2013年10月20日日曜日

傲慢な世界から抜け出せなかった 前園真聖

 まず、前園を叩き斬るにはこのニュースが一番効く。

酔暴行で逮捕 前園真聖の酒グセと過去のトラブル
http://gendai.net/articles/view/sports/145231
2013年10月15日 掲載
(C)日刊ゲンダイ
 元日本代表のファンタジスタ、前園真聖(39)の「泥酔してタクシー運転手に殴る、蹴るの暴行を加えて現行犯逮捕」の一報を聞いたサッカー関係者の反応は「もともと酒は苦手。それが泥酔して暴行なんて信じられない」から「いきなりキレるなんて……。ホントに酒か?」と冗談交じりの反応が大半を占めた。
 14日夕方、所属事務所サニーサイドアップで会見に応じた前園は「心に隙、甘えがあった。酒は好きじゃないし、自宅でも飲まない。これから酒を断つ。サッカーを語ったり、メディアに出ることもやめるべき」と神妙な表情で頭を下げた。
 自粛せずとも、事件前夜に出演していたテレビ東京のスポーツ番組「ネオスポーツ」のサッカー解説者の仕事はパーになるだろうし、8カ月後のブラジルW杯に向け、仕事を増やしたいと思っていた事務所の幹部連も頭を抱えていることだろう。
「96年アトランタ五輪代表の主将として人気を博し、携帯電話、インスタントラーメン、スナック菓子などのCMに登場。事務所は同時期に前園と中田ヒデと契約を結んだが、ヒデは前園のオマケ的な存在だった。ところが、ヒデは日本代表の主力としてW杯の常連となり、兄貴分だった前園は本業のサッカーでもパッとせず、04年に現役を引退して数年後には仕事も激減していた。ここ最近になって、ようやくテレビなど露出も増え、サッカースクールも賑わうようになったところでのことです」(放送関係者)
 仕事が激減した頃から「飲めない酒を飲んでは酔っぱらい、店の従業員やタクシー運転手に絡むようになった」とは某サッカー記者。それでも「女性にも高圧的な物言いをすることはあった。しかし、暴行なんて見たこともなければ、聞いたこともない」と続ける。
 やはり今回の騒動は、前園自身が会見で主張したように「午前1時から8時半までハシゴ酒。初めて記憶を失うほど酔った」ことが、事件を引き起こしたのか?
「98、99年とブラジルでプレー。その時のコネクションを使い、14年ブラジルW杯に絡めてビジネスチャンスがあったみたいで忙しく飛び回っていた。それがスムーズに進まず、そのストレスが高じて泥酔して暴れてしまった」(消息通)
 ともあれ、狼藉をはたらいたツケは大きい――。



前園真聖は氷山の一角…元Jリーガーを待つ「貧困生活」の元凶
http://gendai.net/articles/view/sports/145289
2013年10月16日 掲載
(C)日刊ゲンダイ
「現役時代から女遊びは好きだったけど、本人が言うように酒は苦手だった。泥酔して暴力をふるうなんて、ちょっと考えられない」
 こう言うのは、サッカー関係者。都内の路上でタクシー運転手に暴行を加えて逮捕された、元サッカー日本代表MFの前園真聖(39)の一件は今もって、衝撃が冷めやらない。知人の誕生日だったとはいえ、なぜ苦手な酒を記憶がなくなるまで飲んだのか。
 サッカーライターの平野史氏はこう言った。
「ストレスがたまっていたのではないか。人気も実力も日本トップクラスだった前園でも、引退後は必ずしも仕事に恵まれているとは言えません。前園は12年にJリーグ及び日本代表の監督を務めるために必要なS級ライセンスを取得しているものの、このS級ライセンスは、例えば96年以降でも毎年20人前後が合格している。つまり、監督の有資格者がサッカー界には300人以上もいるわけですから、指導者という職にはなかなかありつけない。ライセンスを所持していないOBはもちろん、持っているOBでもサッカーでは飯を食っていけないというのが実情なのです」
 女優の女房を「殺す」と脅し、DV騒動を起こした元日本代表MFもそうだった。現役引退後に古巣のスタッフになったまではよかったが、チームの強化部長を辞任すると、サッカー界からフェードアウト。知人のお好み焼き店でのアルバイトなどで糊口(ここう)をしのいだ。騒動を起こしたのはまさにこの時期である。
 創成期に億の年俸を稼いだJリーガーも、清水の元運営会社が破綻した97年を境に右肩下がり。J1が18チーム、J2が22チームの計40チームの大所帯になった今は、年俸200万円に満たない選手がJ2にはゴロゴロいる。地方クラブには月給7万円、年俸84万円という選手までいるのだ。
「Jリーグは選手のセカンドキャリアに力を入れているとはいえ、まだまだ完全とはいえない。振り込め詐欺や窃盗、恐喝などの犯罪を起こす元Jリーガーのニュースに触れるたび、華やかに見えるプロスポーツの光と影を感じざるを得ません」(前出の平野氏)
 現在のJリーグの日本人最高年俸は名古屋DF闘莉王(32)の1億6000万円。巨人の阿部慎之助(34)が5億7000万円をもらうプロ野球に比べたら、同じプロでも雲泥の差がある。
 スポーツライターの工藤健策氏がこう言った。
「サッカーで言えば、私は川淵三郎現協会名誉会長の罪は重いと思う。彼がチェアマンとしてJリーグの拡大政策をとり、今の40チームという肥大化したJリーグをつくった。日本の国土面積を考えれば、明らかにキャパシティーオーバーです。組織を拡大しても、生み出されるお金のパイは決まっている。その結果、プロ選手でありながら、100万円、200万円にも満たない年俸でプレーする選手を生んだ。にもかかわらず、なぜ、拡大政策をとったか。それはトップの権益を広げ、それを守るためですよ」



