2013年10月17日木曜日

技術にモラルが追い付かない-ネットは現実の延長線上-


孫正義氏、成長の夢求め相次ぎ企業買収-米ブライトスターも

10月16日(ブルームバーグ):ソフトバンク の孫正義社長はモバイル事業の成長機会を求めて海外企業の買収を続けている。フィンランドのゲーム会社買収を公表したのに続き、米国のスマートフォン(多機能携帯電話)端末の流通サービス会社、ブライトスター を買収する方向で協議を進めていることも明らかにした。
 ソフトバンクは16日、ブライトスター買収について「協議中だ」とし、「現時点で決定した事実はない」とする文書を東証を通じて公表した。
 同社は過去1年間に少なくとも12件 の企業買収に関わっており、最大は米携帯電話3位のスプリントを216億ドル(会社発表で約1兆8000億円)で買収した案件。7月に買収完了したばかりだ。
 ソフトバンクは15日にも、フィンランドのモバイルゲーム会社、スーパーセルの議決権付き株式の51%を15億3000万ドル(約1515億円)で買収すると発表した。ソフトバンク子会社のガンホー ・オンライン・エンターテインメントとともに特別目的会社を設立して買収にあたる。
 これを受けて16日のソフトバンク株価は一時、前日比2.6%高の7430円まで上昇したあと、7400円で取引を終えた。
 孫社長がアメリカの携帯市場に出ていくことを男の夢だと語っていることについて、富国生命投資顧問の桜井祐記社長は、「どこまでやれば夢が達成できるのか。過剰投資か過少投資か判断できない」とした。ただ、「海外に成長機会を探すことには同意できる」と述べた。
 孫社長は15日のツイッターでも「夢さえあれば朝起きるのが楽しい」と述べていた。
 いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「スマートフォン関連市場はまだ初期の段階で新興国ではまだ伸びる。買収で拡大させる方向は間違いではない」としながらも、「一連の買収でどれだけの収益を上げられるかはまだ不透明だ」と述べた。
 16日付の日本経済新聞朝刊は、ソフトバンクは最終的にブライトスター株を約7割取得し、取得額は「1000億円強」と伝えていた。ブライストターのホームページによると、同社は携帯端末メーカーと通信業者の間に立って物流、梱包、保険・金融サービスなどを提供している。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 天野高志 tamano6@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2013/10/16 15:42 JST

 これはスマートフォンの購入量拡大を図る買収という。
 私自身はソフトバンクはスマートウォッチ開発会社を買収する可能性もあるとみている。そして電話化することでサイバーとの融合を図ろうとしているのではないかとみている。それでも、サイバー空間はあくまでも現実の延長に過ぎない。
 スマートフォンを活用した恋愛にしてもそうだ。形を変えた出会い系であり何か違和感を感じる。今回取り上げる事件は技術にモラルが追い付いていない実態を浮き彫りにした。


J-CASTニュース   テレビウォッチ   元木昌彦の深読み週刊誌

東京都内ストーカー殺人・A「交際女性の裸画像」大量収集―警視庁も余罪捜査
2013/10/17 16:31

被害女子高生も殺される6日前に「復讐ポルノ」ネットばらまき

 <「Bさんの自宅の部屋のなかで、ベッドの上や大きな鏡の前で撮られていた。背景に写っている壁には、画家である母親の作と思しき絵が飾られている。Bさんは、笑顔で、すましたような表情、時には恥ずかしそうな表情を浮かべて写っていた。(中略)
 いずれにせよ、誰かに見せるとしても、非常に親しい関係にある人にしか見せないようなものばかりだ。不特定多数に向かって写真が公開されるのは、Bさんへの脅迫が目的としか考えられない。(中略)
  さらにその2日後、同じユーザー名からBさんが映る動画が投稿された。撮影された部屋は不明だが、ベッドの上だ。(中略)撮影者はその男だ。時折、男と笑顔を浮かべて会話してることからも、親しい関係がうかがわれる」>

   これは『週刊ポスト』の「バラまかれた『復讐ポルノ』の残酷」からの引用である。東京都内でタレントの卵、Bさん(10代後半)が、A容疑者(20代前半)に殺された事件の6日前にインターネット上にばらまかれた写真は、Bさん自身の手で撮影されたものであるという。ストーカーに恥ずかしい写真まで公開され、そのうえ殺されたのでは、2度『殺された』ことになるのではないか。
   週刊ポストによれば、振られた腹いせに元恋人の裸の写真や映像をネットに投稿する行為は「復讐ポルノ(リベンジポルノ」といわれ、世界的な問題になっているようで、この10月(2013年)、米カリフォルニア州議会は嫌がらせを意図してヌード写真をネットに流通させた者に、最大で6か月の禁固か1000ドルの罰金を科す法案を成立させたという。
   事件が起きたのは10月8日16時50分頃、東京都内の閑静な住宅街に住む私立高校3年のBさんは、自宅内にいるところをかつての交際相手だったAに襲われた。Aは昼ごろ、鍵のかかっていなかった2階の窓からBさん宅に侵入し潜んでいた。『週刊文春』はより詳しく犯行までの経過をこう書いている。

