2013年10月21日月曜日

姜尚中氏を考える

 姜尚中という、哲学者には様々な評価がある。
 しかし、社会問題を語るにおいては避けては通れない側面がある。

2011年12月23日
日本論
 今回は佐高信、姜尚中両氏の「日本論」(角川文庫)を取り上げる。
 「エリートたちが築いた「中央」は、内では保守層を含めた「地方」を切り捨て、外では北東アジアでの孤立を深めようとしている。パトリア=郷土の観点から見えてくる「愛国」の本質と、格差社会の進行から危惧されるこの国の行方。政治、思想、文学と、不屈の評論家と気鋭の政治学者が縦横に「日本」を論じた話題の書に、新たな語り下ろしと「精神の鎖国主義をどう脱却するか」を加えて文庫化。旺盛な批判精神で「日本」を読み解く待望の増補版。」という触れ込み以上にこの本は一つの思想上の基盤になりえる。
 私自身、アメリカ批判をここに繰り返している。

アメリカのダブルスタンダードを見逃すな 改訂版(小野哲)
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2010-10-14 11:57:14
 クバーナ航空455便爆破事件という事件がある。
 1976年10月6日、キューバの民間航空機に対する爆破テロによって発生した航空事故である。ガイアナのジョージタウンからトリニダード・トバゴとバルバドスとジャマイカを経由してキューバのハバナに向かっていたクバーナ航空(キューバ航空)455便ダグラスDC-8-43は経由地のバルバドス・シーウエルを離陸し次の経由地であるジャマイカ・キングストンに向かうはずだった。
 離陸して9分後、18000フィートを飛行していた午後5時24分に機体後部の洗面所で爆発が発生した。機長は直ちに「機内で爆発が起きた!機が急降下しています、火災も発生しています。非常事態であり緊急着陸を要請します!」と管制塔に連絡した。そのあと機長は空港へ引き返そうとしたが、そこで第二の爆発が発生した。この時機体後部から煙を出しながら雲の下を飛行している姿が目撃された。もはや無事に着陸するのは不可能と判断したかのように、455便は大きく右旋回しながら海岸から離れていった。そして空港から8Km、ブリッジタウンの沖合16Km離れたカリブ海に機首を上げた状態で突入してしまった。
 この事故で乗員25名と乗客48名の計73名全員が死亡した。455便の搭乗者の国籍はキューバ57名、ガイアナ11名、北朝鮮5名だった。また乗客にはキューバのフェンシングのナショナルチームのメンバー24名が含まれており多くは10代であった。またキューバ政府の高官数名も含まれていた。なおガイアナ人は医学生と外交官夫妻、朝鮮人は北朝鮮政府高官とカメラマンだったという。455便が墜落したのは、爆発で発生した火災で機内で有毒ガスが発生し、操縦乗員が意識を失ったためと推測されている。
 実は、このテロを起こした連中の背後にCIAがいた。当初からテロと指摘され、被疑者としてキューバのカストロ政権に反発する反カストロ主義者が考えられた。445便に偽名で搭乗してバルバドスで降りた2名のベネズエラ人をトリニタード当局が逮捕し、その自供から事件の首謀者としてルイス・ポサダ・カリレスら2名が逮捕された。
 事件の裁判はベネズエラで行われたが、不可解なことにバルバドスの捜査当局が収集した証拠資料の提出が遅れた上に、翻訳(バルバドスの公用語は英語、ベネズエラの公用語はスペイン語)されなかったのが原因で1980年9月に同国の軍事裁判所は「証拠不十分」を事由に無罪を宣告した。だがポサダが首謀者だった事は2007年5月に機密指定が解除されたCIAおよびFBIの公文書で判明している。この中でポサダがCIAに長年協力しており、クバーナ航空455便を爆破した実行犯「エンジニアS」の一員であると断言されている。
 ポサダはその後もキューバに対するテロ活動を行っていたとされ、キューバの観光産業への打撃を狙った1997年のハバナにおける連続爆弾テロの時も、ベネズエラに滞在していたが2005年4月になってアメリカ・マイアミへ逃走し、政治亡命を申請した。その際に、彼の顧問弁護士がアメリカ合衆国政府に保護される要件として、彼がアメリカのために対外破壊工作活動に協力してきた点を強調した。そのためか2007年5月8日、エル・パソ連邦地裁は、ポサダに対する全ての訴状を却下し釈放した。そのためベネズエラ、キューバ両国の外相は、テロ活動に対する「アメリカの二重基準」を痛烈に批判した。
 なお、今回参照にしたのはWikipedia日本語版ではあるが、裏付けもきっちり取っている。2001年の世界貿易センターへの飛行機突撃テロに匹敵すべき犯罪にアメリカ合衆国が関わっていたのに関わらず、日本のカスゴミどもはこのことを全く報道しない。これで信用してくれというのは狼少年を相手にするようなものだ。
 そして、今回の尖閣諸島問題。日本は司法できちんと処理をすればいいのに、アメリカや極右中国の不当な圧力に屈した。日本は大国の属国ではないのだ。菅違い直人には何度も私は批判を加えてきた。外交音痴に、政治家失格と来たら、もう目も当てられない。
 ちなみに私は権力の言う、『正義』とやらは信頼しない。それは時と場合によって揺らぐことが多々あるからだ。皮肉な事に、大阪地検の証拠隠滅事件でも、そうした不正は堂々とまかり通る結果だ。幹部は検察と全面対決するようだが、ぜひ頑張ってもらいたい(皮肉な意味で)。そして、検察が今まで自民党やアメリカによって私物化されていた実態を告発してもらいたい。それが、彼らに出来るレジスタンスである。

