2014年9月29日月曜日

懸念材料だらけのこの国で果たして生きられるのか

 今年は本当に憂鬱な一年になりつつある。
 この国の民主主義の基本が決定的に壊され、生存権までもが脅かされている。


生活困窮者自立支援制度

1.新制度について

経緯

近年、社会経済環境の変化に伴い、生活困窮に至るリスクの高い人々や稼働年齢層を含む生活保護受給者が増大しており、国民の生活を重層的 に支えるセーフティネットの構築が必要となっています。こうした状況に対応するため、現在、新しい生活困窮者支援体系の構築と生活保護制度の見直しに総合 的に取り組んでいます。
 こうした中で、社会保障審議会に設置された「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」において、生活困窮者が抱える様々な課題や、生活困窮者対策に関する具体的な制度設計について議論が重ねられ、平成25年1月に報告書として取りまとめられました。
 報告書の内容を踏まえ、平成25年5月の第183回国会に生活保護法の一部改正法案とともに、「生活困窮者自立支援法案」が提出されましたが、両法案は衆議院では可決されたものの、参議院で審議未了の上、廃案となりました。
 しかしながら、今般改めて平成25年10月の第185回国会に両法案を再提出し、同年12月に成立しました。厚生労働省においては、新制度の施行に向け、この新しい生活困窮者支援が地域で上手に活用され、真に実効あるものとなるよう、自治体への支援を行っています。

新制度の内容

新制度においては、全国の福祉事務所設置自治体が実施主体となって、官民協働による地域の支援体制を構築し、自立相談支援事業、住居確保 給付金の支給、就労準備支援事業、一時生活支援事業、家計相談支援事業、学習支援事業その他生活困窮者の自立の促進に関し包括的な事業を実施します。ま た、都道府県知事等は、事業者が、生活困窮者に対し、就労の機会の提供を行うとともに、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等を行う事業を 実施する場合、その申請に基づき一定の基準に該当する事業であることを認定する仕組みを設けます。
 自立相談支援事業は、生活困窮者からの相談に早期かつ包括的に応ずる相談窓口となります。ここでは、生活困窮者の抱えている課題を適切に評価・分 析(アセスメント)し、その課題を踏まえた「自立支援計画」を作成するなどの支援を行います。また、関係機関との連絡調整や支援の実施状況の確認なども行 います。
 なお、自立相談支援事業の実施、住居確保給付金の支給については、福祉事務所設置自治体が必ず実施しなければならない必須事業として位置付けられている一方、その他の事業については、地域の実情に応じて実施する任意事業とされています。

2.生活困窮者自立促進支援モデル事業について

平成25年度から、「生活困窮者自立促進支援モデル事業」を全国各地で実施しています。
 特別部会の報告書や生活困窮者自立支援法案で示されている事業をモデル的に実施していただき、国が自治体から情報を収集し、生活困窮者が抱える課題や新たな生活支援体系による支援の成果等を把握し、制度化に向けた検討を進めることとしています。
 また、本モデル事業を通して、各地域における先進的な取組など、多くの情報が広く共有されることで、新たな発想に基づく支援の仕組みが、様々な地域で創出されることが期待されます。
 複合的な課題を抱える生活困窮者の支援を適切に行うためには、相談から就労支援その他包括的な支援を提供することが必要となります。こうした体制 を法案の施行期日である平成27年4月に全国実施できるよう、地域での調整やネットワーク形成に取り組んでいくことが必要です。


