2020年8月11日火曜日

出光興産:時代遅れの発想から目を覚ませ

 出光興産が昭和シェル石油を買収してから1年経とうとしている。
 しかし、この買収には問題があまりにも多すぎた。創業者の出光昭介氏は「(出光興産は)家族的な会社だが、昭和シェルは労働組合が強く全然違う」と経営統合に反対している。では、その出光の考えはどこか。
 「出勤簿なし、定年なし、労働組合なし」という出光の考えは今の時代にそぐうのだろうか。確かに、定年なしは分かる。しかし、出勤簿無しや労働組合なしはおかしな話ではないか。
 「海賊と呼ばれた男」こと出光佐三氏の理念であったとしても、時代に合わせた見直しは必要だ。更に出光興産は戦前から続く「修養団」が行うみそぎ研修(ふんどし1つで冷たい川に入らせる)を今でも行っていて、その研修講師は「馬鹿になって物事に挑むきっかけを掴ませる」と言っているのだから、恐ろしい。
 反対も結局は利権欲しさに過ぎなかったとはいえ、私は違和感を強く感じている。改革を出光興産が行うとすれば以下の私案はどうだろうか。時代遅れの発想から一刻も早く目を覚ませと言いたい。


1.禊研修への社員派遣の中止。「商売は金儲けではない」理念を取り戻す。
2.福岡県苅田町にある西日本工業大学を買収し、出光興産内の大学として再構築する。
 西日本工業大学にMBAコースを設置。出光興産・昭和シェル石油・三菱UFJ銀行からシニア世代を講師として招く。また、スクーリング施設にシニア社員を受け入れる。派遣切りされた中高年女性から講師を採用する。つまり、地域の学び場として西日本工業大学を再生する。
3.スペインvortex bladeless社に資本参加し、日本で羽根のない風力発電を普及させる。
 販売店をサービスステーションにして、アフターサービスも実施。
 無人島に上記の技術を生かした大規模風力発電を設置する。
4.wave energy technology社に資本参加し、海上潮力発電に参入。福島沖で積極的に展開する。
5.サウジアラビア・サウジアラムコと子会社を設立すると引き換えに、出光興産本体への出資を中止にする。
6.昭和シェル石油の買収で騒動をやらかした自称経営陣を創業者も含めて全て更迭し、経営陣を平均50代に若返りさせる。なお自称経営陣の更迭先は西日本工業大学とし、日本各地にスクーリングを設置して通信制大学として位置付ける。出光・シェルの閉鎖されたサービスステーションをスクーリング施設として改築する。その他に太陽光発電・風力発電メンテナンスセンターをサービスステーション内に設置する。
7.新たにサービスステーションで廃プラスチックの回収を行う。ポイントがたまれば換金できるしくみにする。廃プラスチックを油にする技術があり、出光グループが自ら手がける価値がある。
8.スクーリング施設・子ども食堂・コワーキングスペース・介護福祉施設を設置する。運営法人は出光の石油販売会社の事業譲渡で余った法人にし、不動産会社とする。出光の理念を強く打ち出せるにうってつけである。
9.出光興産のメインバンクを三井住友から三菱UFJ、りそな、めぶきとする。
10.韓国や中国など、第二次世界大戦で深刻な被害を受けた国にみずから損害賠償を申し出ること。従軍慰安婦・強要労働者に対して速やかに対応する。
11. ソニー子会社でインターネット通信大手・ソネットと提携、通信事業に参入する。サービスステーション内に接続局を設けて、地域のインフラとする。