2017年7月18日火曜日

ピケティブームから言いたいこと


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世界的ベストセラー学者「トマ・ピケティ」がアベノミクスに警鐘
(更新 2015/1/17 07:00)

21世紀の資本
トマ・ピケティ著/山形浩生訳/守岡桜訳/森本正史訳
定価:5,940円(税込)

 民主党きっての政策通で、菅直人「内閣」の「官房長官」を務めた仙谷由人氏(68)。がいま、知人に熱心に薦める本がある。フランスの経済学者トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』だ。そこには「資本収益率(r)は経済成長率(g)より大なり」という“「r>g」の法則”など経済学の定説を覆した新理論が書かれ、絶大な評価を受けている。

【書評 ベストセラー読解『21世紀の資本』】

 そこで気になるのが、同書の理論を日本の経済政策、つまりアベノミクスにあてはめると、どうなるのかということ。
 日本は、米国ほど極端な格差社会ではない。だが、OECD(経済協力開発機構)加盟国のうち、日本の相対的貧困率の高さは米国に次いで第2位。米国や英国と違って超富裕者は少ないが、働いても賃金が低くて生活が苦しい非正規社員や「ワーキングプア」の増加も社会問題になっている。
 ピケティ氏が日本経済に言及した機会は少ないが、インフレ誘導を目的とした日銀の異次元金融緩和には、すでに警鐘を鳴らしている。

「不動産や株の値をつり上げてバブルをつくる。それはよい方向とは思えません。特定のグループを大もうけさせることにはなっても、それが必ずしもよいグループではない」(1月1日付朝日新聞)

 朝日新聞元経済部長の小此木潔・上智大学教授は言う。

「アベノミクスには『r』をさらに大きくする発想が根本にある。株価上昇に重点を置き、非正規雇用を増やすとの懸念がある派遣法改正など、労働市場の規制緩和に積極的。大企業や資産家優先で、不平等を深刻化させてしまう設計思想なのです」

 懸念は現実になりつつある。この2年で大企業の業績は回復し、株価も約2倍になった。ところが、物価上昇分を差し引いた実質賃金は、前年同月比で17カ月連続減だ。
 安倍自称首相は、企業収益が賃上げにつながり、消費が増える「経済の好循環」を目指している。評論家の中野剛志氏は、それが実現しない原因をこう指摘する。

「安倍被告は大企業に賃上げを求めるなど、格差縮小型の行動もとっている。それが、経済政策を議論している経済財政諮問会議などでは、低所得者に負担の大きい消費増税や黒字企業しか恩恵を受けない法人税の引き下げなどを提言している。政策に一貫性がなく、日本経済の成長を難しくしているのです」

 ピケティ氏は今月29日に来日し、講演やシンポジウムに参加する予定だ。アベノミクスの現状をどう見ているのか。その発言が注目されている。

※週刊朝日 2015年1月23日号より抜粋
一部安倍自称首相の違法な権力行使への社会的制裁の一環として最初に自称首相とつけ、被告として扱います。

 私はこの種の本についてはブームが落ち着いたら読もうと思っている。
 「もしドラ」にしても、類似した本があってそれが読みやすかった。感想としては偶然AKB48をモデルにしたために売れたのに過ぎなかった。「資本主義はなぜ自壊したのか―「日本」再生への提言」 中谷 巌著(集英社)にしてもブームが落ち着いた頃にブックオフで購入して読んでいる。
 それであっても、この作品は読まないといけないとも思っている。私は佐高信氏、内橋克人氏、奥村宏氏、植草一秀氏の著作などで自分なりの経済学を学んできた。その一方で軽薄極まりない竹中ヘイゾーや長谷川慶太郎などは一冊も読まなかったし読む気もない。読むだけの時間がもったいないのである。
 大切なのは、どんなことでも言えるのだがブームは熱病のように終わりがちなのである。そこから何を現実社会に活かし、良くするかが問われているのだと思うが、今の日本にはそれがないのだから恐ろしい。