 はっきり警告しておきましょう。
 極右文化人、カルト団体、極左団体、セックスビジネスなど公序良俗に違反した団体についてはインターネットホットラインセンターに私は発見し次第通報しています。既に、これらの中には警察に通報され、事件として立件されているものもあります。
 事実無根なのにデマを流す輩も私は対象にしています。立件されなくても、フィルタリングソフトで規制される制裁対象になるということをこれからじっくりその身に思い知る事になりますが、それでもよろしゅうございますかな?人間としての良識に添って、反省し、出直しなさいと言っておきましょう。


http://ja.wikipedia.org/wiki/クバーナ航空455便爆破事件

アメリカ型社会よ、さようなら(小野哲)
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2010-11-30 17:41:02
 今回、面白い記事を見つけたので引用させていただく。

2010年11月13日 18:44
「10代のセックスや麻薬についてオランダから学ぶべき」と言うアメリカ人の記事に反響多数

http://labaq.com/archives/51522806.html

 海外と一口に言っても世界は広しで、政治問題から恋愛までトピックごとに文化や土地柄の差があり、国によって特色は大きく変わってきます。
 どこの国が正しいと言った判断は難しいとしても、よその国の基準を知ることは参考になるものです。
 オランダの10代の性についての扱いを、アメリカ人が感心している記事が話題を呼んでいました。
 TIME紙の記事によると、オランダ人は性や麻薬に対し、他の先進国に比べて非常に開放的な捉え方をしており、限定された条件においては大麻の使用と販売が喫茶店で許可されていたり、アムステルダムの赤線地区では堂々と売春が行われているとのことです。
 そして、いわゆる実用主義であるオランダでは、刑罰を与えて禁止するよりベターであるという考え方のようで、各種データも彼らの考え方を支える結果となっています。
 例えばアメリカでは先月12%の人が大麻を利用したという結果に対し、オランダでは5%に留まっています。
 こういった実用的なオランダ人の考え方は青少年の性問題にまで及び、15歳から17歳の子供を持つ親の3分の2が、自宅で恋人と性関係を持つことを許可するとのアンケート結果が2003年に出ています。
 そんなことが許可されたらさぞかし淫らで乱れきった10代が増えるかと思う人もいるかもしれませんが、10代の妊娠率、中絶率、性病率は、アメリカに比べるとずいぶん少ないと言います。例えばオランダでは1000人の15歳~19歳の少女に対し12人の妊娠率で、同様の比較をするとアメリカでは1000人の少女に対し72人の妊娠率だそうです。また、オランダの中絶率はアメリカより20%も低く、アメリカのHIV感染率はオランダの3倍という結果が出ています。
 文化や子育ての違いなどもありますが、特に際立って目立ったのがこの10代の性関係に対するオランダ人の姿勢だと言います。大半のオランダ人の親は10代の性関係についての危険性や困難さを控えめに捉え、単に精神的かつ身体的な準備をさせることに重きを置くようです。
 このことから、記事では子供は単に性関係を持つべきではないと目をつむってしまうよりも、オランダスタイルのほうが安全なのではないか、と問題の投げかけをしていました。
 この記事に対し、海外サイトのコメントも大いに賑わっていました。
 一部抜粋してご紹介します。

