかだ。そんな連中を相手にするぐらいなら、自分の世界を確立して鋭くやるしかなかろう。
 私は今、いじめを撲滅するには大人社会のハラスメントを厳しく取り締まることが必須だと考えている。オリンパスのパワハラ事件や東京都教育委員会の日の丸押しつけハラスメント犯罪など、この種の犯罪は非常に多い。こうした犯罪に対してイギリスにあるハラスメント罪を導入することが、いじめの撲滅につながるのだと確信もしている。