<十月八日――。犯行直前、AはBさんの自宅内にいた。隣家の室外機を伝って無施錠だった二階窓から侵入し、 一階にあるBさんの部屋のクローゼットの中で身を潜めていたのだ。
 その暗闇の中からスマートフォンを操作し、A君(Aの友人=筆者注)らに無料通話アプリ「LINE」を通じて、次々と唐突な文言を送り始める。(中略)
 約二時間後、Bさんが学校から帰宅。前述の通り、Bさんはこの日の朝、両親とC警察署を訪れ、Aによるストーカー被害を相談したばかりで、彼女が三鷹署員から帰宅確認の連絡を受け取ったのが十六時五十一分。約二分後に通話が終わると、クローゼットを飛び出したAは、刃体約十三センチのペティナイフを手に、制服姿のBさんを強襲したのだった>

   週刊ポストで捜査関係者がこう明かす。<「A容疑者は京都出身。フィリピン人の母親と日本人の父親をもつハーフで、日本国籍を持っている。(中略)
   身長は約180センチと大柄で、高校時代は柔道部に所属していた。Bさんは刃物で首や腹など4、5か所を刺され、首の動脈が斬られたことが致命傷になった。使用された凶器は、9月末に現場からほど近いEの雑貨チェーン店『D』で購入したペティナイフだったようだ。犯行は計画的で、残忍なメッタ刺しからは、強い殺意がうかがえる」>
   Bさんは、現代美術画家の母親と映像関係の仕事に携わる父親の一人娘だった。小学生の頃からタレントとして活動し、将来の夢は女優だった。3年前にはある映画でスクリーンデビューしている。大伯父は大物脚本家(遺族の為実名は伏せます)。
   逮捕されたAは取り調べに対し、「交際をめぐり恨んでいた。殺すつもりで刺した」と供述しているという。週刊文春によれば、出会いは2011年の秋だったという。京都在住のAは立命館大学の学生だと偽り、フェイスブックでBさんと知り合った。遠距離恋愛の始まりだった。

セックス最中に動画撮られた女性「ノートパソコン覗いたら全裸女性の画像いっぱい」

   だが、AはBさん以外の女性にも「卑劣な腹いせ行為」をしていたというのである。被害者は兵庫県在住のB子さん(24)。B子さん本人とその家族から事情を聞いた人物がこう打ち明けている。<「一昨年の秋頃、出会い系のチャットで知り合ったのがAでした。ハーフで英語が得意だといい、モデルのようなイケけてる写真を送ってきたそうです。会うようになって何度か体を重ねたが、行為中に携帯で動画を撮られた自覚があったとのことでした。
   その後、Aが持ち歩いていたノートパソコンを覗く機会があり、B子さんはその中に大量の女性の裸の画像を保存したファイルを見つけてしまった。A本人らしき男が映りこんでいるものもある。B子さんはAに不信感を抱き、もう会わないと切り出した。それが昨年の二月のことだったそうです」>
   しばらくして、 B子さんのもとにAから『恨みのメール』が送られてきた。<「そこにはURLが貼られていて、リンク先に以前撮られた動画がアップされていた。女性は友人男性に相談し、Aに削除するようかなり強い口調で電話をしてもらった。Aはその際はあっさり謝罪して引き下がっている。今回の事件後、B子さんの家族に警視庁から電話があり、事情を聞かれたそうです」>
   BさんとAの交際は1年弱のようだ。彼女から別れを切り出したが、Aのほうは未練たっぷりで、よりを戻したいと訴えていた。今年6月、Bさんの父親がAに娘に連絡をしないでくれと通告している。そして両親と一緒にC署に相談に行った日に、彼女は刺されてしまったのである。
   桶川女子大生殺人事件でストーカー法がつくられたが、その後もストーカー殺人は後を絶たない。法を生かす警察側の積極的な運用が必要なのではないか。

*なお、関係者及びそれらの特定を回避する為すべて匿名報道にいたします。

 まず、この事件で亡くなられたBさんに対して率直にお悔やみの言葉を申し上げる。
 この事件について今はコメントを差し控えたい。遺族に対しては見守るとだけ言いたいが、もし加害者に対して感情的厳罰を要求するなら私は断固として反対するとだけ明言する。そもそも問題なのは、スマホを使う恋愛にしても、ルールがあってしかるべきなのである。
 私は出会い系の規制を行うべきだという持論を持っている。そもそも、顔が見えない相手と交際するにしても怖いものを感じるのだ。オフ会にしても、かなりメールやメッセージをやり取りしない限り信用できない。
 加害者Aについて今はコメントを差し控えたい。被疑者だからだ。もし仮に事実だとしても、なぜ彼がそこまで歪むようになったのかを構造分析で考えてほしい。そして事件の再発を絶対に防ぐ必要がある。ただ、誤解のないように申し上げるが私は事実のみを見る。その事実は警察や被害者だけのものではない、被疑者にも事実があるのだからだ。
 サイバー空間はあくまでも現実の延長線にすぎないのだ。そのことを私は口うるさく繰り返さざるを得ない。Twitter一つとっても、自らの陰部や放尿シーンを自ら撮影して公開するとんでもないケースがある。こんなことがいいと言えるのだろうか。
 本当に疑問に感じるばかりである。これが、秘密保全法につながったのだと言わざるを得ない。