2013年10月20日日曜日

地方百貨店を考える~上越・いづも屋の場合~



 イオングループに買収され、今やのれんはおろか、その歴史すら顧みられる事すらない地方百貨店は数多い。
 今回、取り上げる上越市のいづも屋もその一つである。ジャスコにとってははやしや、ほていや、扇屋、伊勢甚と同じone of them、すなわちものに過ぎない。だが、地域住民の歴史を無視したやり方は取り返しのつかない後悔をもたらす。

1920年 新潟県高田市(現在の上越市)でいづもや呉服店として創業。
1927年 いづも屋百貨店(資本金 1億3500万円、渡辺善次郎社長)として新潟県下最初の百貨店を開業。上越地方を代表する商店街となって高田の銀座と呼ばれた本町3-5丁目で、屋上遊園地や映画館を併設した店舗はその中心的な存在として大いににぎわった。
1971年 4月29日に高田市と直江津市が対等合併
1974年 11月に長崎屋が本町5丁目に、翌年1975年7月に大和が本町4丁目に進出して競合が激化。
1976年 8月、ジャスコ(現在のイオン)と業務及び資本提携(50%出資)してその傘下に入ったが、その後も店名は変更せず営業を続けた。4月10日に上越市の新市庁舎開設。
1979年 ジャスコといづも屋百貨店の共同で直江津に計画されたショッピングセンターの核店舗として出店を計画したが地元の反対で申請が取り下げられたため実現せず、従来通り営業を続けた。
1981年 郊外にイヅモヤジャスコを開設することを決め商業活動調整協議会で認可を受け移転。
1985年 2月にいづも屋百貨店を閉店し、約63年の歴史に終止符を打った。
1985年 11月には郊外の土橋に後継店舗のイヅモヤジャスコを開業。
1992年 改正大店法施行。
1996年 3月、富岡にジャスコ上越店開業。それに伴いイヅモヤジャスコ閉店。

 たったそれだけなのか。私には違和感を覚える。上越市の顧客にとっては、いづも屋で買い物することはいわばステイタスそのものだったのではないか。それだけで話が終わりとは思えない。百貨店の 時代が過ぎ去ったことはある意味では事実である。だが、過渡期に急激な行動を起こせば、混乱をもたらす。静かなる改革が必要だということだ。なぜ、ヒト ラー小泉の「改革」が大失敗に終わったかを考えるべきだろう。

 最近のWikipediaもだいぶ細かく書くようになってきている。
 これはいい傾向だ。どんどん書くべきだ。