2014年12月28日日曜日

それでもだめなものはダメ


“差別やじ”サポーター、ブラジル国内で受け入れられず大ヒンシュク。職場を追われ、自宅には投石


  • 2014.09.03. 10:08 サッカーキング
 

パトリシア・モレイラ・ダ・シルヴァ被告

 8月28日(木)にポルトアレグレで行われたブラジル杯のグレミオ対サントス戦においてサントスのゴールキーパー、アラーニャを「猿」と呼ぶ姿がテレビで放映されたグレミオの女性サポーターの自宅が、29日夜、投石の被害に遭った。8月30、31日付伯字紙が報じた。

 リオ・グランデ・ド・スル州陸軍の歯科・医療センターでの業務を担当する会社に勤務していたパトリシア・モレイラ・ダ・シルバ(シウバ)被告(22)は既 にその職を失い、近日中に取調べのために警察にも召喚される見込みだが、木曜夜に自宅を出て以来その行方をくらましている。警察当局は親類の家に身を寄せ ていると推測している。

 グレミオのサポーターが人種差別的野次を対戦相手に向けたのは、今年に限っても今回が初めてではない。3月29日のポルトアレグレ州選手権決勝戦においては、インテルナシオナルのセンターバック、パウロン選手がその被害に遭った。

 今回人種差別的野次の被害に遭ったサントスのゴールキーパー、アラーニャは自身の所属チームサントスの公式チャンネルであるTVサントスで今回の騒動が多くの反響を呼び、また多くの支援のメッセージが寄せられたことに感謝と安堵の意思を表明した。

「私たちは多くの人、多くの人種、様々な肌の色が混在する国におり、その混合する度合いは日毎に多様化している。選手を傷つけたり、プレーをかき乱したりするために人種差別の野次を飛ばす人がいることは残念なことだ」とアラーニャは語った。

 また、1968年に亡くなったアメリカの黒人差別問題に立ち向かったマルティン・ルーサー・キング牧師の名を挙げて肌の色、人種、性差、宗教、その他全ての事象に関する偏見、差別を根絶するために人々の団結を呼びかけてビデオメッセージを締めくくった。

(記事提供/ニッケイ新聞、記事協力/MEGA BRASIL)

ついには放火の被害まで=サッカーでの人種差別罵声の女性

サッカーの試合で、人種差別の罵声を飛ばした姿がテレビに映し出された後、パトリシア・モレイラさん(23)の生活が脅かされている。
  パトリシアさんは8月28日、リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレのグレミオ・アリーナで開催されたブラジル杯のグレミオ対サントスの試合の最 中、サントスの黒人キーパー、アラーニャに対し、「汚い匂いの猿」との叫び声に続き、客席の一部で差別語や猿の鳴きまねが繰り返された事件に関与したひと りだ。当日の差別的行為に加担したとされるグレミオ側のサポーターは10人程度の身元が判明している。
 ブラジルのサッカーの試合では今年に入っ てから、このようなことが数件起きており、問題視されていた。パトリシアさんの行為も当然問題視されるわけだが、彼女の場合、差別語である「マカーコ (猿)」と叫んだ姿がテレビの生中継で映し出されてしまい、身元がわかってしまった。
 これにより、パトリシアさんは自身のフェイスブックで攻撃を受け、勤務していた会社から解雇処分を受けた。ポルト・アレグレにある自宅には石を投げつけられるなどの嫌がらせも受けた。結局、パトリシアさんを含む 一握りのサポーターたちの差別行為により、グレミオはブラジル杯の今大会からの参加資格を剥奪された。
 騒ぎが大きくなっていく中、パトリシアさ んは9月5日に警察で事情聴取を受けた後に記者会見を開き、アラーニャに罵声を浴びせたことを「試合に負けていたから感情的に叫んだ。人種差別の意図はな かった」と弁明した上、泣きながら謝罪した。この会見の時点で担当弁護士は、パトリシアさんが既に大きな社会的制裁を受けていると訴えていた。
  だが12日未明、パトリシアさんの自宅の一部が放火の被害にあった。火は午前4時ごろ、家の前で起こり、パトリシアさん宅に広がって行く様相だった。近隣 住民がこれに気づいて消防署に連絡し、消防隊もかけつけた。消防隊が現場についた頃には火は消え、門や水道や電気のメーターが焼けただけで済んだ。消防は 近隣住民が消火したと見ている。
 放火事件が起こった時、パトリシアさん一家は不在だった。それは8月28日以来、一家は連日のようにいやがらせを受け、自宅にも安心して住めなくなっており、親類や友人の家に寝泊りを続けていたという。
 ブラジルは人種差別問題に敏感な国として知られており、批判が強く起こったところまではそうしたお国柄を反映していたと言える。だが、時が進めば進むほど、事態が事の本質から大きくそれつつあるようだ。
 なお、市警は12日午後、放火犯と見られる男性を逮捕。目撃者の証言で犯人と確認された男性は、警察で同日中に事情聴取を受けている。(12日付G1サイトより)


 ハッキリ言っておくが、たとえ女性であっても差別は許されない。
 私はいかなる差別を嫌悪する。 だからシルバ被告の暴挙は絶対に許すつもりはない。だが、同時に言うが放火は立派なリンチだ。
 リンチは意味がない。言葉による暴力には論理的に論破するだけでいい。

 駄目なものはダメだというのはそういうことなのである。