今回、旭川市にゆかりのある小売業を2社取り上げる。
だが、いずれも倒産しており一方はスポンサーを得て生き延びたがもう一社は破産した。
地方百貨店を考える~旭川マルカツの場合~(小野哲)
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2010-10-04 20:39:09
これは、Wikipedia日本語版にもない項目である。
今はテナントビルになっているのだが、昔旭川にマルカツという百貨店があった。外資系の子会社になった東栄という会社が経営しているのだが、今回はこれを取り上げたい。
1916年 行商人だった初代松村勝次郎が旭川に移住。
1917年 1月2日、2条6丁目右6号に丸勝松村呉服店を創業。
1921年 2条7丁目師団道路に進出。
1938年 3階建の百貨店に拡張。
1959年 この年から8年間で隣接地を購入、基盤整備につとめる。
1970年 後継者が若かったことや、経営危機を乗り越えるため北海道繊維業界で名を馳せた松山正雄を社長に招く。この関係で東栄がマルカツの経営権を買収。
1971年 地下1階、地上6階に建物を改築。
2003年 運営法人の東栄が民事再生法を申請、倒産。アメリカのサーベラス子会社になる。マルカツはその数年前からテナントビルに切り替え、道北ラルズ(アークスグループ)を地下1階に入れるなどしていた。
旭川はかつて、丸井今井、西武百貨店、緑屋、マルカツ、丸友と競争が激しかった。
その中で緑屋が西武百貨店と統合し、丸井今井は倒産した。マルカツがテナントビルになった現在、百貨店は西武百貨店だけだ。しかし、その西武百貨店もセブンアンドアイグループに所属し、いつ百貨店の暖簾を下ろすかはわからない。
時代に生き残るには、その文化を確実に受け止め、対応しつつも、自分達の独自の色を、その地域にどうやって見せるか。そこが生き残る鍵なのかもしれない。
地方百貨店を考える特別編~旭川・丸井国井の場合~(小野哲)
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2010-10-04 22:43:36
1997年8月 5日 (火)
(株)國井[旭川市]
道北中心に衣料品小売店展開
国井、自己破産申請へ 負債額60億円
道北を中心に衣料品小売店9店を経営する国井(本社・旭川、国井紘正社長、従業員約200人)が5日午前、営業を停止した。同日中にも旭川地裁に自己破産を申請する。帝国データバンク旭川支店と東京商工リサーチ旭川支店によると、負債総額は約60億円。
国井は1948年に上川管内美瑛町で製綿業を創業、その後衣料品小売りに進出し、53年に法人化した。道北を中心に店舗を増やし、最盛期には13店を擁し、年間131億円の売り上げがあった。
しかし、大型量販店の攻勢と消費者の需要の変化への対応の遅れで業績が低迷し、最近では売り上げは80億円台に落ち込んでいた。
このため、主力取引銀行や主な取引先から社員の派遣を受け、4月に留萌店を閉鎖するなど再建に努めてきたが、業績の回復はならなかった。
旭川に2店のほか、美瑛、富良野、上富良野、滝川、芦別、遠軽、美幌の計9店舗がある。
北海道新聞
なお、以下のサイトより引用させていただきました。
http://hokkaido-index.cocolog-nifty.com/blog/1997/08/post-e481.html
この『くにい』という企業は小さな衣料チェーン店だった。
なお、旭川の本店は取り壊され、丸善三番館に売却された他、芦別市にあった店舗はアークスの子会社である道北ラルズ(旧有限会社サンフーズ)にラルズプラザ芦別店として引き継がれている。
北海道は流通業の競争が激しい。イオンリテール子会社のイオン北海道(旧ポスフール・マイカル北海道)による猛烈な企業買収(札幌フードセンター、ジョ
イ、ポスフール、りょーゆー)に加え、アークスグループの結成、コープさっぽろによる企業の枠を超えた買収劇、ドン・キホーテとトライアルカンパニーの参
入と、まさしく血で血を洗うような凄惨な状況にある。
こんな世界では百貨店は生き残ることは難しい。本来、最低でも中間層から高級層に食い込めてなんぼなのだが、肝心の中間層が貧困層に突き落とされた結果、パイは小さくなった。一言で言えば無能無策な自民党の失政の結果である。
だが、このニュースでは済まされない事態が札幌で起きている。
イオン北海道が親会社イオンの系列ストア「まいばすけっと」を札幌市内に出店し始めているのである。これは大手資本による小型店進出であることは明らかだ。コンビニエンスストアキラーであると同時に地域の商店街にとっては大きな脅威になることは明らかだ。
この「まいばすけっと」は売れるものに絞り込んで展開している為、売れて当然である。北海道で起きている動きは確実に日本全体に広がっていく。たとえばニ
トリ、ツルハ、ホーマック(DMCグループ)を見ればいずれも北海道から出ている。最近ではアークス(東北のユニバーサルを買収したほか関東の小売業の買
収にも意欲満々である)も拡大路線を歩んでいる。
決して侮ってはいけない。