想像を絶するJリーガーの薄給
http://gendai.net/articles/view/sports/140255
2012年12月25日 掲載
「なでしこたちが羨ましい」

<プロ契約最低選手の年俸は180万円>
 女子サッカーの皇后杯(全日本女子サッカー選手権)決勝(24日)でINAC神戸が、ジェフ千葉を1―0で下して大会3連覇を達成した。
 この神戸、不景気サッカー界にあって11月にはフルサイズの夜間照明付き人工芝グラウンドを備えた「神戸レディースフットボールセンター」をオープンした。19日にはクラブハウスも完成。一部Jリーガーから「オレたちより年俸も環境も上を行っている。うらやましい」の声が聞こえてくる。
「Jリーグの年俸更改がスタート。例年以上に厳しく、どのチームのフロントも『金がない』の一点張り。日本代表級と助っ人以外は、監督も選手も年俸半減者が続出している」(サッカー記者)
 今季開幕時点のJ1監督で、日本人年俸トップは大宮・鈴木前監督の6000万円。最低は札幌・石崎、磐田・森下の2000万円。平均3500万円ともっぱらだが、来季は「J1で年俸1200万円前後の監督が何人も出てきそうな雲行き。J2はもっと悲惨です。年俸800万円の某監督が、半分の400万円で勘弁してくれないかと言われて愕然としていた」(前出の記者)。
 選手の平均年俸は約2500万円といわれているが、それが軒並み大幅ダウンである。
「昨季のプロ契約最低選手の年俸は180万円だった。月額15万円です。この選手以外のJリーガーも、年俸300万円前後はザラです。そんな薄給Jリーガーも契約更改で3分の2、半分の額を提示されている。なでしこリーグが、女子サッカーブームの追い風に乗ってプロ契約選手が増加傾向にあり、INAC神戸所属の沢、大野、川澄といった代表級は500万円前後の年俸をもらっている」(前出の記者)
 貧乏Jリーガーが「なでしこリーグでプレーしたい」と声を上げるのも時間の問題か――。


 これは単に貧乏だということではない。
 サガン鳥栖なんかは大卒選手についてはスポンサーのベストアメニティの正社員にしたうえで派遣してもらう形をとっているのだ。
 前園はそもそも傲慢な世界から脱しきれなかっただけだ。サガン鳥栖はJ1最少の運営費で昨年5位と躍進した。今年は苦戦しているが残留すると思われる。そもそも、前園の罪はセレブの罪だ。1200万円でも並みのサラリーマンよりも高給取りではないか。
 そもそも、サッカーがプロ野球と比較して発展途上なのは明らかだ。それなのに無理なことばかりやった結果J2アビスパ福岡は経営危機に陥っている。前園はまさか福岡の監督になるつもりかと皮肉ってやりたい。問題なのは日本のプロがアマチュアそのものになっているからだ。アマチュアレベルなのにみんないつの間にかプロ契約になっていて金欲しさでプレイしている。
 そんなやり方をよしとするなら、全くなっていない話なのだ。前園は一番いいときに飛び込みその味を占めてかつての栄光を追い求めていたのにすぎない。でなかったらJ2京都サンガからの誘いを断っていない筈だ。
 前園は一度、J3の地域巡回コーチとして出直すべきだ。それも東京や関東ではなく、どのつく田舎で出直すべきだ。そこで泥を飲むひたむきな経験を重ねて、それからでかいことは言うがいい。今はサガン鳥栖の地域巡回コーチをやっている新居辰基氏も札幌時代に飲酒運転をやって札幌を解雇され、JFL静岡SC(当時地域リーグ、現藤枝MYFC)でアルバイトをしながら選手をしていた。そこに手を差し出したのがサガン鳥栖だったのだ。
 新居氏にあって、前園にはないのはそうした謙虚さではないか。傲慢な世界から抜け出せなかった三流男にはゲームセットとしか言いようがない。