2015年2月5日木曜日

歴史を壊す極右財界人 葛西敬之

家康も天下を取ったから英雄かもしれないが、真の英雄ではない。いつの場合も多くの人を犠牲にしている江戸城にしても、四国丸亀あたりから大勢の人夫をつれてきて築城に強制労働させ、秘密の箇所の仕事に携わった者は殺してしまった。証拠の人骨も出てきている。こうした人の犠牲の上に立つ者を私は絶対に英雄とは思わないし、そんな人物を現代企業の経営の中に持ち込むのはナンセンスだ。
そんなバカなことはないだろう。苦労して城を作ってくれたのだから大事にするなり、せめて情報の隔離ということからすれば島流しくらいがあたりまえで、殺すとは何事だ。
【覚書き:徳川家康が江戸城完成後に情報漏えいを防ぐため、築城にあたった労働者・技術者を全員殺したというエピソードを知った時の発言】

 この発言を行ったのは本田技研工業の創業者で有名な故本田宗一郎氏である。
 彼は皇室ファンだったが、同時に昭和天皇の戦争責任を認めるなどきちんとした財界人で知られていた。更に、老害を防ぐために自分の子供は絶対に本田技研工業に入れなかった。その厳しさが本田技研工業を世界屈指の企業にしたのではないかと私は思う。
 さて、今回書人猟団の牙にかける輩は安倍極右政権に取り入る愚か者の葛西である。

 葛西委員より、「このグループ(注:右派系市民グループ)の出現は、非常に象徴的で、これまでは組織化された意見だけが強くアピールされ、また、マスコミによる国民の知る権利の事実上の統制御が行われていた。最近、新聞の発行部数が大幅に減る一方、インターネットの台頭・普及という中で、これまで表現の機会を抑えられていたこの種の動きというのは、これから様々な形で強まると思う。特に、日本は、この65年間において、国家というものが国際社会において占め る役割や、あるいは国内において果たすべき役割といったものを軽視・否定する方向での報道ばかりがなされてきたが、これからはこのようないわゆる『声なき声』を取り上げる形でインターネットによる情報交換が出てくる。これからは様々な方向に様々な意見が出てくると思う。こうしたものに対する今後の対応策については、相当慎重に考えておかないと、後手を踏む可能性もあると思う。このグループについては、『極右』と呼ぶべきものではないと思う。事前に、よく実態を知り、適正に評価することが大事なのではないかと思う」旨の発言があり、長官から、「こうした市民グループは、新しい動きであり、今後、更に大きく なってくる恐れもあると思う。委員御指摘のような時代状況であるので、既成の右翼が吸収できない考え方を表現できる市民グループの方が、今のところ形はき ちんとしていないが、大きくなっていく可能性もあり、今から注意深く見ていく必要があると思う」旨の説明があり、葛西委員より、「左翼についても、これま でのそれぞれのセクトというような形ではなくて、散発的にゲリラ的な者がインターネットを通じて活動するような世の中になる恐れがあり、既にテロリストの 組織がそういうふうになっている傾向がある。その意味で、日本は今いろいろな意味で転換期にあると思う」旨の発言があり、長官から、「失業者の増加、来日外国人による犯罪、就職できない学生の問題など、国民が社会に対する不満を持つ恐れは十分にあり、油断しないように対処してまいりたい」旨の説明があった。

 こんなアホな発言、お花畑も甚だしいではないか。
 実際出てきた在特会は極右で悪名高い事実ではないか。それなのに葛西はお仲間の籾井勝人をNHK「会長」にして、今やNHKは視聴料金の未納に苦しむ有り様である。経営者失格も甚だしいのではないか。
 最も、彼らがありがたがる徳川家康を書いた作家の山岡荘八氏がいた。この山岡氏と本田氏は喧嘩したことで知られている。4回も本田氏が山岡氏に公開質問状を出したほどである。これは評論家の佐高信氏との対談で明かしている。
 その山岡氏だが、作家の伊藤浩士氏の話によると「自分は企業経緯なんか知らん、家康という人物を今までとは違う自分の価値観で描きたがっただけだ、そのような言われ方は不愉快だ」と語っていたそうだ。つまり、経営者にとって都合のいい解釈に徳川家康や直江兼続のエピソードを適当に寄せ集めて、我田引水のように使う。
 歴史を粗末にする行為そのものであり、葛西は安倍自称首相をアシストする段階でもう、歴史を破壊する行為を行っているのにすぎないのだ。そんな男にやれ「吉田松陰だ」「徳川家康だ」と言われたら、言われた者達がびっくりして墓場で腰を抜かすに違いない。