2013年10月19日土曜日

地方百貨店を考える 小樽・大国屋の場合



 今回は西武百貨店系列の百貨店・大国屋を取り上げる。
 昔の大国屋のロゴマークはあったのだが、国会図書館で検索をかけた結果、北海道新聞のデジタル縮刷版に詳細があった。そこで、今回取り上げる事になった。
 なお、Wikipediaで引用する場合は必ず拙コラムより引用した旨を明示してもらいたい。最近、無断引用が目立っているのは残念だ。

1853年 富山県で京坂屋善九郎(後に金栄と改姓)が古着屋「京善屋」として開業。
1870年 屋号を「紅屋」に改称、質屋業も兼営。
1877年 屋号を「大國屋」に改称、呉服屋に転じる。
1907年 二代目金栄庄太郎が小樽に支店を開設。
1924年 個人経営から株式会社法人を設立。
1934年 小樽支店を改装拡張、百貨店にし旧館を開設。
1949年 本社を富山から小樽に移転。
1953年 第一期増床。
1956年 第二期増床。
1974年 西武百貨店と業務提携。
1987年 口頭で再開発ビル建設計画を小樽市に表明。
1989年 西武百貨店に経営権を譲渡。高級品を取り扱うようになる。
1993年 1月、経営不振のために従業員組合に土居俊介社長が百貨店の廃業を提案。
1993年 4月30日、百貨店を廃業。会社を清算する。

 現在、大国屋跡地はホテルになっている。
 私は思う。もし、この時点でそごうが大国屋から教訓を学んでいたら、大型倒産にはなっていなかったのではないかと。地方百貨店は大手企業の傘下になるか、破産かの時代はその時点で見えていた(ただ、これはたらればの話にすぎない)。
  西武百貨店はそごうを飲み込んだが、皮肉な事にセブン&アイに飲まれて今やフラッグシップの有楽町店は閉鎖だ。その跡地はルミネになる。西武やそごうにはセブンプレミアム(セブン&アイのプライベートブランド商品)が並ぶようになった。利益を取るためなら何でもありの時代なのだ。
 そのうち、イオンと三越を我々は目隠しして店内に入ったとしたら、どう違うのか分からなくなるのではないか。それぐらい、量販店と百貨店の垣根は崩れつつあるのだ。