・問題は社会的な経験というのは、社会経済的な背景を変えないことには簡単に変化させられないってことだ。
・しかしながら汚名のつく実体を非犯罪化させられるなら、慎重な社会をいきなり明るいものにさせる。
・妻と私は3人の娘を全くそのように育てたが、結果には満足している。今やそれぞれのパートナとの関係やそれぞれの姿勢を持つ成熟した大人に成長した。もちろんアメリカとオランダは文化も違うさ。だが一番の違いは包容力より責任転嫁が普及しているってことだ。ここでは社会経済や人々は関係ない。オランダはアメリカほど多様ではないが、移民も多く同種の人々だけではない。とにかく課題となるものは包容力・理解力・教育であって、責任転嫁・刑罰・無視ではない。
・経済や社会的背景というとオランダとアメリカにそんな大差はない。だが性に関する姿勢の差は大きい。それを指摘することはどう間違っているんだ?
・自分が10代の性として学んだ先は、ほぼインターネットからだった。
・アメリカがオランダから学ぶというより、アメリカがどんな姿勢を学ぶかということだ。何かが禁止された、するとカッコいいことになる。もし許可されてるならば、それはたいしたことではなくなる。
・それは正しい。性のことだけではない。アメリカにあるいろんなことについて言えることだ。とにかく「恐れ続けよう?」馬鹿げた真実だ。アメリカに引っ越してきた頃を覚えているが、人の考えうるほぼ全てというくらいタブーの多さに驚いた。今でも驚いたままだが何もかもが行き過ぎなんだ。
・きっと知能があることも禁止になる時代が来たのかもしれない。
・ちょっと オランダみたいにそこまで行かなくてもいいだろう、ケベックでも充分そんな感じだ。
・アメリカ人としてオランダ人の10代のセックスがどんなものか興味がある。
・承諾が必要なのは16歳からだ。
・イギリスでも16歳だ。そんな辛い思いしてるんだなアメリカ人。それに21歳まで飲めない?みんなそれを守っているのかい?
・アメリカの多くの州でも16歳だと思う。
・21歳になったらかなりアルコール量が少なくなった。禁止されてた時の方が楽しかった。
・私はパンドラの箱を開けてくれる両親を持ったことを感謝している。12歳で人間の性についての本を与えられ、質問があったら尋ねろとテーブルにワインを置いて言われた。15歳のときは性関係を持つなら家でしてくれるほうがいいと避妊具の供給付きで言われた。16歳で麻薬を試してみたいなら合法でできるところに連れていってやると言われた。おかげで反抗する必要がなかった。禁止もされなかったので。
・君は何歳なんだ?それで今もうまく適合してるかい?成功してると思えるかい?その答えを聞いて自分の息子(3歳)の育て方を計画しようと思う。君を実験モルモットにしたい。
・うちの2歳の子はそのように育てよう。
・大学時代、何もかも禁止の厳しい両親のもとに育ったやつらは反動でパーティアニマルになって何も成就しなかった。反対に結構自由で開放的な両親を持つ人々は大学でも成績がよく成功していたと思う。
・オランダ人として言うが、掲示板を見ているとみんな大麻を吸うことに関してかなり差が出ていると思う。掲示板の人々(アメリカ人中心)は大麻に固執しているように思えるが、オランダでは吸えば負け犬だと思われている。
・アメリカに住むオランダ人として言うが、それは正しい。

 ポルノ規制が緩いはずの日本では性犯罪が少ないと言った指摘もありますが、安易に禁止してしまうと逆効果になってしまうことも、少なからずありそうです。(引用終わり)

 今回、アメリカ型社会を批判する。
 アメリカ型社会は大量生産・大量消費が前提である。それに目が眩んだトヨタ自動車などは強引な大量生産・大量消費を前提に目先のコスト削減に走っている。しかし、それでは経済は刹那的なものになってしまい、未来はない。では、どういう形の経済がベストなのか。
 これは父が話していたことなのだが、P&G傘下のブラウンが販売している電気かみそりがあるが、1万円を切っている。かたや、その替え刃は5000円だ。そうすると新品を買ったほうがいいとなる。そんな形の経済がいいのだろうか。今回の問い掛けはそこにもある。故障したら、部品の交換でいいのだが、最新鋭の技術も含めるだけでもいい。
 今回取り上げた記事の内容がデリケートな話題だが、実はまたしてもフランコ石原が児童ポルノ規制条例を押し付けようとしている。だが、目先の一律規制では効果はない。それよりは地道な摘発・啓発運動とカウンセリング強化が必要だ。私のように、児童ポルノへの憎悪を持っている人は多い。
 アメリカ型社会は効率を優先する。だから、ルールは無視する傾向が強い。それをルール遵守の社会、フェアウェイに沿った経済にするだけでも大分良くなる。ただ取り締まるだけでは意味はない、トップが率先してルール遵守するだけでもいい。そうすれば、児童ポルノも含めたセックスビジネスは衰退するだろう。そうすると、どうすれば犯罪をなくすかの答えは自ずと見えてくる、正規雇用の義務化とハラスメント罪、憎悪扇動罪の導入と法人税・所得税の1984年レベルへの課税回復と贅沢品向けの物品税の復活だ。


Neutralizer加筆:以前、オランダの麻薬事情については私もかつて触れた。確かにただ禁止するだけなら人はこれを破ろうとする。だからある『程度』に緩やかなところを作り、ガス抜きするのがよい。
ただ問題なのはその『程度』だ。緩やか過ぎても引き締め過ぎてもダメなのはお分かりであろう。この『オランダ型』社会システムにしてもただ導入すればいいというものではない。それを使いこなすのも結局は我々人間だ。
私はアメリカ型社会システムに疑問を覚えるがオランダ型社会システムにも眉唾である。今の日本にそのまま導入すれば子供を持つ親から(特にPTAという組織でもって)大反発は必須だろう。それを気にしても何もできないが巧く収まるように日本式で導入しつつ組み込むのが最良だと私は考える。

