前原誠司氏、民進党の新代表に 「多くの国民が政権交代などできっこないと思っているが…」
枝野幸男氏との一騎打ちを制す。共産党連携は見直しへ
2017年09月01日 14時20分 JST | 更新 2017年09月01日 14時43分 JST
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安藤健二 ハフポスト日本版ニュースエディター
時事通信社
インタビューに答える民進党の前原誠司氏=2017年8月28日、東京・永田町
民進党が9月1日に東京プリンスホテルで開いた臨時党大会で、前原誠司氏(55)が新代表に選出された。枝野幸男・元官房長官(53)との一騎打ちを制した。
前原氏は2005年に民進党の前身である民主党代表に就任したが、06年に「偽メール」問題で辞任。11年ぶりの返り咲きとなった。
臨時党大会では両候補がそれぞれ10分ずつ演説を行った後、会場の国会議員と公認候補予定者が投票した。地方議員や党員・サポーターから郵送された地方票と国会議員票の合計ポイントが集計された。
前原氏が502ポイント、枝野氏が332ポイントとなり、過半数を確保した前原氏が新代表に選出された。
前原氏は投票前の演説で、以下のように決意表明していた。
親の所得の多い少ないによって、子供まで生涯年収の多い少ないが変わる。
つまり、格差が再生産されている。
それが今の日本の姿ではありませんか。
私はこんな不平等な社会は変えたいと思っている。
是非皆さん、我々で全ての子供に平等な社会を作ろうではありませんか。
ALL for ALLで、最低限の暮らしを「施し」でなく、権利にしたい。
真面目に納税している皆さんがたに、それが「あなた自身のため」と実感できる社会にしたい。
多くの国民が「民進党に政権交代などできっこない」と考えてます。
決意を示せば、失笑・冷笑で迎えられるでしょう。私はそれを変えてまいります。
代表選出後、前原氏は党内の結束を訴えた上で「『あのときは民進党には期待していなかったけど、あの日が新たな政治の変わり目の日だった」とあとで言われるように皆さん頑張ろうじゃありませんか」と自民党に代わる「選択肢」を目指す意向を示した。
■共産党との選挙協力の是非が焦点に
今回の代表選は、7月の東京都議選の惨敗を受けて辞任表明した蓮舫代表の後任を選ぶために実施された。共産党との選挙協力合意を前原氏が見直す意向なのに対して、枝野氏は2016年の参院選で野党統一候補が成果を上げたとして、共闘を継続する考えを示していた。
投票前の演説で前原氏が「私は他の勢力との連携や協力の可能性を排除しません。しかし、私たちの理念・政策に賛同してくれることが第一です」と訴えたのに対し、「自民党に立ち向かうためには理想論だけでは勝てません」として広い勢力との連携を訴えた。
ハッキリ言っておかねばならない。
前原氏が本気で政権交代を目指すのなら、ネオナチジャパンの政策そのものを全て否定することから始めねばならない。例えば共謀罪と戦争協力法、国民総背番号制度の廃止と死刑制度の大幅制限、ハラスメント罪の導入と刑罰の内容の見直しだ。消費税も大幅に減らし、法人税と環境税、所得税、物品税でしっかり取り戻すべきだ。つまり、国家が本来やるべき再分配機能の回復だ。
また、国民与党である共産党との共闘を貫かねばならない。明らかに国民与党候補はネオナチジャパンの候補者もどきをことごとく打ち破る大きな成果を出した。その取組を維持し、共産党の政策を大胆に取り入れることが必要だ。
そういった事が最低限の基本なのだ。
更に懸念すべきことが前原氏にある。あまりに軽率すぎるということだ。
前原氏に必要なのは、真逆の思想を持った人物を顧問に招き入れることだ。共産党名誉議長の不破哲三氏を顧問に招き入れて、相談に応じてもらうだけでも違う。
今のままでやりたいというのなら、第二のメール事件を招きかねない。きっぱり警告したい。その結果、一人の男の命が失われた。そのことに対して前原氏は口を閉ざしているのだろうが、逃げてはいけない。