2014年3月31日月曜日

外食産業の再編は避けられない

2014年3月28日(金) しんぶん赤旗

すき家閉店続出 人員不足のため、18時に閉めます

1人勤務、新メニューで過重負担

青年ユニオンが指摘 「賃上げ・増員を」

外食産業最大手ゼンショーグループが全国1985店舗を誇る牛丼チェーン「すき家」に一時閉店が相次いでいると話題になっています。過酷な労働で人員不足におちいっている「すき家」の実態が浮かびあがってきました。 (前田智也、田代正則)

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(写真)人員不足で閉店したすき家の店舗=22日朝、東京都八王子市
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(写真)人員不足のため、部分営業を知らせる貼り紙=24日、東京都武蔵野市
東京都内ですき家を探し歩くと、「年中無休24時間営業」のはずが店内真っ暗となっている店舗がそこかしこにあります。
 3月中旬から、すき家閉店がインターネット短文投稿サービスのツイッターなどで話題となりました。ゼンショーは24日、公式ホームページに「リ ニューアル(改装)工事」を順次開始すると発表しました。ゼンショー広報は、現在、全国百数十店舗がリニューアル閉店中だとしています。

はっきりと貼り紙

公式ホームページで営業中となっているのに閉店している店舗も。はっきり「人員不足」と貼り紙されているところもあります。
 八王子市の八王子東町店は、21日午後6時~22日午前9時まで、人員不足で閉店していました。
 武蔵野市の「井ノ頭通り吉祥寺店」は、21日に「機器メンテナンスの為、閉店させていただきます」と貼り紙していました。24日には「人員不足の為、カウンター席のみの営業となっております」と書いてありました。
 ツイッターには、全国各地で突発的に閉店した店舗の画像が投稿されています。

24時間連続シフト

職場はどうなっているのか。深夜の勤務シフトを終えた女性店員は「24時間続けてシフトに入っていました」と悲鳴をあげました。
 「新メニューの牛すき鍋定食がとにかく負担なんです」。牛丼などの従来メニューは、工場である程度調理しておき、店舗で仕上げて提供していました。牛すき鍋定食は、店舗での仕込みの手間が格段に求められるといいます。
 「同じ時給でもっと楽な仕事があるので、店員がやめていくのではないでしょうか」とも。
 すき家は、店舗にぎりぎりの人員しか配置しないことで有名でした。その時間帯の売り上げによって、人員配置数を決めているため、仕込みにかかる手間が考慮されていない、との不満の声が店員からあがっています。
 この女性の働く店舗は、近隣店舗が一時閉店になっており、営業中の同店に客が集中しているといいます。

組合員のいる店は

首都圏青年ユニオンの山田真吾事務局長は「すき家は、深夜帯に『ワンオペ』といわれる1人勤務をさせるため、休憩が取れない、体調不良でも休ませてもらえない、という訴えがありました。強盗が頻発する問題もありました」と指摘します。
 会社は一時期、青年ユニオンとの団体交渉を拒否していましたが、現在は和解し、昨年から団体交渉に応じています。組合員たちの昇給差別が是正され、一気に時給20円~30円引き上げとなりました。組合員のいる店舗で閉店は起こっていない、といいます。
 青年ユニオンは、すべてのアルバイトの時給水準引き上げ、休憩のとれる人員配置で、人間らしく働ける職場にするよう会社に要求。会社都合の閉店時の賃金補償について、店員の相談に応じるとしています。
 ゼンショー広報は、本紙に対し、リニューアルによる一時閉店は、人員不足とは別問題だとしつつ、「イレギュラー(不規則な事態)による閉店は、過 去から起きていた問題です」と回答。1人勤務体制が閉店を起こしやすい原因ではないかとの質問に、「そういうところを含めて、対応したい」と答えました。

 では、ゼンショーにここに提案します。
 非正規雇用の全員正規雇用化と、人員配置の大幅改善を急ぐ必要があります。それができないというのなら24時間営業の撤回を求めます。その他にもワタミを買収し、店舗の統合を急ぐべきですね。


ワタミ、人手不足解消へ60店閉鎖 居酒屋の1割

2014/3/27 19:45 日本経済新聞社
 ワタミは 27日、運営する居酒屋の1割となる60店を2014年度中に閉店すると発表した。昨年設置した外部の弁護士などによる有識者委員会が店舗の労働環境の改善を指摘していた。今後は閉店した店舗の人員をほかの店舗に振り分けて慢性的な人手不足を解消させる。外食産業では景気回復で人手不足が深刻だが、人手不足解消を理由とした閉鎖は珍しい。
 同社が昨年7月に設置した有識者委員会は1月にまとめた報告書で「所定労働時間を超える長時間労働が存在する」、「労働時間を正しく記録していなかったことがある。(労働者が)そのように指示されたことがある」などと指摘していた。
  ワタミはこれを受けて、居酒屋の大量閉店を決めた。閉店でパート・アルバイトを含む約770人の従業員を確保し、営業を続ける店舗に振り分ける。1店あたりの正社員の数も現状の1.66人から1.83人に引き上げる。同社は「店舗削減による業績への影響は精査中」としている。
 ほかにも店長職の場合、これまで会議や研修などに年間で275時間を費やしていたが140時間に削減する。またメンタルヘルス相談窓口や、コンプライアンス委員会も社内に常設する。


 跡地についてはゼンショーが経営している食品ストアのマルヤ、山口本店、マルエイの小型店を出すといいでしょう。
 ただし、条件があります。地元の商店街で青果店や鮮魚店、精肉店を必ず取り込み、24時間営業は絶対にやらないことです。