アメリカは世界の支配者ではない(小野哲)
テーマ:国家、人権
2011-09-27 21:05:31
IMFは主導的な役割を 9月25日 9時6分
 世界経済の先行きに懸念が高まるなか、アメリカのガイトナー財務長官は、国際的な金融システムを強化するためにIMF=国際通貨基金が「主導的役割を果たすべきだ」として、ヨーロッパの信用不安をきっかけとした危機の克服に向けIMFがより積極的な役割を果たすよう促しました。
 ガイトナー財務長官は24日、IMFの主な加盟国の財務相らが出席した「国際通貨金融委員会」の開催に合わせ声明を発表しました。この中で、ガイトナー財務長官は「危機に対応するために必要な財源や機能はIMFに委ねられている。国際的な金融システムを強化するために主導的な役割を果たすべきだ」としています。
 世界の金融市場を揺るがしているギリシャの財政危機を巡って、ユーロ圏の各国の足並みの乱れが表面化していることなどから、IMFが、ヨーロッパの信用不安をきっかけとした危機の克服に向け、支援策の取りまとめなどで、より積極的な役割を果たすよう促したものとみられます。またIMFが行なっている各国の為替政策の評価についても、「不十分だ」として、各国の外貨準備や為替レートについて率直な報告を行うよう要請し、アメリカがかねてから柔軟な為替政策を取るよう促してきた中国などを念頭に、IMFがより踏み込んだ政策評価を行うよう求めています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110925/t10015822141000.html

 残念ながらガイドナー氏にはっきり言わねばならない、アメリカの時代は終わったのだ。
 アメリカが世界の支配者、つまりパックス・アメリカーナの時代はリーマン・ブラザーズの破綻とモルガン・スタンレーの三菱UFJ傘下入りで完全に破綻した(言うならばゲームオーバー)。バラク・オバマの政治は一時期それを打ち砕くものかと思われた。しかし、オバマは沖縄の米軍基地移設でとんでもない失敗を繰り返した。キャンプ・シュワブへの建設押し付けという、悪質な基地の固定化である。
 更にこのIMFはアメリカと関係が深い国際的金融機関で、アメリカは内政干渉のツールとして悪用をしてきた。これについては日本共産党のホームページを参照願いたい。厳しくその罪を指摘している。

アメリカ主導のIMF路線とは?
2000年11月20日(月)「しんぶん赤旗」
 〈問い〉アメリカ主導のIMF路線が破たんしてきているとのことですが、IMF路線とは、どのようなものだったのですか。(宮崎・一読者)  
 〈答え〉 国際通貨基金(IMF)は、世界銀行とならんで戦後つくられた国際的金融機関です。国際的な通貨協力による貿易の拡大、そのための為替相場の安定と為替制限の撤廃を目的としていますが、最大の発言力をもっているのは、アメリカです。
 IMFは、とくに1970年代に発展途上国の累積債務問題が重大化して以降、いわゆる「構造調整政策」――経済破たんをおこした国にたいして、緊急融資とひきかえに、国民犠牲の緊縮財政や規制緩和をおしつけ、一国の経済主権を奪うというやり方をとってきました。
 たとえば97年7月にタイのバーツ下落をきっかけにアジア通貨危機が起きたとき、アメリカが主導するIMFは、タイに総額172億ドル(8月)、インドネシアに412億ドル(11月)、韓国に584億ドル(12月)の緊急融資を決めるとともに、融資の条件として一連の「構造調整政策」をおしつけました。
 タイにたいしては、付加価値税の7%から10%への引き上げ、電力・水道等の公共料金の引き上げ、ノンバンク42社の営業停止、均衡財政を実現することなどを約束させました。
 韓国の場合は、経常収支赤字の削減(輸入削減)、金融引き締め(インフレ抑制)とともに、金融機関のリストラ、輸入制限措置の廃止、外国投資の枠拡大など、いっそう資本市場の自由化を促進すること、さらに労働者解雇制度の導入、鉱物石油税・所得税・法人税の引き上げ、経常支出のカットを盛り込みました。
 しかし、こうしたIMF路線は、各国で実体経済を冷え込ませ、賃金切り下げ、企業倒産や金融機関の破たん、失業の増大、増税、物価高、生活福祉・教育関連予算の削減をもたらすなど、経済と国民生活に重大な打撃をあたえ、失敗しています。(正)
〔2000・11・20(月)〕
http://www.jcp.or.jp/faq_box/001/201120_faq_imf_amerika.html
 これが現実である。
 ここではハイチについては書かれていないのだが、泥のクッキーを食べて生活せざるを得なくなるまで米国産の米の値上がりに翻弄された。何故米国産の米がハイチの米を駆逐したか。IMFの融資を受けると引き換えに輸入制限措置の撤回などを押し付けられた結果、格安な米国産の米の流入で自国の米の価値が下がったからだった。アメリカの投機マネーの罪は極めて重い。まず、投機マネーの取り締まりは絶対に必要である。
 もし、TPPが強行されれば日本はそれこそただですら円高で韓国にものづくりの拠点が移っているのに更に関税がなくなるわけで、農業も破綻確実だ。それでいいのだろうか。私は断じて許せないと言いたい。国際貢献とは、自国での農業自給率の120%への向上である。その為なら、野菜工場も解禁してもいいと考える(ただ、大企業が参入する場合はJAの監督下に入る事が必須条件)。
 今のアメリカはまるでチャップリンの映画「独裁者」(1940年10月)の1シーン、ヒンケルと地球儀のパントマイムを彷彿とさせる。チャップリンふんする独裁者ヒンケル(ヒトラーをもじったもの)はワーグナーのオペラ「ローエングリン」の第3幕への序曲をバックに書斎でひとり、天にも昇る気持ちで風船の地球儀相手にダンスを始める。指先でクルクル回したり、机の上にうつ伏せになった彼は、お尻で風船を突き上げて悦に入ったりする。最後にその喜びの絶頂の中で、風船の地球儀は敢無く破裂してしまう。
 今のアメリカはそのヒンケルそのものである。その事については堤未帆氏の『貧困大国アメリカ』シリーズが詳しい。まず、アメリカが超富裕層と大企業への大幅な増税を行う事が大切である。ウォルマートのような従業員を搾取するような大企業に格安な法人税とは正しく泥棒に追い銭そのものではないか。あのウォーレン・バフェット氏も超富裕層への増税を提案しているのだ。
 日本経団連はバフェット氏を今すぐ見習い、己らこそ率先して負担を担う事を申し出るべきだ。それと同時に正規雇用を拡大することだ(殺人犯などの囚人労働の導入も検討すべき段階にあるとは思うが、議論は必要だと考える)。

