【暮らし】
精神障害者の雇用 増加 来春、法定雇用率の算定対象に
2017年9月8日 東京新聞
精神障害者の雇用に積極的な企業が目立ってきた。来年四月に法律で義務付けられている障害者雇用割合が見直され、精神障害者も含めて計算するようになるためだ。もともと能力の高い人も多いだけに、戦力になってほしいとの期待もある。人材獲得のため、サポート専門部署の設置や通院休暇の創設など取り組みはさまざまだ。
IT関連企業のトランスコスモス(東京)で働く萩原一明さん(41)は統合失調症があるが、障害者らが働く事務部門のリーダーとして活躍中だ。データ加工や発送業務などをメンバーに割り振り、確認する仕事を任されている。
萩原さんは元システムエンジニア。徹夜も当たり前という激務が続いた二十代に発病した。契約社員を経て、今年正社員になった。「前の会社では隠していたが、今は同じ障害のある同僚や理解のある上司がいて安心感がある」と萩原さん。今後は管理職を目指すという。
同社には障害者の採用から就労後の支援までを担当する専門部署がある。精神保健福祉士を採用し、相談できる体制も整えた。障害のある社員は現在約三百人で、約七十人は精神障害がある。古原広行執行役員は「今後もこれまで同様優秀な人が欲しいが、弊社も含め各社採用に苦労している」と話す。
障害者雇用促進法の改正に伴い、来年四月に企業の法定雇用率は2・0%から2・2%になる。現在は身体と知的が対象だが、新たに精神も加わる。就労支援関係者からは「雇用率達成のため、大手企業が障害者の大量採用に動いており、精神障害も例外ではない」といった声も聞かれる。
働く側の意欲も強い。ハローワークでの精神障害者の新規求職申込者数は年々増加。二〇一六年度は延べ約八万六千人で、障害者の四割を占める。
一方、採用した後、「休みがち」「続かない」「周囲がどう接していいか分からない」といった悩みを抱える例もある。
会員制ホテルを手掛けるリゾートトラスト(名古屋市)は、こうした問題を解決し、定着率を上げようと昨年有給の通院休暇制度を創設。個別の作業マニュアルを作る、休んでも影響が出ないよう複数で交代しながら業務を担当する、話しにくいことは上司に交換日誌で伝えるなどさまざまに工夫を凝らす。
セントラルヘリコプターサービス(愛知県豊山町)は、疲れやすさに配慮して、短時間勤務ができるようにした。品質保証部門で働く統合失調症の社員(29)は「無理なく働ける。自分自身も以前は病気に偏見を持っていた一人。自然に接してほしい」と話す。
障害者の教育や就労を支援するLITALICO(りたりこ、東京)の野口晃菜(あきな)執行役員によると、精神障害者雇用を成功させるポイントは(1)本人に合った仕事(2)やりがい(3)障害への配慮。
野口さんは「一緒に働くことで、会社が社員全体のメンタルヘルスを考えたり、仕事のやり方を見直したりといった波及効果もある」と話している。
障がい当事者の視点から、この動きは歓迎すべきことだとは思う。
だが、同時に言いたいことがある。働き方改革の一環として、搾取する労働の削除を急いでほしい。私自身は障がい当事者雇用の一環で今ある企業で勤務している。そこは決して甘くはないが、私は不幸とは思わないし、感謝すらもしている。
例えば、ワタミや電通については、労働時間の大幅削減を政府が命令し、その分を障がい当事者、難民などに回せば社会問題の解決につながるのは言うまでもない。そういった考え方がお政府様にはないのだからどうにもならない。
この考え方になれば、日本は確実に国際社会の高い評価を受ける。アベさまがメイ・イギリス首相に媚びて日立の原発の保証を行う権力犯罪を行ったが、アベさまがやるべきは内部留保を溜め込んでいる大企業にもっとマイノリティの雇用を行うよう命令し、過労死および過労自殺、パワハラ、不当なリストラ犯罪を過去に遡って取り締まるべきだ。
そうすることで大企業が意識を改めて雇用をすすめることになり、中小企業も意識を改めることになる。今のままではますます富の集中が進むことになる。これで社会の不公平感がさらに高まるのは明らかだ。