2013年10月17日木曜日

地方百貨店を考える~木更津市の場合~



 今回、取り上げるのは木更津市にあったそごうの前身、サカモトである。
 残念ながらサカモトそごう時代のロゴしかなかったので今回はこれでやるが、国会図書館にあったそごう小史という書籍を参考に今回のコラムといく。
 まずは、帝国データバンクのホームページから引用したデータを冒頭に用いる。

株式会社サカモト
2006年09月05日 帝国データバンク
スーパーストア経営-千葉県茂原市-自己破産申請へ
  平成16年11月17日ならびに17年8月23日の特別情報東京版にて既報の当社は、本日9月5日から事業を停止し、事後処理を松本 新太郎弁護士(千葉市中央区中央3-8-8、TEL043-227-5676)他に一任した。9月9日付けで従業員の全員解雇を決め、破産手続開始を申し 立てる準備に入った。負債は約45億円。
 当社は洋服仕立業者として昭和24年7月に設立され、その後、47年頃に食品スーパーに衣替えした。ピーク時では食品スーパーのほか、ドラッグストアやコンビニなど合計14店舗を展開、昭和63年5月期には年商126億円を計上していた。
 しかし、その後は競合激化で業績は低迷。不採算店の閉鎖や経営合理化を進めていたものの業績悪化に歯止めは掛からず、低収益を余儀なくされていた。

業種  食品スーパー
所在地  千葉県茂原市早野25-4
代表者  坂本利政
資本金  5,000万円
年商  (17年5月期)71億8,500万円
負債総額  約45億円

 東京商工リサーチより
業種 スーパーストア経営
商号 株式会社サカモト
<サカモト>
企業コード 260027825
所在地 千葉県
倒産態様 自己破産申請へ
負債額 負債45億円
「千葉」 (株)サカモト(資本金5000万円、茂原市早野25-4、代表坂本利政氏、従業員80人)は、9月5日までに事後処理を松本新太郎弁護士(千葉市中央区中央3-3-8、電話043-227-5676)ほか3名に一任し、自己破産申請の準備に入った。
  当社は、1949年(昭和24年)7月に呉服店として創業、50年(昭和25年)12月に法人改組した。その後、72年11月には百貨店経営へ転換、さら に77年5月には東金店のオープンを皮切りにスーパーストアのチェーン展開へ転換し、80年代後半にかけて毎期1~2店舗ペースで新規出店を進めていた。 ピーク時には15店を展開し、88年5月期には年売上高約126億円を計上していた。
 この間、新規出店に伴う不動産取得資金を借入金で調達したため、金融債務が増大し金利負担が収益を圧迫。このため、87年以降は新規出店を一時凍結し、不採算店の撤退や店舗跡地、遊休地の売却など合理化に注力していた。
  しかし、近年は同商圏内に大型店が出店したことから集客力が低迷し、2005年同期の年売上高は約71億8500万円にまで減少していた。打開策として、 スーパー併設によるドラッグストアを展開したものの、軌道に乗らず撤退を余儀なくされ、不採算の店舗を2店閉鎖するほか人員削減を実施。近時は茂原市内3 店舗のほか、東金市、九十九里町などの合計10店舗の体制となっていたものの、売り上げ減少に歯止めがかからず、採算は悪化していた。最近では対外信用の 低下から、仕入先からの納入が一部停止される事態となり、事業継続が困難となった。
 負債は約45億円の見込み。
 なお、現時点で店舗の営業は継続しているが、在庫商品が無くなり次第、閉鎖する予定。





1913年 サカモトを創業。木更津地域唯一の百貨店として繁栄。
1973年 10月、中央1丁目に移転。売場面積10066平方メートル、売場の3分の2をサカモトが直営で経営するショッピングセンター方式で経営。
その頃、西友が進出、繁栄の原動力だった坂本吉太郎社長が急死するなど、業績低迷が続く。
1973年 ダイエー木更津店が開店。地下1階、地上4階。
1977年 12月、千葉そごうとサカモトとの間で経営援助など、提携が成立。店内改装、資本参加、商品供給体制などを整える。
1978年 10月1日 9号店としてサカモトそごうが開店。資本金2億5千万円。
1982 年11月17日 ジャスコ木更津店が木更津グリーンシティショッピングセンターと同時にオープン。このSCはイオンと地元有志の資本による共同によって設立された「株式会 社木更津グリーンシティショッピングセンター」(イオン100%子会社・イオンの傘下、独立)によって運営されている。
1992年 11月17日 ジャスコ木更津店オープン10周年
1997年 19,349平米の売場面積を持つ駅前の新店に移転。開店時に木更津そごうに商号変更。売上高107億円(98年度)。
1999年 10月、西友エポ木更津店が閉店。
2000年7月 そごうの民事再生手続きで存続を断念、破産申請を行って閉鎖。アクア木更津として再生される。百貨店の十字屋が運営するディスカウントストアショッカー木更津店もあったが現在は建物が解体され、立体駐車場となっている。
2000年 12月、ユニー経営のアピタ木更津店が開業。
2001年 2月18日 ダイエー及びDマート木更津店が閉店。ダイエー及び忠実屋の28年間の歴史に幕を閉じる。
2001年 12月7日 君津の住宅メーカー新昭和が買い取って、旧ダイエー木更津店を改装しラズモール木更津が開店。
2002年 11月17日 ジャスコ木更津店オープン20周年。
2008年 11月24日 建物の老朽化、テナントのストア尾張屋の移転に伴いラズモール木更津閉店。建物は今後解体。


 木更津そごうとこのサカモトに共通項があるのは、同じ木更津で商売をしていたところだ。
 だが、方向性が間違っていた。ダイエーにしても、今や全滅しているわけだし西友も撤収している。過剰な競争は結局地域を衰退させただけである。それがまだしも、農業という地力を抱える新潟県ならいざしらず、北海道の札幌都心の過剰な競争。
  非正規雇用が蔓延ったらこうした目先の価格に踊るのは当たり前だ。トイプードル前原はこうした考えのおぞましさを知らないからキャンキャン吠えているだけ だ。だが、これからは応援したい企業を推奨し、積極的に選ぶことで経済を正しくすると同時に違法な極右どもには厳しい姿勢で打って出る事を私は宣告する。