病む大国アメリカよ、虚しい栄光を捨てよ(小野哲)
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2010-11-04 20:36:18
米中間選挙:オバマ民主党が大敗 下院で60議席以上失う
 【ワシントン古本陽荘】米オバマ大統領の就任2年間の政権運営に対する審判となる米中間選挙は2日、投開票され、連邦議会下院(定数435)では、野党の共和党が過半数(218)をはるかに上回り、240議席以上を獲得する見通しの歴史的勝利となった。民主党は60議席以上失い、52議席を失った94年の中間選挙を上回る大敗を喫した。上院(定数100、改選37)では、共和党が現有41議席に5~8議席上乗せする見通しだが、民主党が過半数51議席を維持することが確定した。
 中間選挙での与党としては1938年、民主党のフランクリン・ルーズベルト政権が下院の71議席を失ったのに次ぐ大敗。共和党が下院多数派に復帰するのは4年ぶりで、上院と下院の多数派政党が異なる「ねじれ」が生じるのは、01~02年の連邦議会(第107議会)以来となる。
 高失業率が続いているうえ、経済回復の実感がないことへの国民の不満が、オバマ政権に対する厳しい評価につながった。大統領は今後、経済政策の抜本的な立て直しを迫られるが、下院で多数派となった共和党が政権批判を強めるのは必至で、2012年の大統領選挙をにらみつつ米政局は、こう着状態に陥る可能性が出てきた。
 上院では改選37議席のうち、接戦となっているアラスカ、ワシントン、コロラドの3州をのぞき、共和党が23議席、民主党が11議席を獲得。アーカンソー、ウィスコンシン両州では共和党候補が、民主党現職から議席を奪い取った。オバマ大統領が上院議員時代に得ていたイリノイ州の議席も共和党に奪われた。
 連邦政府の財政支出の削減などを求める保守系の草の根運動「ティーパーティー(茶会運動)」が支援した候補者たちの躍進も目に付いた。
 強い支援を受けて選挙運動を展開した新人の共和党上院候補は9人。未定のアラスカ、コロラド両州を除いた勝敗は、5勝(ユタ、ウィスコンシン、ケンタッキー、フロリダ、ペンシルベニア)2敗(ネバダ、デラウェア)だった。
 下院でも数十人規模で茶会運動の支援を受けた議員が当選したとみられており、茶会系議員らが上下両院で連携した場合、連邦議会で一定程度の影響力を持つことは十分に可能と言えそうだ。
 下院では残り11議席の段階で、共和党の239議席、民主党の185議席が確定。共和党下院のベイナー院内総務が、下院議長に就任することが確実となった。
 また、37州で開かれた知事選では、共和党が23州、民主党が8州で勝利を確実にした。サウスカロライナ州ではインド系の女性候補が初当選。オハイオ州では、オバマ大統領が再三、応援に入ったにもかかわらず民主党の現職知事が落選した。カリフォルニア州では70~80年代に同州知事を務めた民主党元職が返り咲いた。
毎日新聞 2010年11月3日 22時01分(最終更新 11月4日 1時29分)

 今回、遅くなったが米国中間選挙についてコメントする。
 まず、ティーパーティー運動についてはWikipedia日本語版より要約して引用する。

 2009年からアメリカ合衆国で始まった保守派の政治運動でバラク・オバマ政権の自動車産業や金融機関への救済の反対、さらには景気刺激策や医療保険法改正における「大きな政府」路線に対する抗議を中心とする。オバマ大統領の就任式の直後に始まったことから反オバマ運動としての右派の側面もある。「ティーパーティー」(Tea Party)という名称は、当時の宗主国イギリスの茶法(課税)に対して反旗を翻した1773年のボストン茶会事件(Boston Tea Party)に由来しており、同時にティーは「もう税金はたくさんだ」(Taxed Enough Already)の頭字語でもある。ただし現代のティーパーティーは、ボストン茶会事件の時と違って課税反対は象徴的意味しか持たず、実態は、総じて税金の無駄遣いを批判して「小さな政府」を推進しようという運動である。

