2018年6月10日日曜日

裁判員裁判の廃止的見直しは不可避だ

東京新聞・社会
松戸女児殺害、被告が無罪主張 初公判「事件に関与せず」
2018年6月4日 夕刊


 昨年三月にベトナム国籍で千葉県松戸市立小学校三年のAさん=当時(9つ)=が殺害された事件で、殺人やわいせつ目的略取・誘拐罪などに問われた同小の元保護者会長B被告(40代後半)の裁判員裁判初公判が四日、千葉地裁であった。B被告は「私は事件に関与しておりません」などと述べ、全面無罪を主張した。
 公判の争点は被告が犯人かどうか。罪状認否でB被告は「検察側の主張したことは全て架空でねつ造。全面的に無実、無罪を主張します」と述べた。
 検察側は冒頭陳述で、B被告の軽乗用車やキャンピングカーの車内で見つかった血液や唾液から、Aさんのものと同じDNA型が検出されたとし、被告が犯人だと主張した。
 さらに、Aさんが行方不明になった日の午後、被告の軽乗用車がランドセルが見つかった現場近くを走っていたと指摘。証拠調べでは、事件後の昨年四月に、軽乗用車のドライブレコーダーの記録が消去されていたことも明らかにした。
 一方、弁護側は冒頭陳述で、事件前にAさんはB被告の車に乗ったことがあると明らかにし、車内のDNA型は事件前に付いた可能性があると指摘した。弁護側は冒頭陳述でDNA型鑑定結果について「捜査機関がBさんのDNAを入手し、犯人のものとして鑑定した可能性があるのでは」と述べ、信用性に疑問を呈した。軽乗用車内の血液は、Aさんが事件前に乗った際に膝をすりむくなどして付いた可能性があるとした。更にB被告の車からAさんの指紋が検出されず、遺体遺棄現場に被告の足跡もなかったと指摘。「DNA型鑑定の他に証拠はない。犯人と断定できるのか」と検察の主張を一蹴した。
 B被告は当時、Aさんの通学先の小学校の保護者会長として通学路の見守り活動にも参加していた。
 起訴状などによると、Aさんの通っていた小学校の修了式だった二〇一七年三月二十四日、松戸市の自宅から登校中のAさんを、わいせつ目的で軽乗用車に乗せて連れ去り、首を圧迫するなどして殺害し、同県我孫子市の排水路脇に遺棄したとされる。
 捜査関係者によると、捜査段階でB被告は事件について黙秘を続けていた。
 裁判は初公判を含め今月十八日予定の論告・弁論まで、計十回の審理が予定される。判決期日は未定。

 Aさんの父親のとった態度は極めて醜悪なものだった。
 そもそも被害者参加制度を利用して裁判に出て、被告人に対する無礼な行動を繰り返した時点で論外なのだが、メディアは裁判が終わるまで被害者やその遺族への記者会見は絶対にしてはいけない。
 それは裁判の公平性を保つためには必要不可欠なのだ。明らかにどう考えても、被告人の主張にはそれなりの理があると判断せざるを得ないのだが、そこまでに至っても感情的に『犯人』と思い込みたいのかと厳しく指摘したい。
 殺されたという事実は変わらない、しかし、被告人とされた人物を犯人とするには合理的な理由がない。それが犯人にでっちあげられてきたのが日本の裁判なのだ。

 『あすの会』の解散が行われたが、私のこの問いに答えられているとは思えない。
 犯罪被害者やその遺族の権利は拡充されていいと思うが、裁判の参加はすべきではない。あくまでもカウンセリングや被告人との和解調停などだ。今私が遡及的に対応すべきと指摘しているのは、冤罪対策と犯罪加害者家族の支援だ。
 犯罪加害者家族が社会的に必要とは思えない誹謗中傷被害を受け、最悪の場合は自殺に追い込まれる。それは犯罪被害者が望む社会的制裁なのか。もしそうなら、私は犯罪被害者を厳しく糾弾する。
 更に冤罪対策では、国連から事実上の改善命令が出ている。

 よって拙案を出させてもらう。
1.裁判員裁判を民事訴訟に転換し、政府と市民の争いについてはすべて裁判員裁判に転換すること。
2.刑事事件についてはAIを導入した上で、裁判官裁判に戻す。
3.検察・警察はすべての証拠を裁判前審議で出すこと。裁判後に出した段階で裁判を強制停止させ、場合によっては再捜査を命じる。
4.再審請求に対してすべて応じること。再審中の場合、死刑執行は一切認めない。
5.国連からの改善命令に誠実に速やかに答えること。