2014年9月23日火曜日

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米スプリント、TモバイルUS買収協議を打ち切り-関係者


8月6日(ブルームバーグ):ソフトバンク傘下の米携帯電話会社スプリントが、TモバイルUS 買収協議を打ち切った。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。米携帯電話業界3位のスプリントと同4位のTモバイルの統合でプラス効果が見込めるものの、規制当局から承認を得るのは難しいと判断した。
 情報が非公開であることを理由に関係者2人が匿名で語ったところによると、スプリントは携帯電話の卸売会社、米ブライトスターの創業者マルセロ・クラウレ氏を6日にも次期最高経営責任者(CEO)に指名する予定。2007年以降、スプリントを率いてきたダン・ヘッセ現CEOは退任する。
 ソフトバンクの孫正義社長はベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tの2強に対抗するため、9カ月にわたってTモバイル買収実現に向けて取り組んできたが、今回の決定でその挑戦に終止符が打たれることになる。事情に詳しい複数の関係者によれば、Tモバイルは資金調達方法など幾つかの点でスプリントと歩み寄ることができれば、買収計画を前進させる意向だった。
 米現政権が携帯電話の4社体制を存続させる方針を崩していないことから、スプリント、Tモバイルは共に当局の承認獲得は見込み薄との見方を取っていたが、スプリントは最終的に規制環境からみて拒否されるとの判断に至ったと関係者の1人は語る。
 スプリント広報担当のスコット・スロート氏、Tモバイル広報のアン・マーシャル氏共にコメントを控えている。ソフトバンクの広報担当者マシュー・ニコルソ ン氏もコメントを避けた。スプリントがTモバイル買収計画を断念したことについては、米紙ウォールストリート・ジャーナルが先に報じていた。

ディッシュが動く可能性も
米衛星テレビ会社ディッシュ・ネットワーク のチャーリー・アーゲン会長は、スプリントの協議打ち切りを好機とみている可能性がある。
 ディッシュは昨年、スプリント買収をめぐってソフトバンクと争い、敗れた。アーゲン会長は今年5月、Tモバイル買収合戦には加わらない方針を示すと同時に、ソフトバンクの提案が当局に阻止されるなどの機会が訪れた場合、Tモバイルはディッシュにとり戦略的な利害関係を有する存在だと話していた。ディッ シュは6日に4-6月(第2四半期)の業績を発表する。 
 携帯・固定の電話事業の分離策を検討しているメキシコの通信会社アメリカ・モビルも、Tモバイル買収に乗り出す可能性がある。ディッシュ、アメリカ・モビルの広報担当者はいずれもTモバイル買収に関心があるかどうかについてコメントを控えている。
原題:Sprint Said to End T-Mobile Discussions, to Name New CEO(1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Alex Sherman asherman6@bloomberg.net;ベルリン Cornelius Rahn crahn2@bloomberg.net;ロンドン Matthew Campbell mcampbell39@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Mohammed Hadi mhadi1@bloomberg.netElizabeth Wollman, Philip Lagerkranser
更新日時: 2014/08/06 16:04 JST
 ハッキリ言って、私はこの買収劇に批判的だった。
 買収はいいとして、この買収でソフトバンクユーザーがどれだけ便利になれるのかが問題である。たとえば、ソフトバンクは最近新携帯プランを打ち出したがなんとそれがデータ通信中心のユーザーにとってかなり不利なものになっている。
 私はこの前持ち込みのiPhone4Sでソフトバンクに話を持ちかけたところ、2GBでなんと7000円と以前の6000円より大幅に値上っていたのでがっかりしたほどである。そういうことをするなら、今すぐ傘下のワイモバイルにソフトバンクの格安SIMで参入させるべきではないか。銀行口座による通話機能付きの格安SIMなら需要も大きい。
 ソフトバンクは恐らく韓国か、欧州のキャリアの買収に踏み切るのではないかと私は見ている。まず、スプリントの経営再建を急ぐと同時に同業他社の吸収合併を行い、アメリカ事業を強化するはずだ。
 だが、ユーザーありきの携帯電話なのだということを認識してもらいたい。