 しかし、その中心人物であるサラ・ペイリンに対してフランスの極右政党・『国民戦線』(徹底した反EU姿勢、犯罪や移民に対する強硬措置を掲げる)の次期党首と言われるマリーヌ・ルペンが厳しく批判している。彼女は週刊誌『ニューズウィーク』のインタビューに「ティー・パーティーなどアメリカの右派は自分たちよりずっと右寄りだ」と述べているそうだ(リベラル21の記事より引用)。
 マリーヌいわく、アメリカの共和党やティー・パーティーは国家の介入を嫌悪するのに対して、ルペンの国民戦線は「政府は介入する手段を持つべきだ」と考える。さらに「地域や国民の間の不平等に歯止めをかける方法として、私たちはフランス流の福祉制度を支持する」とマリーヌは述べている。そこに大きな違いを認めているからこそ、ティー・パーティーは国民戦線よりずっと右寄りというわけだ。
 サラ・ペイリンの正体は以前私が指摘したように、ユダヤ至上主義者、つまりユダヤが絶対であるという主張だ。これはアメリカの建国精神である開かれた国家に反していることは明快だ。無政府状態を是とするなら、無人島に彼らで渡ってそこで国を立ち上げるがいい。それとも、ロシアのシベリアに移住するつもりか。
 虚しい栄光にいつまでもしがみつくのなら、アメリカは自ら崩壊していく。日本はいつまでもアメリカに依存するべきではない。アメリカや極右中国、時には米州ボリバル連盟、欧州連合を巧みに使い分け、国際法を楯に堂々と日本の外交を為せばいい。それが独立国の権利である。
 私はよって、病める大国であるアメリカに日本が友人として為せるべきことは、アメリカに大国意識を捨てて、多極化社会の一部として再生すべきだと直言すべきだと断じたい。おそらく、トイプードル前原やジミントーのオマヌケなセンセイ方にはこうした発想はないのだろうから、期待はしないが一応述べておこう。

今回参考にした記事
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-1331.html
リベラル21より
2010.10.02 ティー・パーティーは“超極右”
仏「極右」の「国民戦線」よりずっと右寄り
伊藤力司 (ジャーナリスト)

 ありがとうございます。

 自称エリートたちがあこがれてきたアメリカは今やゆがみにゆがみ、北東アジアという良き友人との関係すらもこの国はまともに結べなくなってきている。
 従軍慰安婦問題で日本政府は相変わらず硬直した態度を取っているが、それはとてもおかしなことだ。今日は「天皇誕生日」とやらで国民の休日になっているが、メディアは韓国の従軍慰安婦の尊厳をあまりにも踏みにじっているのではないか。いい加減にしてもらいたい。
 ちなみにたとえ恩師であっても、批判はしていい。アイヌ民族研究の第一人者だった金田一京助の一番弟子で、アイヌ民族出身の知里真志保は金田一でも批判を辞さなかったが、それを金田一は歓迎していたのである。それぐらいの度量があってこそ知里も金田一を認めていたのだ。その事実を忘れないで欲しい。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4043775059/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_1/376-1911859-5046100?pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_r=0RVAQQGARCZZ9Z1HA7R3&pf_rd_t=201&pf_rd_p=466449256&pf_rd_i=4620316547

2012年04月01日
ニッポン・サバイバル

 今回の書評は「ニッポン・サバイバル ―不確かな時代を生き抜く10のヒント」姜尚中(カン・サンジュン)著である。
 この書籍は10のテーマによって構成されている。

・第一章 「お金」を持っている人が勝ちですか?
・第二章 「自由」なのに息苦しいのはなぜですか?
・第三章 「仕事」は私たちを幸せにしてくれますか?
・第四章 どうしたらいい「友人関係」が作れますか?
・第五章 激変する「メディア」にどう対応したらいいの?
・第六章 どうしたら「知性」を磨けますか?
・第七章 なぜ今「反日」感情が高まっているの?
・第八章 いまなぜ世界中で「紛争」が起こっているの?
・第九章 どうしたら「平和」を守れますか?
・第十章 どうしたら「幸せ」になれますか?

 いじめに苦しむ子どもたちや、悩みを抱えた大人たちなど、毎年、三万人以上が、自殺に追い込まれている。そして本当に怖いのは、この社会で共に生きる他者への無関心と、無慈悲さの蔓延だ。「悪人」だけが跋扈しているわけでもないのに、一体なぜなのか。また、相談機能を失ったこの社会で、どこにも逃げられず、頑なにもなりきれないフツーの人たちは、どうしたら漠然とした息苦しさから解放されるのか?注目の政治学者が、幅広い世代から寄せられた声に誠実に向き合い、この国でしたたかに、しなやかに生き抜くための方法論を提示した、現代日本の必読書(アマゾン書評より)。

