2014年9月6日土曜日

誰のための復興か

 まず、広島県の土砂災害に対し、被害にあわれました方々や不幸に見舞われました方々に哀悼の念を表明いたします。
 24時間テレビなんぞ見て気分だけボランティアを楽しんでいた人たちに言いますが、せめて地元のために何かできる事をしましょう。そのうえで、今回こんな記事を出さないといけないことに悲しみを覚えます。


「復興計画に疑問」山元の地権者、売却拒否

 東日本大震災の被災集落の集約先として山元町が計画する新市街地整備事業に反対し、町への土地売却にいまだ同意していない地権者が3人残っている。このうち、町は先立ち1人の土地収用の裁決を県収用委員会に7月末に申請、受理された。この地権者は「計画に反対するため最後 まで筋を通す」と譲らない構えで、募らせてきた町への不満をあらわにする。

 地権者は町内の60代の農業男性。新市街地整備事業のうち、 JR新山下駅周辺地区に掛かる水田1.6ヘクタールの売却に、ただ1人同意していない。整備工事のフェンスで囲まれた中で水稲栽培を続ける。男性は「真綿で首を絞められているような状況だが、来年もコメを作り続ける」と言い切る。
 震災があった年の夏、新市街地予定地に自分の水田が掛かったことを知ったという。その後、引き渡しを求める町幹部らの再三の説得に最後まで首を縦に振らなかった。
 男性は「土壌改良して大事に育てた農地で愛着もあるが、応じない一番の理由は計画を進める町への不信感だ」と語る。
 町は常磐線の内陸移設(2017年春再開予定)で開設される新山下、新坂元両駅の周辺など3地区に新市街地を形成するコンパクトシティー型のまちづくりを推進。住民グループが求めた旧ルートでの早期再開や新市街地以外への独自集団移転の要望を認めなかった(住民グループが集めた2000人の常磐線早期復旧を強く求めた署名を不当に無視する公権力犯罪までしでかした。今年春の町長選挙では斎藤自称町長への事実上の不信任が圧倒的多数を占めるまでになった)。
 男性は「復興にかこつけ、被災者を第一に考えず強引に計画を進めようとする町の姿勢は納得できない。計画から自分の土地を外してほしい」と訴える。
 県収用委が町の裁決申請を受理したことは、弁護士に聞いたという。今後は町と地権者の双方の意見を聞く審理などを経て、通常なら半年程度で結論が出る。
 男性は「公の場で計画への疑問をぶつけたい。裁決に納得できなければ、異議申し立てや提訴など長期戦も覚悟している」と強調する。

2014年08月12日火曜日 河北新報社

 この男性が正しいのは誰の目からして明らかです。
 まず、復興に不可欠なのは住民参加です。山元町の場合再開発に105億も使うわけですが、明らかに非効率な街づくりになっています。そこで儲かっているのは株式会社フジタ; 大豊建設株式会社; 株式会社橋本店だけで住民は何一つ儲かっていないのが現実ではありませんか。
 しかもこのフジタ、大和ハウスの子会社です。住民無視の再開発なのは明白でしょう。105億円あるなら、住民の意見を十分に聞いて、旧ルートでの常磐線の再開に踏み切るべきです。またコンパクトシティ型の街にしたいというなら、他の地域に移転したいという人たちの意向も考えておくべきでした。
 こういう現実が広島でも起きる可能性が濃厚です。

2014.01.15 石巻河北新報社

「沖六勺西復興住宅」追加募集前に内覧会 間取りや収納確認 石巻



 東日本大震災で被災者向けに整備し、入居申し込みが募集枠に満たなかった復興公営住宅で追加募集を15日に始める石巻市は12、13の両日、借り上げ型の「沖六勺西復興住宅」で現地内覧会を開いた。

 追加募集に先立ち事業者の協力で行われ、2LDKと3LDK、車いす対応型の3タイプが公開された。12日は51組、13日は18組が見学に訪れ、再建後の生活をイメージしながら間取りや広さ、収納スペースなどを確認した。

 大門町4丁目の自宅が被災し、開成地区の仮設住宅で暮らす会社員男性(64)は「あけぼの北の復興公営住宅を申し込み、どんな感じの部屋かを見たかった。立派ですね」と感想を話した。

 沖六勺西は昨年10月に全35戸で募集。1LDKは6戸全てに応募があったが、2LDK(追加募集9戸)3LDK(12戸)車いす対応型1LDK(1戸)で空きがある。

 借り上げ型の追加募集は沖六勺西のほか、沖六勺東(2LDK、3LDK、車いす対応1LDK計12戸)根上り松(車いす対応型2LDK1戸)南中里1丁目(3LDK2戸)の各復興住宅でも行われる。

 いずれも入居開始は2月1日の予定で、先着順で受け付ける。

 連絡先は市事前登録相談窓口0225(90)8041.8042。

2014年3月11日放送 8:00 - 9:55 テレビ朝日

モーニングバード! (ニュース)
 宮城・石巻市にある糠塚仮設住宅は地権者との契約更新ができず、8月までに42世帯80人すべての世帯が退去を迫られており、9日石巻市による説明会が開かれた。石巻市生活再建支援課 村上光雄課長は9月に解体が始まる説明、市は各世帯の要望を聞いた上で空きのある別の仮設住宅に振り分ける考えを伝えた。一方地権者の男性には母親の介護を理由に仕事を辞めたため、今後の生活資金として土地を売りたいという事情があった。
 この仮設住宅に息子と2人で暮らす渡辺かね子さんは、津波で 自宅が全壊し半年間の避難所生活を経てこの仮設住宅に入居した。住み慣れた仮設住宅を離れ別の仮設住宅に移ることへの不安を伝えた。息子の渡辺富雄さんは別のコミュニティに入ることへの不安を述べ、復興は遅いが震災の風化は早いと語った。寝たきりの夫と暮らす遠藤良子さんは、移転先の仮設住宅の車椅子よう のスロープの設置状況など不安は尽きない。
 復興住宅はさまざまな理由で整備が進まず被災3県(岩手・宮城・福島)で完成はわずか約3%である。また、復興住宅にも新たな課題が浮上している。市街地から遠い沖六勺復興住宅では去年9月から入居者を募集したものの、現在61戸のうち18戸が空室となっている。一方、市街地から近い蛭田地区で建設中の復興住宅には予定戸数850戸に対し2倍の入居希望者が殺到している。石巻市復興住宅課・後藤寛課長は予定戸数を増やしたが、希望者の数はそれを上回っていると語った。

 これで分かるでしょう。
 住民参加のまちづくりではないために、こんなアンバランスな現実になるのです。
 これが、民主主義と言えないのは誰の目からしても明らかでしょう。誰のための復興なのかを私達はもう一度真剣になって考えるべきだと思います。