 だが、このシステムについて私はうまく行くとは思えない。
 原因は次の記事から見えてくる。

生活保護 若い世代も 働きたいが病気、雇用悪化… 自立へ寄り添う支援を

西日本新聞 2013年06月22日
 ■くらし天気図■ 
 生活保護の受給者が増え続ける中、20代や30代のいわゆる「働き盛り」も 例外ではない。生活保護費が膨らみ、特に働ける世代には自立が求められるが、簡単にいかない事情を抱える人もいる。「働きたい」という意思のある2人を訪 ね、どうすれば実現できるか、どんな支援が必要か、考えてみた。
 突然、過呼吸が襲った。北九州市のA子さん(21)は休職を余儀なくされた。「今の私は生活保護がないと生きていけない」。5月初めに就職し、まだ1週間しかたっていなかった。
 17歳で高校を中退し、工場やコンビニなど職を転々とした。どの職場でも持病の過呼吸が主な原因で長続きしなかった。親とも折り合いが悪く、昨年1月に実家を飛び出す。半年ほど路上生活を経験した。
 その後、NPO法人・北九州ホームレス支援機構(奥田知志理事長)に勧められ、生活保護を申請。病院を受診し「精神的理由で就労不可」と診断された。
 それでも「自分もお客さんも笑顔になれる。働いて人の役に立ちたい」との思いが強く、面接を受けた。採用され、これからという時の過呼吸…。「待っているから無理しないで」。職場で掛けられた言葉が唯一の救いだった。
 ■困窮の連鎖も
 厚生労働省によると、3月時点で生活保護を受けるのは、157万8628世帯で過去最多。このうち働ける世代を含む「その他の世帯」は28万8483世帯で、リーマン・ショックが起きた2008年度の約12万世帯から急増した。
 雇用情勢が悪化すると、中軽度の障害者、無資格、人間関係が苦手といった“就職弱者”から順に職を失う傾向が強まる。支援機構によると、若い世代も「親の代からの貧困で十分な教育が受けられずに就職できなかったり、精神的な要因で失職したりするケースが目立つ」という。
  支援機構は11年度から2年間、国の補助事業で困窮する若者の就業支援に取り組んだ。そこでは、事情が一人一人違うことから、行政や地元企業、医療機関と 連携し、きめ細かいケアを目指したという。奥田理事長は「社会との関係性が絶たれた彼らに人の縁を築くサポートも大切」と話す。
 ■気力が薄れて
 働きたくても働けないという状況でなければ、自立を目指したい。福岡市のB男さん(35)は今年4月、生協が母体の社会福祉法人「グリーンコープ」にアルバイトで雇用された。月収は少しずつ増え、間もなく生活保護を抜け出せる見込みだ。
 5年前、上司の嫌がらせに耐えきれずに会社を辞め、妻子とも別れた。10年秋に派遣会社の登録を外れてからは、友人宅や漫画喫茶を転々とし、野宿もした。その間にうつ症状になり、働く気力は薄れていった。
 翌11年1月、グリーンコープが運営する生活困窮者の自立支援施設「抱樸(ほうぼく)館福岡」(福岡市東区)に入ることができた。うつの治療を始め、回復してくると「何とかしたい気持ち」が芽生えてきたという。
 ■心の立ち直り
  その年の秋からグリーンコープの就労訓練施設「ファイバーリサイクルセンター」に通い始める。中古衣料の仕分けなど簡単な作業からで、当初はだらけた服装 や無精ひげを注意されることもあった。センターの香月伸太部長は「精神的ダメージがあるとすぐには働けない。体力や生活リズムも含めた立ち直りが施設の目的です」と話す。
 訓練とはいえ最大で月5万5千円が支給される。収入が増えればその分、生活保護費は減額されるが、反比例して「やりがいを感じるようになってきた」。1年半後、雇用を勝ち取る。
  ただ、このセンターで受け入れられるのは最大で25人。九州に同様の施設はなく、自治体は職員不足などで若い困窮者の支援にまで手が回らないのが実情だ。 北九州市立大学の稲月正教授(社会学)は「雇用の不安定化が進む一方で、生活や就労を支える仕組みは十分とはいえない。継続的な寄り添い型の支援が求めら れる」と話している。
    ×      ×
 ●メモ
 ▼生活困窮者の支援事業  北九州ホームレス支援機構は2011年度から2年間、国の補助を受けて「若年者に対する伴走型就労支援事業」を実施。12年度は17~48歳の18人を対 象に、履歴書や面接の指導、地元企業での就労体験(日当4千円)のほか、早起きなど生活面での自立も支援し、3人が就労を果たした。
 「抱 樸館福岡」は、社会福祉法人グリーンコープに支援機構が協力して10年に開設(81室)。入居者を対象とした就労訓練事業も手掛け、今年3月までに47人 が訓練を受けた。現在は14人が、中古衣料の仕分けや野菜の詰め替え作業をしながら一般就労を目指している。年齢制限はない。

=2013/06/22付 西日本新聞朝刊=

 こうした現実に安倍自称政権は向き合っていない。
 単に目先の数字におぼれ目先のコスト削減とやらにおぼれている。そして財界からのわいろで国の理念である恒久平和を不当に投げ捨てた。この犯罪を見逃していいのだろうか。
 私ならばパワハラへの処罰と残業規制の導入、正規雇用義務化、経営陣の報酬規制を導入する。さらには1984年レベルの課税に日本の税制制度を戻すだけで全然この問題はもちろん、国の収入不足も解決するのは明らかだ。
 なぜこんな簡単な解決方法があるのに安倍自称政権はできないのか。簡単だ、財界やカルト連中から支援を受けていてしがらみだらけだからに他ならない。それで何が改革か。鼻で笑うお粗末さに他ならない。