 「大切なのは大きくブレないことです。感情の振幅が大きいのはとても危険です」と著者は指摘している。その言葉はあの本村洋を痛烈に射抜いている。彼の感情だけの暴走で裁判の本質は大きくゆがめられ、単なる処刑ショーに裁判は成り下がってしまった。
 私は「知の劣化」が日本で急激に進んでいると考えている。ネットの発達によってどこでも欲しいときに情報やデータが入手しやすくなったのはいいのだが、それをどのようにして加工し生かすかと言う点で日本は恐ろしいまでに劣化しているのである。つまり、情報を読みこなす力がなくなってきているのだ。
 著者の訴えたいことは自分の力で考える力を手に入れろと言うことなのだろう。私が地方百貨店シリーズを行っているのは日本の百貨店をどうやってとらえるかなのである。彼の言うことを絶対的にとらえるのではなく、以下に自分の思想の中に取り込み活用するかが大切なのである。


http://www.kangsangjung.com/

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%AB-%E2%80%95%E4%B8%8D%E7%A2%BA%E3%81%8B%E3%81%AA%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%82%92%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%8A%9C%E3%81%8F10%E3%81%AE%E3%83%92%E3%83%B3%E3%83%88-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%A7%9C-%E5%B0%9A/dp/4087203794

 その頃、ある投資顧問の経営者が不正をやらかしていた。
 それに絡んで作家で詩人の神戸俊樹さんはこのようなコメントを寄せてくれた。

この記事へのコメント
自分の年収をまるで自慢するかのように7千万と口にするその神経が理解出来ませんね。
金銭感覚が完全に麻痺しているのでしょう。
このような人間に大切な金を預けた企業は不運としか言いようがありません。
Posted by 俊樹 at 2012年04月01日 21:08

コメント回答
  私はメインバンクが三菱東京なのですが、選んだ理由はNYSEに上場していて情報公開もしっかりしていることでした。最近では暴力団との関係が深いと指摘されています吉本興業のMBOに反対したことからも、信頼性が極めて高いと判断しています。新聞については実家も取っていません。私はネットで見ているとすればしんぶん赤旗、Yahoo!ぐらいでしょうか。
 また、これはこの前のコラムと同じなのですが、そもそも投信というのはギャンブルをかっこよく言った言葉に過ぎないのだと思います。ですからパチンコや競馬と同じ意味を持ちます。ただ違うとすれば情報公開が義務付けられているか否かなのです。その程度でしょう。
 コメントがしにくかったことをお詫び申し上げます。今後もこのブログをじっくりと改善していくことをこの場でお約束申し上げます。

2013年01月08日
2012年12月書評
 今回からは書評を月一度にまとめて行う。
 そのほうがシンプルでいいからだ。さて始めるとしよう。

 『在日からの手紙』姜尚中/内田雅敏著-太田出版 762円
 2003年の4月と7月の2回にわたり行なわれた、姜尚中と内田雅敏の対談、そのほか「「北東アジア共同の家」のために」「分裂と不信の時代を超えて」などを収録したものだ。
 この本については何度も読み直す必要がある。圧倒的マジョリティがマイノリティの心を知ることは大いにいいことだ。沖縄米軍基地の撤退を訴えている方々にあほなネウヨ連中は中国への移住を迫っているがそれはあほネウヨにそっくりそのままお返しする言葉なのである。
 小説もどきの文章を書くために集めた本もある。今回の書評はそれが大半だ。

「いま、会いにゆきます」「弘海 -息子が海に還る朝」(ともに市川 拓司著)は著者が発達障がい当事者とわからない時に描かれた著作である。速読で早めに読めたのでそれほど苦にはならなかったが、共通しているのは社会的マイノリティであること、そのことへの疎外感が感じられる。
 映画「のだめカンタービレ 最終楽章」ノベライズ(豊田 美加・衛藤 凛 (著), 二ノ宮 知子 (原著) )も同じようなにおいを感じ取った。そもそも主人公の野田恵が発達障がい(サヴァン症候群)であることを示唆するような生活のにおいで感じられる。それでもあえてとんがっていく生き方だってある。
 スパイダーマン3(スタン・リー/原案 スティーヴ・ディッコ/原案 サム・ライミ/脚本 イヴァン・ライミ/脚本 アルヴィン・サージェント/脚本 サム・ライミ/ストーリー イヴァン・ライミ/ストーリー ピーター・デイヴィッド/著 富永和子/訳)もそうした観点で読み解けば一つの答えが見えてくる。英雄として持ち上げられていくことへの空しさなのだろう。
 マンガ ランウェイ☆ビート(原田 マハ著、 あさきや かい漫画)ではアパレルに情熱を傾ける超人的な高校生が出てくる。
 さて、これだけ夢のような世界に皆さんをいざなったところで最後に現実へ戻さねばならない。

  クロサギ公式ガイドブック―詐欺を見破る魔法の計算式(夏原 武 (著), 黒丸 (著), ヤングサンデー編集部 (著) )という本がある。
 これは現代にはびこる詐欺師の手法の一端を暴いた著作だが詐欺はこの上手を行っている。だますほうも悪いがだまされるほうも悪いと彼らに言われる前にある程度の自己武装は必要だ。そこで、知恵をもっと身に着けるべきだ。ネウヨになるよりは大切なことだ。

 「震災報道いまはじまる - 被災者として論説記者として一年 -」三木康弘著は被害者と第三者である自分をどうやって冷静に分けて報道するのかという問いかけがある。
 朝鮮「ミサイル」報道も同じで報道の道が導になっている。日本の報道を私は全くあてにしていない。そもそも、ロケット技術はミサイル技術からの転用なのだ。なので日本もやろうと思えば核保有なんかできる。
 今回の「ミサイル」騒ぎは韓国の中央日報を中心に引用した。そんな私に言わせると今の震災復興とやらは復旧に過ぎない。復興とは何かを考えるべきだろう。

 「フィンランド豊かさのメソッド」堀内 都喜子著から、感じたことは日本と韓国との関係がフィンランドとスウェーデンに似ているということだ。フィンランドとスウェーデンは日韓関係に似ていて仲が悪い。それには理由がありフィンランドはスウェーデンに支配されていた過去があるのだ。
 この本に日韓関係の改善のキーポイントがある。冷静に話し合いを続ける、憎悪には振り回されない、だが二の矢三の矢は放つことが肝心なのだ。はたして今の政治家にそうした手を打てる者はいるのだろうか。必要なことはフェアな関係という基本的原則を頑として守らねばならない。

 「美のジャポニズム」三井秀樹著は19世紀のジャポニズムが現代にもフィードバックされているかを論じている。そうした流れは形を変えてアニメーションにもある。だが、それで日本万歳と思ってはいけない。私は日本という国の文化の手掛かりをつかむために読んだのにすぎない。

 「「うつ」を克服する最善の方法」生田哲著では恐ろしい事実がある。
 SSRIの代表プロザック(イーライ・リリー)の治験参加者がたったの286人だったという。その新薬がなぜ承認されたのか?そして、深刻な副作用だ。
http://adbusters.web.fc2.com/prozac4.htm
 そのほかにもパキシル(グラクソ・スミスクライン)、ルボックス(ソルベイ、アステラス、明治製菓ファルマ)、ソロフト(ファイザー)、セレクサ(フォレスト・ラボラトリーズ)があるがいずれも問題がある。第二世代のSNRIにしてもセルメン(ブリストル・マイヤーズスクイブ)、エフェクサー(Wyeth Laboratories)があるがこれも問題点が多い。
 クローズアップ現代では発達障がい当事者の子供への投与が深刻な結果をもたらしているほか、大人の世界でも投与されたら犯罪に手を染めたケースもある。著者はうつ病をコントロールするという観点から栄養面での対策を提唱している。これは一つの見解なので皆さんで考えてほしい。

 「僕の妻はエイリアン」泉流星著はアスペルガー症候群の当事者が夫の立場に立って書いた私小説的ノンフィクションで、著者と同じように私もBGMから「この曲なんや」と思うことがあるほかユーモアのセンスがある。調べたがるくせもある。その反面頭の意識がブラックアウトしやすい。

 「厚生省AIDSファイル」保坂渉著は櫻井よしこの作品よりも中身が濃い。あの佐野眞一の「巨怪伝」に匹敵する力作である。不可解な厚生省の背後にはミドリ十字との深刻な癒着があった。いわば最初から共謀して情報を把握し、ミドリ十字にとって有利になるような行動を繰り返した。不可解なことに加熱製剤を開発したバクスターなどの申請がダメになりミドリ十字などとの同時申請でないとダメになった。
 それには天下りというくだらない役益があった。宮本政於氏はそうした歪んだ実態を全力で暴き厚生省を不当にポアされた。もし生きていれば厚生労働大臣というべき逸材だった。
 結果は宮本氏の指摘が全て正しかったことを証明した。世界中に自らの馬鹿さ加減を証明したのである。

 「お役人さま!」 廣中克彦著では クーラーを導入する際に電源ケーブルを架空発注したあほな役人が出てくる。
 くだらないゴマすり出世のためで発覚したら部下にその責任を押し付ける。これはまだ軽いほうで洗濯機を注文する際にボロ攪拌機なる名称を考え出して発注した。ぼろの洗濯に使うという口実だ。ウイスキーは気付薬、ワープロについては電球などの名称で。政権交代もどきでこうした腐敗は必ず復活するであろう。
 天下りの本質は元いた役所から情報を引き出し、己の利益につなげるのが大半なのだ。ミドリ十字の天下りも情報引き出しの傭兵に過ぎない。

 「自衛隊の対テロ作戦」小西誠著は黒塗り文書も含めて公開されたことにこの本のだされた意味の重さがある。
 現在自衛隊を「国防軍」にする計画がジミントーによって行なわれようとしている。だが今のままでは自衛隊は明らかにアメリカの使いパシリにされるのがオチだ。ではどうするのか?都合の悪い事実であれ正しく伝えるジャーナリズムの復活が必要なのである。スパイ活動よりも日本がやるべきは対米外交の大幅改革だ。公安警察も含めて改革は不可避ではないか。